【悲報】Windows 11が「何もしてないのに」RAMを56GB食い潰す…標準機能のメモリリーク、3年間放置の闇が判明
ゲームの最中に急に画面がもたつき、フレームレートが落ち、ロードが伸びる。タスクマネージャーを開くまでに3分かかった。ようやく表示された一覧の最上位に、見覚えのない名前があった。「Microsoft クロスデバイスサービス」。自分で起動した記憶のないプロセスが、RAMを25GBから30GBも占有していた。これが2026年7月に注目を集めたRedditユーザーの報告だ。
終了しても戻ってくる「クロスデバイスサービス」
クロスデバイスサービスはWindows 11の標準機能で、スマートフォン連携(フォンリンク)のバックグラウンド処理を担うプロセスにあたる。スマートフォンに届いた通知をPC画面に表示したり、コピーした文章をデバイス間で受け渡したり、スマートフォンからPCを遠隔操作したりする。外出先のスマホで開いていたページを帰宅後のPCで続きから開く機能もこれだ。正常に動いていれば消費するメモリはわずかで済む。問題は異常時の挙動にある。
使ったメモリをOSに返さないまま確保し続ける「メモリリーク」と呼ばれる不具合が起きる。その規模が常軌を逸していた。この報告は今回が初めてではない。2023年にはRedditのSurfaceユーザー向け掲示板に「スマートフォン連携がメモリを大量に消費する」という投稿が上がり、MicrosoftのQ&Aフォーラムには「このサービスがほぼ毎日15GBから20GBを占有し、タスクマネージャーから手動で終了させないとPCがまともに動かない」という相談が寄せられた。別の相談者は「メモリ使用率が90%を超える状態が一度きりではなく日常になっている」と訴えた。
2025年5月にはハイエンド機で56GBに達したという報告まで現れる。標準的なノートPCに搭載される16GBの3倍以上。1つの常駐サービスが消費していい量ではない。発生の条件もひとつではないらしい。エクスプローラーからスマートフォンのファイルを直接扱える連携機能で、音楽ライブラリーを丸ごと転送しようとした人がいる。転送は途中で止まり、翌朝ノートPCは一晩スリープに入れないまま極端に重くなっていた。調べると、このサービスが異常な量のリソースを使っていたという。「何も操作していないのに、PCの稼働時間に比例して使用量が増え続ける」という声もある。
直るバグと直らないバグ なぜ3年間も放置されたのか
最も厄介なのは、このプロセスが終了させても消えないことだ。タスクマネージャーで止めればその場ではメモリが戻る。だが放っておけば自動的に再起動し、また同じことを繰り返す。ユーザーにできるのは使用量が増えるたびに終了操作をすることだけ。それを2023年から続けている人がいる。気づいていない人はもっと多いはずだ。サービスは自動で起動し、動作中も画面には何も表示されない。PCが遅い理由をブラウザやゲームに求めることはあっても、常駐プロセスの一覧まで疑う人は少ない。
これほど症状のはっきりした不具合が、なぜ3年経っても直らないのか。Microsoftの公式記録の上では、この問題は存在しない。Windowsの障害情報を集約する公式ダッシュボードにも、更新プログラムのリリースノートにも記載がない。Microsoftがこの問題を公式に認めた記録は見当たらず、証拠は全てRedditとMicrosoftの各フォーラムに投稿されたユーザー報告だ。
サポート窓口が無反応というわけではない。2026年2月、Microsoft Q&Aに寄せられた相談には、次の趣旨の回答がついている。「このサービスは、機能を使っていない間もバックグラウンドで動き続けることがある。その場合、想定外のCPUとメモリの消費につながり、停止しても自動的に再起動することがある」。症状のパターンはサポートの現場では把握されている。それでも既知の問題としての登録には至らない。
サポートが案内する対処も汎用的だ。「Windows本体と連携アプリを最新にする」「タスクマネージャーのスタートアップアプリでモバイルデバイス関連の項目を無効にする」の2つにとどまる。これらを試して改善したという声がある一方、数時間から数日で再発したという報告もある。直せないわけではないことをMicrosoft自身が示している。Windows Updateの配信を裏で担う「デリバリーオプティマイゼーション(配信の最適化)」にも同種のメモリリークがあった。こちらは2026年4月末の更新プログラムで修正された。原因は「データ転送を終えてもメモリ上の作業領域を解放し忘れる」というもので、今回とよく似ていた。片方は直り、片方は残った。何が差を分けたのかをMicrosoftは明かしていない。
増え続ける機能、変わらない安定性
全員に発生するわけではなく、特定の端末や接続構成でしか再現しないのかもしれない。再現手順の定まらないバグは、修正の優先順位に乗りにくい。推測に過ぎないが、3年という時間を説明できる材料は今のところそれくらいしかない。
その3年の間にも、スマートフォン連携は機能を増やし続けた。スマホからPCを操作するリモートコントロール、外で見ていたコンテンツをPCで引き継ぐレジュメ、スマホの中身を表示するパネルはスタートメニューにも組み込まれた。Windows 11本体も年次更新を重ね、バージョンは25H2まで進んだ。機能は増えるのに、それら全てが依存する1つのプロセスの安定性は2023年から変わっていない。
今、症状が出ている人にできることはある。PCが急に重くなったらタスクマネージャーを開いて、クロスデバイスサービスのメモリ量を確かめる。基準を超えていればタスクの終了で一時的に回復する。ただしプロセスは自動で戻ってくる。根本的に避けたいなら、設定の「Bluetoothとデバイス」にあるモバイルデバイスの項目から、連携そのものをオフにする方法がある。エクスプローラーにスマートフォンを表示する設定をオンにしていると悪化しやすいというユーザー報告もある。
報告されてきた規模のメモリリークが8GBや16GBのノートPCで起きれば、メモリが尽きる可能性がある。メモリ増設でも解決しない。56GBの報告が示す通り、増設した分まで消費されかねない。通知やクリップボード共有の便利さと引き替えにできる負荷ではない。
あなたのせいではない
PCが重くなった時、多くの人がまず自分を疑う。開きすぎたタブ、入れすぎたアプリ、買ってからの年数。不要なファイルを消し、再起動し、それでも治らなければそろそろ寿命かと考える。決して安くないメモリの増設を調べ、買い替えの見積もりを眺めた人もいるはずだ。
だが今回の話が示したのは、その重さの原因が自分で選んでいない場所にあるということだった。入れた覚えのない標準機能が、断りなくメモリを埋めていく。気づかなければ疑う先はPCと自分の使い方しかない。この3年の間、どれだけの人が身に覚えのない遅さを自分の不摂生だと思い込んできたのだろう。
それでもこの3年は無駄ではなかった。RedditやMicrosoftのフォーラムに残された報告の一つ一つが事実の出所になっている。誰かが数値を記録し、スクリーンショットを残し、同じ症状の人に「自分だけではない」と伝えてきた。その蓄積があって初めて、この問題は不具合として広く知られ始めた。声を上げた人たちは何も直せなかったわけではない。原因を特定できずにいた誰かを、確実に助けてきた。
この後タスクマネージャーを開いてみてほしい。そこにあの名前があれば、長く抱えていた謎がひとつ解けるかもしれない。なければそれでいい。次にPCが理由もなく重くなった時、思い出してほしい。悪いのはあなたの使い方ではないかもしれない、ということ。そして、どこかの誰かの報告があなたの数時間を救うかもしれない、ということ。
ネットの反応
PCが重くなった時、Windowsユーザーがまず疑うのは「Microsoft」ですよ。
「直らない」ではなく「直さない」だろ。こうやろ。
あぁ、これね。スタートアップをオフにしても起動時から常時プロセスにいるからアンインストールしたけど、カメラアプリと徒党を組んでゾンビとして残ってた。挙動がマルウェアと同類なんだよな…。
Microsoftが今回みたいなことをやらかすから、RAM 32GBでも安心できないんだよなあ…。
またひとつ、Windowsを捨ててLinuxに乗り換える理由が増えた。
「バグがあるのは当たり前」「PCは生き物」等々、もうやめよう。エンドユーザーを舐めていいという意味にしかなっていない。
何もしてないのにおかしくなったが、まさか本当になるとは。即座にスマホ連携を削除しました。
128GBメモリのPCで使用量120GBとかいう馬鹿な数字を叩き出すのがWindowsという欠陥OS。
PCパーツの劣化より先にWindowsの劣化を疑う時代。
PCとスマホは別物として扱いたくて、スマホ連携アプリ自体を削除していたが正解だった。最近のWindowsは使ってなくても自動起動していろいろ消費しすぎる。
リソースシーフ機能満載。w
海外のテック企業は「とにかく早く出す」「自分たちはみんなのためになる機能を作っていると思い込む」というのをどこもやっていて、ユーザーにテストを強いている現実を分からせないといけない。この面は日本の企業を見習え。
おま環という言い訳を基幹OSの会社が頑なに主張するのはクソ。選択肢がほぼ皆無という不健全な市場だからこその殿様商売。
少数利用者のために多数派が犠牲に…。
ゲームはゲーム、ネットはネット、仕事は仕事と全部専用のPCに分けて、各々最適化してリスクを分散するようにしている。そういう時代だ。
AIの所感
この事例の本質は「再現手順が定まらないバグは優先順位に乗らない」という、ソフトウェア開発の制度的な盲点だ。特定の端末・接続構成でしか起きないメモリリークは、開発組織にとっては実害を立証しづらい。しかしエンドユーザー側から見れば、3年間誰にも認められず放置された不具合が毎日のようにRAMを食い潰す。この「認めない限り存在しない」構造こそが、Windowsの品質に対する不信感の根源になっている。
もう一つ見落とせないのは、同じメカニズムの「配信の最適化」は直したのに、こちらは直さなかった点だ。サポートの現場は症状を把握しながら既知の問題として登録しない。これが技術的な困難より「営業判断」「優先順位の低さ」によるものである可能性は高く、ユーザーには「直せないのではなく直さない」と映る。実害を伴う常駐サービスは、OSに組み込む以上、検出・修正サイクルの一部であるべきだ。利便性とトレードオフにできない信頼性は、この種の対応姿勢で決定的に失われる。
ユーザーコミュニティがスクリーンショットと数値を積み重ねて事実を掘り起こしたこと自体は、健全な現象だ。しかしその蓄積が「メーカーが認めざるを得なくなる」のではなく「ユーザーが自己防衛のために機能を捨てる」方向へ向いたのは、プラットフォームの失敗として記憶されるべきだろう。

