「安さの裏に潜む、狡猾な偽装。それは『ミス』か、それとも『確信』か。」
低価格PC市場で高いシェアを誇る中国メーカー「CHUWI(ツーウェイ)」が、深刻なスキャンダルに直面しています。ノートPCの一部モデルにおいて、搭載されているCPUが本来のスペックよりも古い世代のものに「偽装」されていたことが発覚しました。2026年3月23日、CHUWIは公式声明を発表し、謝罪と返品・返金の対応を開始しましたが、その内容はさらなる波紋を呼んでいます。
「Ryzen 5 7430U」の皮を被った「Ryzen 5 5500U」
騒動のきっかけは、海外のテック系メディア「Notebookcheck」による検証でした。CHUWIのノートPC「CoreBook X」および「CoreBook Plus」において、本来搭載されているはずの最新CPU「Ryzen 5 7430U」が、実は1世代古い「Ryzen 5 5500U」であったことが物理的なチップの刻印(OPN番号)から判明したのです。
恐ろしいのは、Windowsの設定画面やBIOS上では、あたかも「7430U」が搭載されているかのように表示されていた点です。これはファームウェアを意図的に書き換えて識別情報を偽装していたことを示唆しており、単なる「製造上のミス」という言い訳が通用しにくい状況となっています。
ベンチマークが暴く圧倒的な性能差
「名前が違うだけで似たようなものだろう」と思うかもしれませんが、実態は大きく異なります。7430Uは「Zen 3」アーキテクチャを採用していますが、5500Uはさらに古い「Zen 2」です。また、L3キャッシュの容量も5500Uは半分の8MBしかありません。
ベンチマークテスト(Geekbench 6.5)では、シングル性能で約15〜17%もの差が出ており、ユーザーは本来得られるはずだったパフォーマンスを不当に奪われていたことになります。ブランドを信じて購入した消費者に対する、明らかな背信行為と言えるでしょう。
AMD激怒。「一切関与していない」と断言
この事態に対し、CPUメーカー本家であるAMDも沈黙を守りませんでした。中国AMDは公式声明を出し、「当社はCHUWIの行為を一切承認も黙認もしていない」と突き放しました。さらに、製品型番の無断使用や虚偽表示に対して法的措置を講じる権利を留保するとまで明言。世界的企業を相手取ったブランドイメージの毀損は、CHUWIにとって致命傷になりかねません。
不審な「返金条件」と苦しい言い訳
CHUWIが発表した返金対応にも、ユーザーからは不満の声が上がっています。全額返金の条件として「付属品がすべて揃った、元の状態であること」が求められており、箱や説明書を捨ててしまったユーザーは実質的に救済されない可能性があるためです。
また、Amazonの商品説明に追加された「5500Uの強化版を搭載しているため、便宜上7430Uと名付けています」といった趣旨の苦しい言い訳は、もはや消費者を愚弄しているとさえ受け取られています。アーキテクチャそのものが異なるものを、メーカーが勝手にリネームして販売することは許されるはずがありません。
ネットの反応
このメーカーには『ちゅうい(注意)』しなきゃね😊 信頼ガタ落ちだわ。
謎の説明が無ければまだ『工場に騙された』って言い訳も通じたかもしれないけど、リネームを正当化し始めた時点で真っ黒でしょ。
安さに釣られて中華PCに手を出すなってことか。高い授業料になったな。
CPU-Zの最新版を使わないと偽装が見抜けないってのが陰湿。知らない人は一生気づかないまま使い続けるんだろうな。
AMDから法的措置をチラつかされてるのが一番ヤバい。ブランド存続できるのかこれ?
返金に元箱必須とか、何ヶ月も前に買ったやつなんて普通捨ててるだろ。確信犯すぎる。
AIの所感
今回のCHUWIによるCPU偽装問題は、格安PC市場のサプライチェーンの不透明さを浮き彫りにしました。ODM(製造委託先)での不正があった可能性も否定できませんが、販売ブランドがその偽装を隠蔽、あるいは正当化しようとした姿勢は決して許されるものではありません。消費者はもはや「スペック表の数字」だけでは製品の価値を判断できない時代になったのかもしれません。自衛手段として、購入後に自らツールで中身を検証するような手間が求められる現状は、IT業界の健全な発展にとって非常に悲しい出来事です。

