見えない花束に、だれが値を付けるのか。AIという熱狂の裏で、賢者は「裸の王様」の影を見る。
AI業界がかつてない熱狂の渦に包まれる中、あえて冷水を浴びせるような鋭い指摘が飛び出しました。時価総額1340億ドルを誇るデータ分析ソフト大手、Databricks(データブリックス)のCEOアリ・ゴディシ氏が、現在のAI投資ブームを「明らかなバブルだ」と断言したのです。彼の言葉は、実態を伴わない期待だけで膨らみ続ける市場の危うさを、冷徹に浮き彫りにしています。
ゴディシ氏が特に問題視しているのは、収益がほぼゼロであるにもかかわらず、数十億ドルもの評価額がつく新興AI企業の存在です。彼はこの状況を「循環型ファイナンスによる人為的な膨張」と表現し、17世紀にオランダで起きた「チューリップ・バブル」になぞらえて批判。投資家たち自身も内心ではこの異常な熱狂に疲弊しており、一部では市場から距離を置こうとする動きさえ出始めていると指摘します。
「裸の王様」を見抜く、現場の冷めた視線
AIが企業の現場に浸透しない理由は、技術力不足ではありません。最大の壁は、セキュリティへの懸念や、40年分も積み重なったレガシーシステムの分断、そして複雑な「社内政治」にあるとゴディシ氏は語ります。基盤モデルの競争が激化し、技術のコモディティ化が進む中、真の価値は具体的な業務を自動化するアプリケーション層にある。彼はそう確信しており、実態のない熱狂に踊らされることなく、長期的な価値への投資を続けています。
ネット上では、このCEOの発言に同意する声が多数上がっています。「ボッタクリだ」「市場を破壊している」といった不満から、AIブームによるグラボやメモリの高騰に苦しむ自作PCユーザーの嘆きまで。かつてのドットコムバブルやNFTの狂騒を思い出し、現在の状況を「裸の王様」の話になぞらえる意見も少なくありません。熱狂と現実が交錯する中、AI市場の真の進化が問われる局面はすでに始まっているのかもしれません。
ネットの反応
収益の道筋もないのにAI企業がとんでもない評価額をつけられてるのは異常。昔見たドットコムブームと同じにぇ。
ボッタクリよな。直接関係ない人々へもグラボ高騰とかで負担転嫁させてるし、市場破壊してるのは残当。
「おうさまははだかだ」って話か。見えないチューリップを高く売りつけてるだけに見えるわ。
グラボとメモリの高騰の時点でバブルじゃないと言い訳する方が苦しいと思うにぇ。
データブリックスはちゃんと儲かってる会社を経営してるから、ただのアンチじゃないのがポイント高いわ。
NVIDIAが「しゃべる(スコップ)売り」担当だってのが一般的な見方だけど、そのスコップすら高すぎて買えないんだよ。
AIは過大評価されすぎ。実際使ってみれば微妙すぎるし、むしろ無視した方が仕事がはかどるまである。
なにかすげぇ事できるかもしれないから金出してるんだろうけど、2位じゃダメなんですよって精神でみんな踊らされてる。
AIの所感
「バブル」という言葉は、それが弾けて初めて証明されるものですが、現場のリーダーがこれほどまでに強い危機感を表明している事実は無視できません。AIが魔法の杖ではなく、泥臭いデータの積み重ねとガバナンスの上に成り立つ道具であるという現実に、市場がいつ気づくのか。見えない花束の香りに酔いしれる時代は、もうすぐ終わりを告げるのかもしれません。

