IntelのCore i9-14900KSは、2024年3月に発売されたIntel第14世代Coreプロセッサーのフラッグシップモデルであり、デスクトップPCプロセッサーとして史上最高の6.2 GHzというクロック周波数を達成しています。これはRaptor Lake Refreshアーキテクチャの一部であり、Intelが新しいブランド体系に移行する前の最後の「Core i9」プロセッサーとなる見込みです。
主な仕様:
- コア/スレッド: 24コア(8つのPerformance-coreと16のEfficient-core)と32スレッドを搭載。
- クロック速度: P-coreのベース周波数は3.2 GHzで、Intel Thermal Velocity Boostを利用して最大6.2 GHzのターボ周波数に達します。E-coreのベース周波数は2.4 GHzで、最大ターボ周波数は4.5 GHzです。
- キャッシュ: 36 MBのIntel Smart Cacheと32 MBの合計L2キャッシュを搭載。
- ソケット: FCLGA1700ソケットを使用し、Z790、B760、H770チップセットと互換性があります。
- メモリサポート: 最大192 GBのDDR5 5600 MT/sおよびDDR4 3200 MT/sメモリをサポート。
- 統合グラフィックス: Intel UHD Graphics 770を内蔵。
パフォーマンス:
i9-14900KSは、アプリケーションやゲーミングにおいて目覚ましいパフォーマンスを発揮し、標準のi9-14900Kをわずかに上回る性能を示します。前世代と比較してゲーミング性能で最大15%向上、コンテンツ作成における計算負荷の高いワークフローでは最大73%の性能向上が見られます。AMDのRyzen 7000X3Dプロセッサーと競合することを目指していますが、ゲーミングにおいては7000X3Dチップが依然として最速のゲーミングCPUの座を保持しています。
消費電力と熱:
i9-14900KSの大きな特徴は、その高い消費電力です。プロセッサーベース電力(PBP)は150W、最大ターボ電力(MTP)は253Wですが、テストでは最大325W、オーバークロック時には500Wを超えることも報告されており、熱スロットリングを防ぎ安定性を維持するためには、360mm液冷クーラーなどの最高級の冷却ソリューションが必要です。
市場での位置付けと価格:
希望小売価格は689ドルから699ドルで、Intelのメインストリームチップとしては最も高価です。これは基本的にi9-14900Kの高性能版であり、最高のシリコンから選別されたものです。しかし、一部のレビューでは、i9-14900Kからの性能向上がわずかであり、特に冷却が不十分な場合の高い消費電力と潜在的な安定性の問題を考慮すると、その価格に見合わない可能性があると指摘されています。