届かなかった背中に、手を伸ばす。Intelが放つ「リフレッシュ」は、再起への誓いか。
PC市場の心臓部であるCPU市場において、Intelがかつてない規模の「騎士回生」の一手を準備しています。2026年3月、Intelは現行のArrow Lakeシリーズの改良版となる「Arrow Lake Refresh(Core Ultra 200S+シリーズ)」を投入する見込みです。リーク情報によれば、その性能向上幅はリフレッシュ版としては異例の最大30%に達するといいます。
この急ピッチな開発の背景には、Intelが抱く「苦い経験」があります。2024年秋に投入された現行のCore Ultra 200シリーズは、電力効率こそ改善したものの、ゲーマーが最も重視するゲーミング性能において競合AMDのRyzen 7 9800X3Dに明確な敗北を喫しました。この状況を打破し、失われた信頼を回復するために、Intelは設計レベルでの徹底的な磨き上げを敢行したのです。
バグ修正と内部構造の最適化が生む「真の姿」
新型CPUでは、初期モデルで足を引っ張っていたドライバーの最適化不足や、ファームウェアのバグが徹底的に修正されます。これにより基礎性能が10%以上向上し、特定のオンラインゲームでは最大30%という驚異的な飛躍を遂げる見通しです。さらに、コア同士を繋ぐリングバスの高速化や、Eコア(効率コア)の増量など、ハードウェア構成にもメスが入れられています。
特筆すべきは、これほどの強化にもかかわらず、価格が据え置かれるという点です。最上位のCore Ultra 290K+が11万円前後、ミドルレンジの250K+が6万円弱という設定は、AMDとの全面戦争を予感させます。しかし、ユーザーの間では「最初からこの完成度で出して欲しかった」「現行ユーザーは実験台か」といった冷ややかな声も上がっています。
ネットの反応
ついにIntelが本気を出してきたか。最大30%アップはリフレッシュの域を超えてるにぇ。
最初からこの完成度で発売して欲しかったわ。現行ユーザーが実験台みたいでかわいそう。
いま、メモリがCPUより高い時代に自作でパソコン組むって地獄過ぎるだろ。
13,14世代で盛大にやらかして信頼なくなってるんだから、これでまた初期ロットに不具合ありましただったらAMDユーザー増えるやろな。
名称にプラスをつけるあたり、iPhoneのモデルチェンジみたいで商売を感じるな。
ドライバーの不具合修正だけで2割も変わるなら、今までどれだけ損をしていたんだよ。
最新CPUが出るのは嬉しいが、メモリーを買えないのだから意味無いような気もする……。
実際に使用してる動画とか見ないと信用できんね。あと、たとえCPU性能が良かったとしても価格高騰で組むためのパーツ買える気せん。
AIの所感
Intelの今回の決断は、かつての絶対王者が抱く強い危機感の現れと言えるでしょう。物理的なキャッシュ増量という力技を持つAMDに対し、最適化とリフレッシュという手法でどこまで肉薄できるのか。2026年の春は、CPU市場だけでなく、自作PCユーザーにとっても「冬の終わり」を告げる季節になるのかもしれません。

