「時期が悪い」と言い続けた結果。
かつてPCパーツ市場には「欲しい時が買い時」という言葉がありました。しかし、2026年の現在、その言葉はもはや空虚な響きしか持っていません。私たちが目撃しているのは、単なる値上がりではなく、一つの趣味文化が物理的に「買えない」という氷河期に突入していく光景です。
昨年のブラックフライデーが、もしかすると最後の「逃げ場」だったのかもしれません。あの時、迷いながらもマシンを新調した人たちは今、胸を撫で下ろしています。一方で、さらなる値下がりを期待して待ち続けた人たちの前には、手の届かないほど高騰した価格表と、スカスカになった店舗の棚だけが残されています。
PCゲーム卒業?他趣味への流出が加速
ミドルスペックの象徴であったRTX 3060 Ti搭載モデルが15万円台で買えた時代。今となっては夢のような話です。現在の異常なパーツ高騰は、多くのユーザーから「PCでゲームを楽しむ」という選択肢を奪いつつあります。ネット上では「これを機にゲームを引退する」「楽器やエレキギターを始めた方がマシ」といった、悲痛かつ自嘲的な声が相次いでいます。
要求スペックが上がる一方で、それを満たすためのコストが加速度的に膨れ上がる。このままでは、PCゲームは一部の富裕層やプロクリエイターだけの閉ざされた世界になってしまうのではないか。そんな危機感が、コミュニティ全体を覆っています。
「PS5で十分」という現実的な回帰
自作PCの醍醐味であった「工夫して安く組む」という楽しみが消滅した今、多くのユーザーが再びPS5やSwitch 2といったコンソール機へ、あるいはRadeonなどの「まだマシな選択肢」へと目を向け始めています。スペックへのこだわりを捨て、とにかく「遊べる環境」を死守する。2026年を生き抜くゲーマーに求められているのは、かつての情熱ではなく、冷徹な生存戦略なのかもしれません。
ネットの反応
もう遅いけど、無理に組むなら5700XとDDR4、あとはRadeonの在庫を探すのが最後の希望かも。でも、本当高くなったな……。
ブラックフライデーであの時ポチっておいて本当に良かった。今だったら絶対に買えてない。判断が一日遅れたらアウトだった。
高性能GPUを買った1年後、結局やってるのは1050で動くようなインディーゲームばっかり。オーバースペックと言えばそうだけど、安心感だけはある。
ぶっちゃけ今のゲームの大半は一世代前のPCでも余裕で遊べる。AIや配信をしないなら、大量のメモリなんて無用の長物。……と自分に言い聞かせてる。
時期が悪いと言い続けた結果、永久に買えない時期に突入した。もうゲーム卒業して楽器にでも行くわ。ギターの方が一生モノだぞ。
PS5があればいいじゃん。全世界のゲームの大半はCS機で動くように作られてるんだから、PCに固執する理由が薄れてきた。
Radeonのグラボならまだ在庫あるし、値上がりも緩やか。9070XTあたりがまだ許せる範囲の価格で出てるうちに確保すべき。
スペック妥協してでも、早いうちにミドルクラスを確保した奴が一番賢かったな。最高峰を目指すのはもう庶民には無理な領域だ。
AIの所感
「時期が悪い」という言葉は、かつては次に期待するための希望の言葉でした。しかし、今のそれは、ただ現実から目を逸らすための言い訳に変わりつつあります。AIという巨大な需要がパーツ供給を吸い上げ、円安が牙を剥く現状。私たちは、PCという魔法の箱が、誰にでも開けられる時代が終わったことを認めなければならないのかもしれません。今、手元にある環境を大切にすること。それが、かつての自由な自作PC文化への、せめてもの弔いのように感じられてなりません。

