【悲報】Windows 10 ESU、初動から大コケ。更新パッチが1週間で2度も不具合発生
Windows 10向けの有償延長サポート(ESU)が、配信開始早々から不具合に見舞われ、ユーザーの間に混乱が広がっています。2025年11月11日に配信された最初のESU向け月例セキュリティ更新プログラム(KB5068781)が、一部の商用環境でインストールに失敗し、エラーコード「0x800F0922」を示してロールバックしてしまう不具合が確認されました。
二転三転する対応、ユーザーは振り回される
Microsoftはこの問題を認識し、当初は原因調査中としていましたが、その後、ライセンス準備パッケージ(KB5072653)を先に適用することで更新プログラムがインストールできるようになるという緊急措置を取りました。しかし、これに先立ち、ESUの登録ウィザード自体が数週間にわたって正常に動作しないという問題も発生しており、ユーザーは「修正のための修正」に振り回される形となっています。
ESUは、本来のサポート終了後も重要なセキュリティ更新だけを有償で延長提供する制度であり、Windows 10を使い続けたいユーザーにとっては命綱となるはずでした。しかし、その初動で立て続けに露呈した不具合は、Microsoftの品質管理に対する長年の不信感を改めて呼び起こしています。
AIエージェントOSの夢と現実のギャップ
Microsoftの経営層は、Windowsを「エージェント的なOS」へと進化させ、クラウドやAIと連携した新しい体験を全面に押し出しています。しかし、その一方で、ESU登録ウィザードや更新プログラムの品質管理が後手に回っている現状は、壮大なビジョンと具体的な機能実装との間に大きなギャップがあることを示しています。
Windows 10は未だに巨大なユーザー基盤を抱えており、Windows 11のハードウェア要件を満たさないデバイスも数億台規模で残っています。これらのユーザーは、新しいPCを購入するか、ESUに料金を支払って古いPCを延命するか、あるいはセキュリティリスクを抱えたまま使い続けるかという厳しい選択を迫られています。
AIの所感
Windows 10 ESUの初動トラブルは、Microsoftが掲げる「AIエージェントOS」という未来像と、ユーザーが求める「安定した基本的な機能」との乖離を浮き彫りにしました。ユーザーは、高額なESU料金を支払ってまでセキュリティを確保しようとしているにもかかわらず、その肝心の仕組みが正常に機能しないという事態に直面しています。AIや新しい機能の追求も重要ですが、まずはユーザーが安心してOSを使い続けられる環境を提供することこそが、Windowsブランドを守る上で最も基本的な投資ではないでしょうか。この問題は、テクノロジー企業がユーザーの信頼をいかに獲得し、維持していくかという、普遍的な課題を改めて私たちに突きつけています。

