【衝撃】電力消費96%削減!SamsungがNANDフラッシュの常識を覆す。AIデータセンターとスマホの未来を変える「沈黙の記憶」とは。
記憶は忘れないために電力を必要とする。スマートフォンからデータセンターの巨大なラックに至るまで、記憶装置は絶えず電気を消費してきた。それは、半導体技術における避けられない宿命として受け入れられてきた常識だ。しかし、その常識を根底から覆す可能性を秘めた技術が、Samsung電子から発表された。消費電力を最大96%削減できるという、恐るべき新NANDフラッシュメモリの構造。AIが膨大なデータを扱い、電力消費が地球規模の課題となる時代において、この技術がもたらすインパクトは計り知れない。
電力危機を超える記憶「共有電体トランジスタ」のブレイクスルー
2025年11月、学術誌Natureに掲載された論文とSamsung電子の発表は、半導体業界に激震をもたらした。従来NANDフラッシュメモリと比べて、電力消費を最大96%削減できる新技術だという。このブレイクスルーの鍵は、強誘電体トランジスタを用いた酸化物半導体チャネル構造にある。恐竜電体(強誘電体)と酸化物半導体という、これまで半導体産業では脇役だった2つの材料を組み合わせることで、記憶装置が電力を大量に消費する必然性に正面から挑んだのだ。
このメカニズムは、セルあたり最大5ビットという高い多値記憶を維持したまま実現されており、現行の3ビットTLCや4ビットQLCを超える記録密度に対応しつつ、低電力化を両立できる可能性を示している。ただし、現時点では試作デバイスとセルストリングレベルの動作を対象としており、プロセスへの組み込みや実際の製品世代、発売時期についての情報は提示されていない。
なぜ今「電力削減」がストレージの最重要課題なのか
NANDフラッシュメモリは、電源を切ってもデータを保持できる不揮発性メモリであり、USBメモリ、SSD、メモリカードなど多くの機器で標準的に使われている。しかし、セルを縦方向に積み重ねて容量を増やす「3D NAND」が主流となるにつれ、読み出しと書き込みに必要な電圧と通電時間が増加。データセンターやハイエンドSSDでは、動作時に消費される電力が着実に増えてきた。
AI向けの大規模データセンターでは、GPUやCPUだけでなくストレージが消費する電力も無視できない水準に達しており、サーバーラック単位で見ると、ストレージの電力効率向上が運用コストや発熱管理に直結する。また、スマートフォンやモバイル機器では、ストレージが消費する電力がわずかであっても、繰り返しの読み書きやバックグラウンド処理が積み重なることで電池持ちに影響を与える。このように、NANDフラッシュの電力効率改善は、クラウドから端末まで幅広い領域で共通の課題となっていたのだ。
96%削減の秘密と、AI時代の未来
今回の技術は、強誘電体の自発的な電気分極と、酸化物半導体チャネルの特性を組み合わせることで、不要な経路に流れる電流を実質的に遮断し、ターゲットとなるセルだけに必要最小限の電圧と電流を集中させる。これにより、セルストリング全体の電力を最大96%低く抑えることを可能にした。恐竜電体は外部電圧なしに状態を保ち、酸化物半導体は高いしきい電圧で不要な電流を遮断する。それぞれの欠点を組み合わせることで互いを補い、新しい可能性を開いたのだ。
この技術の応用先として、まず挙げられるのが大規模AIデータセンターだ。AI向けSSDではすでに高密度な3D NANDと高速インターフェイスを組み合わせた製品が用いられており、この新技術が実用化されれば、同じ筐体サイズでより高い容量と低い電力を同時に得られる可能性がある。モバイル分野でも、電力制約の厳しいスマートフォンストレージにとって望ましい方向性となるだろう。「AIの台頭でプロセッシングユニットも『高性能かつ省電力』に舵を切った感ある」というコメントは、まさにこの技術の重要性を的確に捉えている。
沈黙の記憶、そして残された課題
「記憶は声を持たない。データセンターの奥深く、スマートフォンの内側で記憶装置は黙って電力を消費し続けている。」この見えない電力消費に切り込む今回の技術は、記憶装置の歴史に新たなページを刻む。これまで容量との戦いだった記憶装置は、これからは「いかに少ない代償で記憶を維持するか」という戦いに挑むことになる。
しかし、この技術はまだ実験段階だ。文局の安定性、製造のばらつき、長期信頼性、量産ラインでの再現性、数年間の連続稼働に耐える耐久性の証明など、多くの課題が残されている。96%という数字が製品で再現される保証はない。それでも、この可能性が示されたことの意味は大きい。「低発熱&省電力は今後のIT技術のためには必須となる」というコメントの通り、この技術が実用化されれば、AIがさらに進化していくための重要な一歩となるだろう。
ネットの反応
「ようし、この技術を使って二十倍のフラッシュメモリ積んじゃうぞー」これが企業というものである。
AIの台頭でプロセッシングユニットも「とにかく計算能力が高い!」より「高性能かつ省電力」に舵を切った感あるけど、エネルギー問題は世界的に叫ばれているところだしこの技術がコンシューマレベルで実用化されるといいなぁ。
これからは省電力なんだろうな。GPUもストレージもネットワークも。
プロセス微細化や設計の最適化でせっかく余裕が出来てもそこにさらに電力盛って際限がないしそろそろいい加減にしてほしいとは思う
まだ発表されたばかりなので、これがのちの世に出るかは分からない。しかし、低発熱&省電力は今後のIT技術のためには必須となるのは確実。
実験段階なら夢のような物は沢山あるからなー。
AIの所感
Samsungの新NANDフラッシュ技術は、AI時代における電力問題という、人類が直面する喫緊の課題に対し、一石を投じる画期的なイノベーションと言えるでしょう。96%という驚異的な電力削減は、AIデータセンターの運用コスト削減や、モバイルデバイスのバッテリー寿命延長に革命をもたらす可能性を秘めています。しかし、まだ実験段階であり、量産化や長期信頼性の確保には多くの課題が残されています。それでも、この技術が示す「電力を忘れた記憶装置」という未来は、電力不足が懸念される中でAIがさらに進化していくための、重要な一歩となるでしょう。技術の光が強まるほど、その影として浮かび上がる電力問題に、人類がどう向き合うべきか。この研究成果は、その問いかけでもある。

