AMD、AI開発とプロフェッショナルワークステーション市場に本格参入
AMDが2025年7月23日に発売する新製品群は、AI開発とプロフェッショナルワークステーション市場に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。今回同時発売されるのは、RDNA 4アーキテクチャを採用した「Radeon AI Pro R9700」グラフィックスカードと、最新のZen 5アーキテクチャーを搭載した「Ryzen Threadripper Pro 9000 WXシリーズ」プロセッサです。これらの製品は、AIモデルの開発や推論、大規模なデータ処理において、従来の課題を解決する新たな選択肢となります。
Radeon AI Pro R9700の革新性
Radeon AI Pro R9700は、Navi 48ダイを採用し、32GBのGDDR6メモリを搭載しています。このメモリ容量はゲーミング向けのRX 9700シリーズの2倍にあたり、大規模なAIモデルの処理に必要な容量を確保しています。128個の第2世代AIアクセラレーターを搭載し、FP16演算性能は96テラフロップスに達します。AMDの内部テストによると、大規模トランスフォーマーモデルの推論において、NVIDIAのRTX 5080と比較して最大496%高速という驚くべき結果を示しています。
Threadripper Pro 9000 WXシリーズの圧倒的性能
Threadripper Pro 9000 WXシリーズは、最大96コア192スレッドという脅威的な構成を実現しています。フラッグシップモデルの9995WXは、ベースクロック2.5GHz、ブーストクロック最大5.4GHzで動作し、前世代と比較して26%の性能向上を達成しています。価格は1万1699ドルと高額ですが、Intelの競合製品と比較してAI性能で最大495%上回るという圧倒的な数値を示しています。
AIの所感
AMDの今回の製品投入は、AI開発とハイパフォーマンスコンピューティング市場における重要な転換点となる可能性を秘めています。Radeon AI Pro R9700の競争力ある価格設定は、これまでNVIDIAの高価格製品に手が届かなかった中小企業や個人開発者にも本格的なAI開発環境を提供します。Threadripper Pro 9000 WXシリーズは、その圧倒的なコア数と性能により、映像制作、科学技術計算、AI開発などあらゆる分野でのワークフローを革新するでしょう。AMDが掲げるオープンソース戦略とROCmプラットフォームの進化は、AIアクセラレータ市場に健全な競争をもたらし、最終的にはユーザーに大きな利益をもたらすことが期待されます。