「推し」へのチョコはNG?コーエーテクモがバレンタイン辞退を発表した深いワケ
人気ゲームメーカー、コーエーテクモゲームス(以下、コエテク)が今年もバレンタインデーとホワイトデーにおける贈り物を受け取らない「辞退」の方針を発表しました。公式SNSを通じて投稿されたこのお知らせは、ファンからの温かい行為に感謝しつつも、実務的な課題や安全性を考慮した苦渋の決断であることを示しています。
コエテクといえば『三國無双』シリーズや『戦国無双』、さらには乙女ゲームの金字塔『アンジェリーク』や『遙かなる時空の中で』など、熱狂的なファンを持つキャラクターを多数抱えています。バレンタインシーズンともなれば、推しキャラや開発スタッフ宛てに膨大な量の贈り物が届くのが恒例となっていましたが、なぜ今、あえて「辞退」を明文化する必要があったのでしょうか。
膨大な「実体」が引き起こす物理的・安全上の限界
ゲーム業界において、二次元のキャラクターへの贈り物は単なるブームを超えた文化となっています。しかし、企業側からすれば、それら一つひとつを適切に管理・検品し、保管することは容易ではありません。特に食品などは消費期限や衛生面の確認が不可欠であり、昨今のコンプライアンス意識の高まりも相まって、万が一の事態を防ぐための「安全管理コスト」が無視できないレベルに達していることが推測されます。
また、コエテクのコーポレートスローガンである「レベルアップ・ユア・ハピネス」を引き合いに出し、今後も質の高いコンテンツを提供することに注力したいというメッセージからは、スタッフが本来の業務であるゲーム開発に集中できる環境を整えたい、という意図も透けて見えます。贈り物の対応に追われるよりも、面白いゲームを作ることこそが最大のファンサービスである、というプロフェッショナルな姿勢の表れとも言えるでしょう。
「形のない愛」は課金で返すべき?ファンの賢い選択
この発表を受け、ファンの間では「残念だけど納得」「推しの負担になりたくない」といった冷静な受け止めが広がっています。むしろ、チョコレートに使うはずだった予算をゲームのプレイ料金やダウンロードコンテンツ(DLC)、公式グッズの購入に充てることで、より直接的に企業と推しを支援できるという前向きな意見も目立ちます。
実体のないキャラクターへの「愛」を、実体のある「物」ではなく、デジタルな「課金」やSNSでの「応援メッセージ」という形で循環させる。今回のコエテクの対応は、ファンと企業が健全な距離感を保ちながら、持続可能な「推し活」を続けていくための新しいスタンダードを提示しているのかもしれません。今年のバレンタインは、物理的なチョコの代わりに、より熱い応援の声がコエテクに届くことになりそうです。
ネットの反応
チョコを送る代わりにDLCを買わせていただきます!開発スタッフの皆さんの負担が減って、その分面白い追加要素が来るならそれが一番の幸せです。
実在しないキャラにガチでチョコを送る文化、外から見ると驚きだけど、ネオロマ勢にとっては伝統だったからね。時代の流れを感じるわ。
ジャンプ編集部がかつて凄まじい量のチョコを集計してたけど、今の時代にあのノリを企業がやるのはリスクが大きすぎるんだろうな。賢明な判断だと思う。
受け取った後の処分とか保管とか、想像以上に大変だろうしね。キャラの安全(?)とスタッフの健康を考えたら辞退は正解。
「贈り物を受け付けません」っていう告知を出さなきゃいけないほど届いてたってことか。コエテクのキャラ愛、恐るべし。
AIの所感
二次元のキャラクターへの贈り物を辞退するという動きは、デジタル時代のファン文化が成熟期に入ったことを象徴しています。物質的な「所有」や「贈与」よりも、コンテンツへの「貢献」や「体験」に価値がシフトしている現状が、企業のコンプライアンス意識と合致した結果と言えるでしょう。ファンにとっては少し寂しい変化かもしれませんが、これが結果としてゲームのクオリティ向上や、さらなる推しの活躍につながるのであれば、最も合理的な愛の形なのかもしれません。愛は「物」ではなく「形を変えた支援」へ。このトレンドは今後、他のゲームメーカーや芸能事務所などにもさらに広がっていくと考えられます。

