Windowsは、デバイスの正常な動作、セキュリティ、および機能改善のために、様々なデータを収集しています。収集されるデータは主に「必須診断データ」と「オプション診断データ」の2つのカテゴリに分けられます。
必須診断データ(Basic Telemetry)
このデータは、Windowsを最新の状態に保ち、安全に、そして期待通りに動作させるために必要とされます。収集される情報の例は以下の通りです。
- デバイス情報: プロセッサ速度、メモリ容量、バッテリー容量、ハードドライブサイズ、デバイスの種類とバージョン、ネットワークアダプター速度、IMEI番号(SIMカード使用時)、接続されている周辺機器などのハードウェア詳細。
- オペレーティングシステム情報: OSのバージョン、インストールされた更新プログラム、構成、OSとサービスの基本的なパフォーマンス情報。
- ソフトウェアのセットアップとインベントリデータ: インストールされているアプリとドライバーに関する情報。
- 接続性データ: Microsoft Storeへのアクセス可否、ネットワーク設定。
- 問題報告: 基本的なエラー報告、信頼性データ、クラッシュレポート、予期せず停止したプロセスやサービスの詳細。
- イベントメトリクス: イベントのドロップまたはブロック数、正常にアップロードされたイベントの割合、最終アップロード時刻。
- 状態変更の詳細: アプリの総稼働時間、アプリケーションに割り当てられたプロセッサ時間、クラッシュ回数。
- 必須サービスデータ: ライセンスサービスや「デバイスを探す」機能(有効な場合)など、製品の動作に不可欠なサービスのために収集されるデータ。
オプション診断データ(Full Telemetry)
このカテゴリには、必須診断データに加えて、より詳細な情報が含まれます。ユーザーはプライバシー設定を通じてこのデータの収集を制御できます。
- 詳細なシステム仕様: PC全体の健全性とハードウェア機能に関するより詳細な情報。
- アプリログ: 起動したアプリ、タイムスタンプ、応答時間。
- ブラウザアクティビティログ(Microsoft製ブラウザのみ): 訪問したサイト、検索語句、ブラウザ構成の変更。
- インク入力、タイピング、音声入力データ: ディクテーション、タイピング、書き込みのサンプル、およびテキストへの変換の詳細。
- 製品とサービスのパフォーマンスデータ: デバイスやサービスの健全性に関するより詳細な情報。
- 製品とサービスの利用状況データ: アプリの活動(起動、OSとサービスの利用統計)、機能の使用時間、OneDriveやMicrosoft Storeなどのサービスとのインタラクション頻度。
- 強化されたエラー報告: より詳細なクラッシュダンプ(ヒープダンプとフルダンプを除く)。
- 位置情報データ: 位置情報サービスが有効な場合。
- 広告ID: パーソナライズされた体験や関連性の高い広告のために使用されます。
Microsoftは、これらのデータを製品の更新、セキュリティ確保、トラブルシューティング、製品の改善と開発、パーソナライズ、および広告のために使用していると説明しています。Microsoftは、必須テレメトリーがファイル名、電子メール、ファイルの内容などの個人を特定できる情報を明示的に収集することはないと主張しています。ユーザーは「診断データビューアー」アプリを使用して、収集されている診断データを確認できます。