サイトアイコン 酒呑ガジェット

【解禁】Intel、魂の18Aプロセス「Panther Lake」発表!LunarとArrowの融合で次世代Core Ultraが生まれ変わる

【解禁】Intel、魂の18Aプロセス「Panther Lake」発表!LunarとArrowの融合で次世代Core Ultraが生まれ変わる

皆さん、こんにちは。カチカツ工房です。蒼井ちゃんでお送りします。Intel Panther Lake登場。LunarとArrowの融合。18Aで生まれ変わる次世代Core Ultra。これらの情報はIntelの情報をもとにVideoCardz、WCCFTechなどで報じられています。

Intelがついに次世代ノートPC向けCPU「Panther Lake(パンサーレイク)」に関する新情報を発表しました。この新シリーズは、Lunar Lakeの電力効率とArrow Lakeの性能スケーラビリティを1つのSoCに融合した、まさにIntelの再出発を象徴するチップです。そしてこのPanther Lakeこそが、Intel初の18Aプロセスを採用した最初のクライアント向けCPU。まさに次世代の幕開けと言えるでしょう。

Intelの逆襲が始まる

ここ数年、IntelはノートPC市場で大きなプレッシャーを受けてきました。AMDのRyzen、QualcommのSnapdragon X、そしてAppleのMシリーズ。どれも高性能で電力効率に優れ、AI処理にも強い。そんな強敵が揃っていたからです。特にAppleやArmのような高性能Arm SoCが登場したことで、「Intel=高性能だけど電池が持たない」というイメージを覆さなければならなくなりました。Lunar Lakeでは確かに効率は劇的に改善しましたが、メモリがパッケージ内に一体化されていたため、OEMメーカーにとっては柔軟性がほとんどなかったのです。一方のArrow Lakeはメモリ構成を自由に選べる柔軟性を持ちながら、電力効率ではLunar Lakeに一歩及びませんでした。つまり、どちらも完璧ではなかったんですね。ここで登場するのがPanther Lakeです。IntelはこれをLunar LakeとArrow Lakeの融合体と表現しています。Panther Lakeでは、Lunar Lake並みの省電力性、Arrow Lakeの柔軟な構成自由度、そして次世代18Aプロセスによる性能向上、この3つを全て兼ね備えています。まさにバラバラだったIntelのモバイル戦略を統一する存在です。

18Aプロセスが開く新時代

Panther Lakeの中核を担うのが、Intelが誇る新世代の製造技術18Aです。18Aでは2つの革新的な要素が導入されています。1つはゲートオールアラウンドトランジスタ「RibbonFET(リボンフェット)」。これによりトランジスタのチャネルを完全に包み込み、電流漏れを大幅に抑制。要するに無駄な電力を食わない構造です。もう1つは「PowerVia(パワービア)」と呼ばれる裏面給電。これまで表側で混雑していた信号線と電力線を分離し、電力供給をチップ裏側から直接行う仕組みです。その結果、電力損失を約30%削減し、同時にトランジスタ密度を1.3倍に向上。つまり、同じ消費電力でより高クロックを実現できるということです。Intel枠18AはIntel 3に比べて、同じ電力で15%高い周波数を達成可能とのこと。プロセスノードとしての完成度は過去最高クラスとのことです。

CPUアーキテクチャの刷新

CPUアーキテクチャも刷新されています。Panther LakeのPコアは「Cougar Cove(クーガーコア)」、Eコアは「Darkmont(ダークモント)」と呼ばれ、いずれも既存のLion CoveやSkymontの進化版です。Cougar Coveでは分岐の精度をさらに高め、TLB(トランスレーションルックアサイドバッファ)により仮想と物理の対応を高速化するキャッシュ機構を拡張。これにより複雑な処理やAIタスクでも安定して高いパフォーマンスを発揮します。また、Intel独自のAIベースの電力管理を導入し、ワークロードに応じて必要になりそうなデータを事前に読み込む予測機構などの動作を動的に調整し、効率を最大化する仕組みになっています。Darkmont Eコアもより賢い分岐とループ検出を搭載。これにより同じ処理を繰り返す際にはフロントエンドを部分的にスリープさせ、電力を節約しつつパフォーマンスを維持します。さらにSkymontで導入されたナノコード実行を拡張。従来マイクロコードで処理していた複雑な命令をより効率的に並列処理できるようになっています。

キャッシュとメモリサブシステムの強化

Panther Lakeではキャッシュとメモリサブシステムに大きな手が加えられました。新たに8機のEコア(Darkmont)がL3キャッシュリングに接続。これにより18MBの大型L3キャッシュがPコアのCougar CoveだけでなくEコアからもアクセス可能となりました。複数のコアが効率よくキャッシュを共有することで、AI処理や複雑なワークロードでもより安定した高パフォーマンスを実現。LPECoreのL2キャッシュが倍増し4MBに強化されました。さらにSoCタイル内にメモリサイドキャッシュと専用コントローラーを新たに搭載。これによりメモリアクセスの効率が大幅に向上しています。全世代のLunar LakeではクレストンとLPコアがコンピュートタイルとは別のタイルに配置されていたため、L3キャッシュリングによる低レイテンシの恩恵を受けることができませんでした。またArrow LakeではSoCタイル内にメモリサイドキャッシュやコントローラーが存在しない構成でした。Panther Lakeではキャッシュ専用の電源レールも新設。Lunar Lakeでは最大3.5GHzで頭打ちだった動作周波数がそれを超えて動作可能となり、より多くのワークロードを高いパフォーマンス領域で処理できる設計へと進化しています。

NPU 5:より多くのAI演算性能

Panther LakeではAI処理専用のNPUがNPU 5へと進化し、全世代のLunar Lakeに搭載されていたNPU 4から大きく改善されています。Intelは従来のNPU 4が2つのニューラルコンピューエンジンに分かれ、それぞれにMACRスライスと2期のシェーブDSPを持つ構成が非効率だと判断。Panther LakeではMACRスループットを倍増させ、1つのニューラルコンピュートエンジンに統合。バックエンド処理も簡素化され、面積あたりのMNC数が大幅に増加しました。NPU 5のAI演算性能は50TOPSで、Lunar LakeのNPU 4(48TOPS)からはわずかな増加ですが、Meteor LakeやArrow Lakeに搭載されていたNPU 3、NPU 3.5と比べると世代を超えた進化と言えます。そしてプラットフォーム全体のAI演算性能は180TOPSに到達。内訳はNPUが50TOPS、CPUが10TOPS、そしてGPUが120TOPSを占めており、Panther Lakeは現世代SoCの中でも最高レベルのAI処理能力を誇ります。

柔軟なタイル設計

Panther LakeもMeteor Lake以降のDisaggregated Architectureを継承しています。コンピュート、GPU、IOといった各機能を独立したタイルとして製造し、Foveros 3Dパッケージ技術で統合する仕組みです。これによりIntelはTSMC GPUタイルや自社製18Aタイルを自由に組み合わせ、製品ごとにコスト、性能を柔軟に最適化できます。Intelの次世代CPU Panther Lakeでは3種類の大構成が用意されており、そのうち2つは異なるコンピュートタイル構成を採用しています。Panther LakeはLunar LakeやArrow Lakeと比べても製品構成の柔軟性が大きく向上しています。

エントリーモデルのPanther Lake 8コア。このチップは4つのPコアと4つのLPコアで構成され合計8コア。コンピュートタイルにはIPU 7.5、NPU 5、XEIAディスプレイエンジンなどのXPUが統合されています。メモリは最大6800MT/sのLPDDR5X、6400MT/sのDDR5に対応し、8MBのメモリサイドキャッシュを搭載。L2キャッシュはPコア用に12MB、Darkmontクラスタ用に4MBが用意されています。このコンピュートタイルはIntelの18Aプロセスで製造されています。グラフィックスタイルにはXe3アーキテクチャに基づく最大4機のXeコアと4機のレイトレーシングユニットを搭載。製造はIntel 3プロセスで行われます。プラットフォームコントローラータイルはTSMCのN6プロセスで製造され、PCIeレーンは最大20レーン(Gen 4が8レーン、Gen 5が4レーン)。さらにThunderbolt 4.0が4ポート、USB 3.2が2ポート、USB 2.0が8ポート、Intel Wi-Fi 7、Bluetooth 6.0にも対応しています。

ミドルレンジのPanther Lake 16コア。こちらは4つのPコア、8つのEコア、4つのLPコアで構成され、合計16コア。L2キャッシュはPコア用に12MB、Eコア用に3クラスタ合計で12MBを搭載。メモリは最大8533MT/sのLPDDR5X、7200MT/sのDDR5に対応。プラットフォームコントローラータイルは最大20レーンのPCIeに対応し、Gen 5が12レーン含まれています。グラフィックスタイルはXe3アーキテクチャに基づく4機のXeコアを搭載し、Intel 3プロセスで製造されます。

フラッグシップモデルのPanther Lake 16C 12XE。CPU構成は16Cモデルと同じですが、メモリはLPDDR5X 9600に対応。9600MT/sという高速メモリと152GB/sを超える帯域幅は、Xe3アーキテクチャに基づく12期のXeコアと12機のレイトレーシングユニットを支えるために不可欠です。GPUタイルはTSMCのN3Eプロセスで製造され、プラットフォームコントローラータイルは再び8コアモデルと同じ12レーン構成に戻ります。

Panther Lakeはエントリーからハイエンドまで柔軟な構成と先進の接続性を備えたIntelの次世代モバイル向けプラットフォームです。

性能の展望

IntelによるとPanther LakeはLunar Lake比で同消費電力時に最大50%高速化、Arrow Lake-H比で同性能時に30%小電力化。またシングルスレッド性能ではLunar/Arrow比で約10%向上。ただし、実際の動作クロックやTDPは製品設計によって幅広く変わるとしています。正式発表はCES 2026、市場投入は2026年第1四半期を予定。すでに一部OEMにはサンプルが渡っている段階です。

Panther LakeはIntel再生の象徴

Panther LakeはIntelにとって単なる新CPUではありません。それは長年分断されてきたモバイル戦略を1つにまとめる統一チップです。Lunar Lakeで得た省電力性能、Arrow Lakeで得た柔軟な構成力、そして18Aがもたらす製造技術の飛躍。それら全てがこのPanther Lakeに凝縮されています。果たしてこの新アーキテクチャがApple、Qualcommの独壇場に風穴を開けるのか。2026年、Intelの逆襲が始まります。

AIの所感

IntelのPanther Lake発表は、同社が再び半導体技術の最前線に立つという強い意志を示すものです。18AプロセスやXe3グラフィックスアーキテクチャにおける革新は、モバイルコンピューティングの性能と電力効率を大きく向上させる可能性を秘めています。特に、AppleやAMDといった強力な競合が市場を席巻する中で、Intelが自社の製造技術と設計能力を最大限に活用し、独自の強みを打ち出そうとしている点は注目に値します。この新チップが、クリエイター、科学者、そして一般ユーザーの体験をどのように変革していくのか、2026年の本格展開が非常に楽しみです。Intelの復活の物語は、半導体業界全体の競争をさらに加速させ、技術革新の新たな波を生み出すことでしょう。

モバイルバージョンを終了