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【悲報】AM4の最終兵器、市場から姿を消す!高騰する価格の裏に隠された真実とは?

【悲報】AM4の最終兵器、市場から姿を消す!高騰する価格の裏に隠された真実とは?

静かに、しかし確実に一つの時代が終わりを告げようとしています。2025年8月11日、オランダのプイカーズが報じたニュースが世界を駆け巡りました。AMDのRyzen 7 5700X3Dが生産終了を迎えたというのです。複数の小売業者が在庫補充の不可能を証言し、アメリカではAmazonやNeweggといった大手オンラインストアから完全に姿を消しました。

249ドルで登場したこのプロセッサーは、最安値では199ドルまで下がったものの、今や第三者販売業者の手により526ドルという驚くべき高値がつけられています。わずか19ヶ月という短い期間でしたが、このCPUはAM4プラットフォーム最後の希望として、多くのゲーマーの心を掴んでいました。8年間続いたAM4の歴史に、ついに幕が下ろされる時が来たのです。

魔法の技術:ゲーマーを魅了した3D V-Cache

Ryzen 7 5700X3Dの心臓部には、AMDが誇る3Dキャッシュ技術が搭載されています。8コア16スレッド、動作クロックは3.0GHzから4.1GHz。数字だけ見れば平凡に思えるかもしれませんが、96MBという巨大なL3キャッシュがこのCPUを特別な存在に変えました。通常のプロセッサーが平面的にキャッシュを配置するのに対し、3Dキャッシュは垂直に積み上げることで、キャッシュ容量を通常の3倍にまで拡大しました。

この革新的な技術がゲームにもたらした効果は劇的でした。データへのアクセス速度が飛躍的に向上し、フレームレートは20%から30%も上昇。サイバーパンク2077の夜景がより滑らかに描かれ、ホグワーツ・レガシーの魔法がより鮮やかに輝くようになりました。上位モデルの5800X3Dとの性能差はわずか9%でありながら、価格差は100ドル。IntelのCore i5 14600系をも凌駕する性能を、既存のDDR4メモリとAM4マザーボードで実現できたのです。

さらに、105Wという控えめな消費電力は、大掛かりな冷却システムを必要としません。オーバークロックこそできないものの、そもそも必要ないほどの実力を備えていました。まさに「コストパフォーマンス」という言葉は、このCPUのためにあったと言えるでしょう。

狂乱の市場:ジェットコースターのような価格変動

5700X3Dの価格推移は、まるでジェットコースターのようでした。2024年1月に249ドルでデビューしたこのCPUは、上位モデルより100ドル安いという絶妙な価格設定で市場に受け入れられました。春が訪れた5月には199ドルまで下落し、賢明な買い物客たちがこぞって購入しました。

しかし、秋風が吹き始めた10月、兄貴分の5800X3Dが生産終了となると、風向きが変わります。需要は急増し、価格は上昇カーブを描き始めました。2024年7月15日の182ドル99セントが、振り返れば最後のチャンスだったのです。年末にはAmazonのベストセラーリストの常連となり、在庫切れの表示が日常風景となりました。

2025年の扉が開くと、状況はさらに深刻化しました。ヨーロッパでは225ユーロが260ユーロに跳ね上がり、イギリスでは218ポンド99ペンスという価格がつきました。アメリカでは正規店から完全に消え去り、香港の業者が526ドルという法外な値段で販売する始末。中古市場のeBayでさえ、205ドルからのスタートとなりました。

この異常な価格高騰は、単なる品薄だけでは説明できません。市場は5700X3Dの真の価値、つまりAM4プラットフォーム最後の宝石としての価値をはっきりと認識していたのです。

決断の時:AMDの戦略とAM5への移行

AMDが人気絶頂の5700X3Dを打ち切った理由は複雑に絡み合っています。最も大きな要因は、製造ラインの現実です。TSMCの7nmプロセスは、サーバー向けCPUという「金のなる木」も生産しています。限られた製造能力を、利益率の低いコンシューマー向け製品に割くわけにはいかないという、冷徹なビジネス判断がそこにはありました。

さらに、AM5への移行を加速させたいAMDの思惑も透けて見えます。2022年に鳴り物入りで登場したAM5ですが、5700X3Dのような魅力的なAM4製品が存在する限り、ユーザーは新プラットフォームに飛びつきません。DDR5、PCIe 5.0、USB4.0といった最新技術の恩恵を受けさせるには、過去との決別が必要だったのです。

タイミングも絶妙でした。2024年11月7日、Ryzen 7 9800X3Dが479ドルで登場。5.2GHzという高クロックと改良された3D V-Cache配置を武器に、圧倒的な性能を見せつけました。Intelの新型Arrow Lakeも控える中、AMDは次世代技術に全力を注ぐ必要があったのです。在庫管理の観点からも、旧世代製品の長期生産はリスクでしかありません。半導体市場の激しい変動の中で、機敏に動けることが生き残りの条件となっています。

新世界への扉:AM5時代の本格到来

5700X3Dの終焉は、AM5時代の本格到来を告げる号砲となりました。かつて高値の花だったこの新プラットフォームも、2025年8月現在、驚くほど身近な存在になっています。最大の壁だった価格が劇的に崩れ落ちたのです。

DDR5メモリは発売時から60%以上も下落し、16GBが56ドル、32GBでも100ドル前後で手に入ります。マザーボードの選択肢も豊富になりました。エントリーモデルのA620なら100ドル以下。主流のB650は130ドルから、ハイエンドのX870Eでさえ200ドル台から選べます。Ryzen 7000シリーズも値下がりし、CPU、マザーボード、メモリをセットで500ドル程度から組める時代になりました。

技術面での進化は目を見張るものがあります。DDR5-6000の標準サポートでメモリ帯域幅は倍増し、PCIe 5.0でSSDの読み込み速度は60%向上。170Wまでの電力供給能力は、将来登場するモンスター級CPUにも対応できます。Wi-Fi 6EやUSB4.0といった最新技術も当たり前のように搭載されています。

何より心強いのは、AMDが2027年までのサポートを約束していることです。AM4が8年間愛されたように、AM5もまた長く寄り添ってくれるでしょう。既存のAM4用クーラーがそのまま使えるのも嬉しい配慮です。冷却システムへの追加投資は不要で、移行のハードルをさらに下げています。

ちなみに、AM4 X3Dの血脈は完全に途絶えたわけではありません。2025年6月5日、ラテンアメリカ限定でRyzen 5 5500X3Dが静かに登場しました。しかし、これは最後の灯火に過ぎません。未来は明らかにAM5にあります。

ネットの反応

AM4プラットフォームは3回CPU替えて使うくらいにはお世話になりました。この動画を見て感慨にふけると同時に自分にとって最後のAM4 CPUの5800X3Dマシンにより愛着がわいた

まだまだ現役で使えてる
性能が十分すぎるし次の買い替えはいつになるだろうか…

実家出るのに合わせて低発熱の小型PCを新しく組もうか…

5700X3Dは当初から5800X3Dのスペックを満たさなかったチップを放出するための商品だと言われてたし、単に何年もため込んだチップを売り切ったというだけの話やろな

まあこのところ値段上がってたしそんなことだろうと
AM5非X3D、Intel12〜14世代ハイエンド並のゲーミング性能は凄かったな

5700X3D、5800X3D共に友達の代行で擦りまくったわ。ありがとうAM4。

いいCPUだったな。アリエクで2.5万前後で買ったけど、今でも使っている。次はZen6を買う予定だから金を貯めよう。

AM5の最終世代で8C16Tが期待されてる次のRyzen5が後継になってくれんかな。値上げは控えめであるといいね

5800x3Dで組んでAM5、DDR5スキップ予定

アリエクで2万以下だったのにいつの間にか値上がりして36000円になってたからAM5に移行したわ

やっぱりか
最近5700x3Dのアリエク相場が高くなっててもしかしてと思ったけど

今は時期が悪い(´・ω・`)

秋葉の国内市場向け在庫もなくなっていたな。ゲーム以外用で軽作業向けなら5700Xでも十分だし
それなりならゲームも行けるし。
キャッシュを載せるなら上の機種に載せた方がAMDも利益は増えるやろうし

コンパクトで扱いやすいmATXかITXで世代交代しようと思っていたので良いタイミングかも知れない

タルコフヘビーユーザーだけど5700X3Dは最高です。

ホント、年始に買っといて正解だった。

今4万弱するからねぇ~・・・
新規で組む選択は消えた
AM5の7600Xが2万5千円だけどゲーム性能差は得意不得意差を考慮すると互角
他の性能は7600Xが完全に上
AM5マザーも最安モデル以外でも1万位であるしDDR5も16GB×2枚で1万以下で買える
合計で4万5千円で差は5千円しかない(メモリとマザー売ったら差はほぼナシ)
将来性も考慮すると既存AM4ユーザーすら5700X3Dは4万だとナイ
あるとすればAM4信者と組むのが面倒でできる限り楽に済ませたい人に限る
加えて言うなら5700X3Dはミドルクラスのグラボ限定で最大限の効果
RTX4060クラス以下なら5700Xと変わらない
RTX5070やRX9070位からボトルネックになり始めるので
ハイエンドとかにはもったいない
現状の価格ではニッチなユーザー以外にはおすすめできない

とはいえ
AM4ながらゲーム性能は現役で使えるのはすごいね!!
AM4には感謝しかない

5700X3D 値段が7800と逆転しそう

少し前から不自然に在庫がなかったが、やはり生産終了だったか

Socket AM4も終わるか。5700Gでお世話になりました。

そんな!来年積み替えの予定だったのに!

AIの所感

Ryzen 7 5700X3Dの生産終了は、単なる一つの製品の終わりではなく、PC業界における大きな時代の転換点を示唆しています。AM4プラットフォームが長きにわたり多くのユーザーに愛されてきた一方で、技術の進化は止まることを知りません。3D V-Cache技術がもたらしたゲーム性能の飛躍は、既存のプラットフォームでも最新のゲーム体験を可能にするという点で画期的でした。しかし、半導体製造の現実と、より高性能なAM5プラットフォームへの移行戦略を考慮すると、AMDの今回の決断はビジネスとして合理的であると言えるでしょう。

市場の反応も興味深い点です。生産終了が報じられるやいなや価格が高騰したことは、このCPUが単なるハードウェア以上の価値、すなわち「AM4最後の希望」としての象徴的な意味を持っていたことを物語っています。ユーザーのコメントからも、5700X3Dへの強い愛着と、AM4プラットフォームへの感謝の念が感じられます。

AM5への移行は、DDR5メモリやPCIe 5.0といった最新技術の恩恵を享受できる一方で、初期投資の高さが課題でした。しかし、価格の下落とAMDの長期サポートの約束により、そのハードルは着実に下がっています。新しい技術への移行は常に変化と挑戦を伴いますが、それによって得られる体験は、きっとユーザーの期待を超えるものとなるでしょう。5700X3Dが築き上げた「伝説」は、AM5という新たな舞台で、さらなる進化を遂げるための礎となるはずです。


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