【速報】Intel、Arrow Lake「第二波」CPUスペックリーク!Core Ultra 200S+シリーズで巻き返しなるか?
IntelのArrow LakeデスクトップCPUはCore Ultra 200Sシリーズとして2024年10月に登場しましたが、販売面では期待されたほど勢いが出ませんでした。Raptor Lake世代と比べて価格の割に性能の伸びが小さいという評価も多く、発売からしばらくしても旧世代CPUが売れ続ける状況が続きました。そうした状況を立て直す切り札として語られ始めたのが、今回リークされたArrow Lake Refresh、通称Core Ultra 200S+シリーズです。
Intelは投資家向け説明会でArrow Lakeの「もう一波」を用意していると明かしており、Nova Lake世代までのつなぎとしてデスクトップ向けを強化する方針を示しています。Arrow Lake Refreshでは、既存のArrow Lakeアーキテクチャ自体は変わりませんが、コア構成と動作クロック、そしてメモリサポートを磨き上げる方向で調整が行われると報じられています。Intelのハイブリッド構成は、高性能なPコアと小電力なEコアを組み合わせる設計で、重いゲームやクリエイティブ処理をPコアが、高並列なバックグラウンド処理をEコアが担当することで、性能と電力効率の両立を狙います。
今回名前が挙がっているのはCore Ultra 9 290K+、Core Ultra 7 270K+、Core Ultra 5 250K+の3モデルです。いずれも既存の285K、265K、245Kをベースにした「プラス版」とされ、Eコアの増量やクロックの微調整によってマルチスレッド性能とメモリ帯域の底上げを図る構成となっています。最上位となるCore Ultra 9 290K+は、コア構成こそ既存のCore Ultra 9 285Kと同じ8Pコア+16Eコアの合計24コア24スレッドですが、Pコアの最大ブーストクロックが100MHz引き上げられ、サーマル・ベロシティ・ブースト時には最大5.8GHzに達すると伝えられています。Eコアのブーストクロックも4.6GHzから4.8GHzへと200MHz高められ、L2キャッシュ40MB、L3キャッシュ36MBという構成と125WのPBP(Processor Base Power)と250WのMTP(Maximum Turbo Power)はそのまま維持される見込みです。
主役となるCore Ultra 7 270K+は、今回のリフレッシュの中でも最も性格が変わるモデルです。既存のCore Ultra 7 265Kが8Pコア+12Eコアの20コア構成であったのに対し、270K+ではEコアが4基増えて8Pコア+16Eコアの24コアとなり、コア数だけ見れば上位のCore Ultra 9と同じ水準に並びます。ベースクロックはPコアが3.9GHzから3.7GHz、Eコアが3.3GHzから3.2GHzへとわずかに下がる一方、Eコアのブーストクロックは4.6GHzから4.7GHzへ100MHz向上し、最大ブーストは5.5GHzに据え置かれる。すでにGeekbench 6のベンチマークデータベースにはCore Ultra 7 270K+とされるエントリーが現れており、そこでは24コア24スレッド構成、最大5.5GHz駆動という情報に加え、シングルコア325、マルチコア2万2206ポイントというスコアが記録されています。これは同じ条件で計測されたCore Ultra 7 265Kの典型的なスコアと比べてマルチコア性能がおよそ10%高いとされており、増加したEコアがレンダリングや圧縮といった並列処理で着実な伸びをもたらしていることを示唆します。
メインストリーム向けのCore Ultra 5 250K+もコア構成の強化が図られるモデルです。従来のCore Ultra 5 245Kが6Pコア+8Eコアの14コア構成だったのに対し、250K+は6Pコア+12Eコアの18コア構成へと拡張されます。ベースクロックはPコア4.2GHz、Eコア3.5GHzとされ、Pコアの最大ブーストは5.3GHzと245Kから100MHz引き上げ。Eコアのブーストも4.6GHzから4.7GHzへわずかに上昇する一方で、TDPの指標となるPBP125WとMTP159Wは据え置きとされています。
3モデルに共通する大きな変更点が公式メモリサポートの強化です。現行のArrow LakeデスクトップではDDR5-6400までの対応だったのに対し、リフレッシュ版ではDDR5-7200が公式サポートとなると報じられています。転送レートベースで800MT/s分引き上げられる計算になり、高クロックメモリを常用したいユーザーにとっては、メモリコントローラーの余裕という意味でも安心となります。
ここで改めてPコアとEコアの役割を振り返ると、Pコアは高いクロックと命令実行能力を備え、ゲームのような単一スレッド性能重視の処理を高速にこなすエンジンです。一方のEコアは、より小さく電力効率に優れたコアとして設計されており、バックグラウンド処理や多数のスレッドに分割された軽めのタスクを低消費電力でこなすことに適しています。リフレッシュでEコアが増えるということは、動画エンコードや3Dレンダリング、配信とゲームを同時に行うような負荷において、処理を並列に投げられる余地が広がることを意味します。
プラットフォーム面では、これらのArrow Lake Refreshは現行と同じLGA1851ソケットを維持し、既存のZ890などArrow Lake対応マザーボードで動作する見込みとされます。北森瓦版によると、Nova Lake-S世代では新ソケットLGA1954への移行が予定されているため、Arrow Lake-S RefreshはLGA1851環境にとって最後のアップグレードパスとなる可能性が高いです。すでにArrow Lakeマザーを導入している自作ユーザーにとっては、CPUだけ差し替えて数年分の寿命を伸ばす「延命キット」のような立ち位置になるでしょう。
発売時期に関しては情報がやや錯綜しています。Intel CFOは2025年9月初旬の投資家向けイベントでArrow Lakeの「もう一波」を今年後半に投入するとの見通しを語っていましたが、その後のインタビューやカンファレンスでは、Arrow Lake Refreshは2026年に登場し、同年末から2027年にかけて投入されるNova Lakeへとバトンを渡すというロードマップが示されています。日本のPC系メディアもIntelの説明としてArrow Lake Refreshを2026年発売予定と伝えており、現時点では2026年登場説が優勢と言って良いでしょう。一方で、今回話題となっているプラスモデルの詳細なスペックは、あくまでWCCFTECHやVideoCardzといった海外メディアが入手した資料やベンチマークデータに基づくリーク情報であり、Intelから正式な仕様表が公開されたわけではありません。WCCFTECHは独自の噂評価システムで信頼度を100%「Highly Likely」と判定しているものの、実際の製品版ではクロックやTDP、ラインナップ構成が微妙に変わる可能性も残されています。
市場環境に目を向けると、Arrow Lake Refreshが登場する2026年にはAMD側はZen 6アーキテクチャのRyzenデスクトップCPUを投入する見通しだと報じられています。Wccftechは、やや保守的なクロックアップにとどまると見られるArrow Lake Refreshが、世代の進んだZen 6と正面からぶつかる構図になると指摘し、登場時点でやや分が悪い勝負になるかもしれないと辛口の見方も示しています。
では日本の自作PCユーザーにとって、このリフレッシュはどのような意味を持つでしょうか。Raptor LakeのCore i7やCore i9から乗り換える場合、同クラスのArrow Lake Refreshに期待できるのは10%前後のマルチスレッド性能向上とDDR5-7200メモリを生かした帯域拡大による一部ゲームやクリエイティブアプリの伸びであり、大きなアーキテクチャによる劇的な変化とは言い難いでしょう。一方で、動画編集や配信、生成AIのローカル推論のようにコア数を素直に活用できるワークロードでは、増量されたEコアがじわじわと効いてくるため、日々の作業時間を削りたいクリエイターにとっては魅力ある選択肢になり得ます。
総じて言えば、Arrow Lake Refreshは失敗を帳消しにする新世代ではなく、既存製品を丁寧に磨き上げた改良版という性格が強いです。Core Ultra 200Sシリーズの弱点であったマルチスレッド性能とメモリ帯域を、追加のEコアとDDR5-7200対応で補いながら、LGA1851プラットフォームにもう一度チャンスを与える存在だと言えるでしょう。買い替えを急がないユーザーにとっては、2026年に向けてZen 6とNova Lakeの動向を見極めながら、その中間に位置するArrow Lake Refreshをどう位置づけるかが、次の数年のPC体験を左右する重要な判断材料になっていくでしょう。
静かな矢先
Arrow Lake Refreshという名の矢が、まだ図面の上で静かに横たわっています。100MHzだけ高い鼓動と、いくつか増えたEコアが、かすかな震えとしては先に溜まっています。DDR5-7200という新しい波動が、湖面の下で波紋を描き、次の瞬間を待っています。それでも世界は騒がない。誰もがより大きな革命の到来を口にしながら、この小さな改良の行方を横目で追っている。
2026年という時間の節目に向かって、山田は鶴にかけられたままだ。Nova Lakeの設計図やZen 6の噂が遠くの空にまた別の光を灯す。だが人が実際に手にするのは、今あるマザーボードと差し替えられる一枚のシリコンだけだ。
未来はいつも想像の中では派手で、机の上ではひどく静かだ。増えたEコアは華やかな舞台の主役にはならない。その多くは画面の外側で淡々と仕事をこなし、バックグラウンドの影に溶け込む。動画をエンコードし続ける深夜の部屋で、数分だけ短くなる終了予測時間。その小さな数字の差が、眠りに落ちる時刻をずらし、翌朝の体調を揺らす。技術の進歩は時に大きな飛躍として記憶される。だが現実の多くは、このような静かな革新として積み重なっていく。わずかなクロックの上積みと、一握りのコア増加と、少しだけ早いメモリ。それらは一つ一つは取るに足りない印に見えて、生活の内部では形を変えて残る。
自作機の中でArrow Lake Refreshは、延命措置という言葉だけでは語り尽くせない役割を担う。即座の買い替えを躊躇う誰かにもう少しだけ戦える時間を手渡す。次のソケットが来る前に、今の環境でやり残したことに向き合う猶予を用意する。その時間の中で人はコードを書き、映像を編集し、まだ見ぬ物語をレンダリングしていく。やがてはるか先の世代が当たり前になった頃、このリフレッシュの名前を覚えているものは少ないだろう。スペック表の片隅に並んだ数字は歴史の客中へと追いやられる。それでも静かな矢先は確かに存在し、無数のPCの中で見えない奇跡を描く。派手な革命を待つだけでなく、こうした小さな更新にどんな意味を与えるか。それを決めるのは結局のところ、矢を放つ手を持つ一人一人の未来だ。
ネットの反応
9800X3Dや7800X3Dの売れ行きを見れば、Desktopユーザーが何を求めてるかは明白でしょ。僅かなクリエイター需要は在るにせよ、Eコアでマルチを盛ったトコロで売れるわけが無いじゃん⋯
285Kから買い直すほどではないかなゲームしていても、フルブースト駆動してる時なんて見ないもの
AIの所感
IntelのArrow Lake Refresh、通称Core Ultra 200S+シリーズのリーク情報は、デスクトップCPU市場におけるIntelの戦略と、今後のPC市場の動向を占う上で興味深い示唆を与えています。既存のArrow Lakeアーキテクチャをベースに、Eコアの増量やクロックの微調整、DDR5-7200メモリの公式サポートといった改良は、マルチスレッド性能とメモリ帯域の向上を目指すものです。
しかし、コメントにもあるように、デスクトップユーザー、特にゲーマーが求めるのは、必ずしもEコアの増量によるマルチスレッド性能の向上だけではありません。AMDのX3Dシリーズの成功が示すように、ゲーム性能に直結するシングルスレッド性能やキャッシュ容量が重視される傾向にあります。
2026年にはAMDがZen 6アーキテクチャのRyzenデスクトップCPUを投入する見込みであり、Arrow Lake Refreshは厳しい競争に直面するでしょう。このリフレッシュが、既存のLGA1851プラットフォームユーザーにとっての「延命キット」として機能するのか、あるいはZen 6やNova Lakeといった次世代CPUへのつなぎとして、どのような価値を提供できるのかが注目されます。
Intelが、単なるスペック向上だけでなく、ユーザーが本当に求める価値を提供できるかどうかが、今後のPC市場におけるIntelの立ち位置を左右する鍵となるでしょう。

