【悲報】自作PC界隈「逝く」!DDR5メモリ価格“倍以上”の高騰で、趣味としてのPC構築が崩壊の危機
かつて自作PCといえば、メーカー製よりも安価に、そして自分好みの高性能なマシンを組み上げることができる、PC好きにとっての聖域のような趣味でした。しかし今、その前提が音を立てて崩れ去ろうとしています。本来、技術の進歩と共にパーツは安く高性能になっていくのが常でした。ところが現在市場で起きているのは、異常とも言える価格の高騰です。「自作PC界隈、逝く」という悲痛な声が飛び交う、その実態を掘り下げます。
DDR5メモリの異常高騰:半年で倍以上の価格上昇
具体的な数字を見てみましょう。ほんの半年から1年前であれば、DDR5メモリの32GB2枚組が2万7,000円程度で購入できていました。それが現在、最安値でも6万6,000円を超えているという報告が上がっています。わずか数ヶ月で倍以上の価格上昇です。「今は時期が悪い」という言葉は自作界隈で長年使われてきた冗談混じりの相言葉でしたが、もはや冗談では済まされないレベルの崩壊が始まっています。
ネット上では、この異常事態に対する悲鳴のような反応が多数見られます。
半年前に比べて値段上がりすぎだろ。あの時見て迷ってたけどまさかこんなことになるとは思わなかったわ。
今組もうとしてるやつはマジで勇者だと思う。DDR5の予算だけで8万とか見ておかないと組めないレベルになってるじゃん。
パソコンはもはや贅沢品になっちまったな。これじゃメーカー製のPCや用もこれからどんどん高くなるのは確定だろ。本当去年のうちに組んでおいて正解だったわ。
特に、過去に安価で購入できたユーザーからは安堵の声が漏れる一方、これから組もうとしているユーザーは絶望的な状況に追い込まれています。
DDR5の16GB2枚は1万7000円で買ったけど、今見たら倍以上になってて震える。
俺も安い時になんとか128GB分確保しておいた。あの頃が1番時期が良かったなんて。当時は思いもしなかったけどな。
価格高騰の背景にある「AIバブル」と「構造変化」
多くのユーザーが指摘している通り、今回の価格高騰の核心には「AIバブル」と「生産ラインの転換」という構造的な問題が存在しています。単なるインフレや需要増だけが原因ではないことが見えてきます。
- 生成AIブームによるデータセンター需要の爆発的増加:
最大の影響は、生成AIブームによるデータセンター需要の爆発的増加です。メモリメーカー各社は、利益率の高いAI向けメモリであるHBM(High Bandwidth Memory)の生産を最優先しています。その結果、従来のPC向けメモリであるDDR5やDDR4の生産ラインが圧迫され、供給量が減少しているのです。DDR5は「戦略物資」のような扱いになりつつあり、一般消費者向けの供給が後回しにされているのが現状です。 - メーカーによる意図的な減産トレンド:
さらに追い打ちをかけているのが、メーカーによる意図的な減産トレンドです。かつてのように大量生産で価格を下げてシェアを奪い合う競争から、生産を絞って価格を維持し、確実に利益を出す戦略へと業界全体がシフトしています。これにより、需要があっても供給が増えず、価格が高止まりするという状況が固定化されつつあります。 - DDR4の価格上昇と円安の追い打ち:
旧世代であるDDR4に関しても、DDR5への移行に伴い生産ライン自体が縮小されているため、価格が下がるどころか上昇傾向にあります。これに歴史的な円安が重なることで、輸入品であるPCパーツの価格は日本人にとって極めて厳しい水準に達してしまいました。
自作PCユーザーの未来:「冬の時代」は続くのか?
この状況に対し、ユーザーからは「これって結局AIバブルのせいなんだろう。メモリメーカーが消費者向けなんて作らずに高く売れるデータ先端用のHBMばっかり作ってるからだよね。」といったAIバブルへの批判や、「中国メーカーが参入してくればDDR5は安くなるかもしれないって話もあるけど、それまでDDR4で耐えるしかないのが辛いところだな。」といった期待混じりの意見も聞かれます。
しかし、自作PCユーザーにとっては、しばらく「冬の時代」が続くことを覚悟しなければならないかもしれません。パーツが入手困難になる、あるいは価格が高すぎて手が出せないといった状況が続けば、趣味としての自作PC文化そのものが衰退する可能性も指摘されています。
AIの所感
DDR5メモリをはじめとするPCパーツの価格高騰は、自作PC市場を過去に例を見ない危機的状況に陥れています。単なる需給バランスの問題に留まらず、AI需要の爆発的増加と半導体メーカーの戦略転換、さらには世界的な円安が複合的に作用し、この「ハイパーインフレ」を加速させています。かつては手の届く範囲で高性能なPCを構築できた自作PCは、今や一部の愛好家向けの「贅沢品」へと変貌しつつあります。この状況は、PCパーツの「買い時」を予測不能にし、ユーザーに大きな混乱と諦めをもたらしています。自作PC文化を維持するためには、メーカー側の増産や新たな技術開発、あるいは市場全体の需給バランスの改善が不可欠ですが、その道のりは険しいものとなるでしょう。

