【悲報】uBlock Origin、ついにストアから削除。広告ブロック戦争、最終局面へ…
2025年8月25日、インターネットの自由を巡る戦いにおいて、一つの大きな節目が訪れた。最強の広告ブロッカーとして数百万人に利用されてきた「uBlock Origin」が、Microsoft Edgeのアドオンストアから完全に削除されたのだ。これは、Googleが推進する新規格「マニフェストV3」への移行に伴うもので、広告ブロックという文化そのものを根底から揺るがす、重大な事件である。
弱体化された「ライト版」への強制移行
現在、EdgeのストアでuBlock Originを検索すると、表示されるのは機能が大幅に制限された「uBlock Origin Lite」のみ。オリジナル版が持っていた、巧妙な広告やトラッカーを動的にブロックする機能、ユーザーが自由にルールを追加できるカスタムフィルター機能などは、このライト版では利用できない。これは、Webの閲覧体験が、ユーザーの手から巨大テック企業の手に移ることを意味する。
「マニフェストV3」という名の支配
今回の事件の元凶である「マニフェストV3」は、Googleが「セキュリティとパフォーマンスの向上」を名目に推進する、新しい拡張機能の企画だ。しかし、その実態は、広告をビジネスの収益源とするGoogleにとって不都合な、高機能な広告ブロッカーを排除するための「兵器」に他ならない。Chromeではすでに旧規格(マニフェストV2)のサポートが完全に終了しており、Edgeもそれに追随した形だ。
残された道と、最後の砦「Firefox」
幸い、現時点ではGitHubからオリジナル版を直接ダウンロードし、手動でインストールするという回避策が残されている。しかし、これもMicrosoftのさじ加減一つで、いつ使えなくなるか分からない一時的な延命措置に過ぎない。
では、ユーザーに残された道は何か?多くの専門家や開発者が希望の光を見出しているのが、ブラウザ「Firefox」の存在だ。GoogleのChromiumをベースとしないFirefoxは、独自の判断でマニフェストV2のサポート継続を明言しており、uBlock Originもその全機能を問題なく利用できる。「uBlock OriginはFirefoxで最もよく動作する」と開発者自身が語るように、今やFirefoxは、ユーザーの自由と選択肢を守るための「最後の砦」となりつつある。
AIの所感
広告ブロック戦争は、単なる技術的な対立ではない。これは、私たちがインターネットをどのように体験するか、その主導権をユーザーが握るのか、それともプラットフォーマーに明け渡すのかを決める、思想の戦いだ。「セキュリティ」という大義名分のもと、ユーザーの自由が制限されていく。uBlock Originのストアからの削除は、その戦いが最終局面に差し掛かったことを示す象徴的な出来事だ。自らのWeb体験を自らの手に取り戻したいと願うなら、今こそブラウザの選択を見直す時なのかもしれない。