【衝撃】ワゴンセールの「2980円SSD」が現役バリバリだった件…ベンチマークの「読み方」知らないと損するぞ
「ベンチマークってよく見るけど、実際どんな風に計測して、それをどう見ればいいの?」──そんな素朴な疑問を抱く全国1000万人の自作erに向けて、20分の解説動画が投稿された。部屋の奥で眠っていた「KINGMAX 120GB SSD(ワゴンセール2980円、あるいは1980円)」を引っ張り出し、Linux Mintのインストール用に使えるか検証するついでに、SSDベンチマークの「正しい読み方」を丁寧に解き明かす内容だ。結論から言うと、放置されていた格安SSDは意外と健闘し、現役のCrucial 500GB SSDより「連続読み込み(大容量ブロック・並列)」では勝ってしまうという、自作PCあるあるの「安物ほど意外と使える」現象が目の当たりにされる。
「数値はロマン」——ベンチマークを絶対視すると後悔する理由
動画の核心は冒頭とラストで繰り返されるこの一言に尽きる。「ベンチマークはロマンであって、買い物の絶対的指針にすると後で後悔する」。CrystalDiskMarkやKDiskMarkが出す数値はあくまで「決め打ちされた条件下での性能」に過ぎない。実際のPC使用では、アプリケーション、OS、ファイルシステム、SSDコントローラーの都合が絡み合い、ブロックサイズもキュー深度もスレッド数も刻一刻と変化する。あるゲームでは4KiBランダム読み込みがボトルネックになり、別のゲームでは1MiB連続書き込みが効く——タイトルが変われば最適な性能指標も変わるのだ。
SEQ・RND・1M・4K・QD・T…記号の意味を知ればグラフが「読める」ようになる
動画では「つぎちゃん(ずんだもん)」を相手に、ベンチマーク項目の記号を一つずつ噛み砕いていく。
- SEQ / RND:Sequential(連続アクセス)とRandom(ランダムアクセス)。連続は大きなファイルの読み書き、ランダムは細切れデータの処理(OS起動やアプリ起動に直結)
- 1M / 4K:1回のI/Oで扱うデータサイズ。1MiB=大きなブロック、4KiB=小さなブロック
- QD(Queue Depth):同時にSSDへ発行できる未完了I/O要求の数。QD1なら順番処理、QD32なら32個まで溜めて並列処理。NVMeはAHCI(最大32コマンド)の枠を超え、最大65535キュー×65536エントリーまで対応
- T(Thread):ホスト側からSSDへ来るワーカースレッド数。T1=シングルスレッド、T2=2スレッド……実際のPCでは複数スレッドが同時発行する
これらの組み合わせは「組み合わせ大爆発」と呼ばれるほど膨大だが、経験則的に「4KiB QD1 T1 ランダム読み込み」あたりを見れば普段使いのレスポンス感が分かる、というのが現場の暗黙知だ。
「キビバイト・メビバイト」表記の謎——1024と1000の呪い
途中で「1KiB=1024バイト、1KB=1000バイト」という話題になる場面がある。実はこの区別、1999年にNASAの火星探査機(1億2500万ドル)が「ヤードポンド法」と「メートル法」の単位混同で火星に激突・爆散した教訓から、国際単位系(SI)として厳格化された経緯がある。PC自作界隈でもインチネジ(ネジ山の間隔が広い)とミリネジ(狭い)が混在し、ケースやHDDマウントで地味にハマるトラブルの元凶だ。ベンチマーク表記で「i」が付いているか(KiB、MiB)を見れば、2進法ベースか10進法ベースかが即座に判別できる——これを知っているだけでスペックシート詐欺に遭いにくくなる。
放置SSDの「意外な健闘」——安物キングマックスが見せた底力
今回の主役、KINGMAX 120GB(数年前のワゴンセール品)は、GNOME Disksユーティリティでのベンチマークで「グラフが非常に滑らか」「上限値まで速度が出ている」と評価される。一方、現役でゲーム用として使われているCrucial 500GBは「グラフが汚い」「書き込みが計測できない」「安物キングマックスより不安定」と、持ち主を困惑させる結果に。KDiskMarkで改めて計測しても、キングマックスが勝つのは「大容量ブロック・並列連続読み込み(SEQ 1M QD32)」だけで、それ以外の項目(特に4KiBランダム)ではCrucialが1.8倍以上の差で圧勝する。
この結果が示すのは「どちらが優れているか」ではなく「得意分野が違う」という事実だ。キングマックスは大容量連続転送(動画書き出し等)が得意、Crucialは細かいランダムアクセス(OS・アプリ起動・ゲームロード)が得意。普段使いの体感レスポンスならCrucialに軍配が上がるが、「ワゴンセール品が数年放置されてもこれだけ動く」という事実は、SSDの耐久性に対する安心材料にもなる。
「コントローラーで選べ」——メーカー名より中身が全て
動画内で「先輩(四国めたん)」が繰り返す教え「SSDは販売メーカーで選ぶんじゃなく、どこのコントローラーを採用してるか見なさい」。同じメーカーでもモデルごとにコントローラー(Phison、Silicon Motion、Samsung自社製等)とNANDフラッシュ(Kioxia、Micron、SK hynix等)の組み合わせが異なり、これが実性能と耐久性を決める。ベンチマーク数値だけでなく、採用コントローラー・NAND型番まで確認するのが「玄人」の最低ラインだ。
バックアップのバックアップのバックアップ——データは消耗品じゃない
動画の締めくくりで語られるのが、バックアップの重要性だ。「SSDは突然死する。HDDも寿命がある。PCパーツは消耗品だけど、データは消耗品じゃない」。先輩はバックアップを自動化し、さらにそのバックアップも取っているという徹底ぶり。コメント欄にも「昔のアップル基調講演で『バックアップを取ること、バックアップを取ること、バックアップを取ること』と言われたのを忘れない」という書き込みがあり、自作erの間で「バックアップ三原則」が共有されている様子が窺える。
ネットの反応
昔のアップルの基調講演でパソコンをうまく使うコツというのを述べた人物がいた。その1バックアップを取ること、その2バックアップを取ること、その3バックアップを取ることっていうのは今でも忘れない
SSD、最強のロマンは今でもOptane😌
それにしても、数千円で1TのKIOXIAのm2を雑に買って使ってた時代が懐かしい…
ヤード・ポンド法は滅ぶべし…
SATA接続SSDだとスターフィールドが厳しかったのでm.2の4TBのSSDを買った。スターフィールド買って一番よかった事がそのSSDを買った事になるとは当時は想像もつかなった。
最近、バックアップとバックアップのバックアップのHDDが死んでしまった。
今度から諸元に「i」が付いてないのは詐欺だと思えば良いんですね。
インチとポンドと合と升と尺と寸は消えてしまえ。
AIの所感
この動画が秀逸なのは、ベンチマークという「数字の羅列」を、SI単位系の歴史からNVMeキューアーキテクチャ、バックアップ哲学まで、一本の物語として繋ぎ直している点だ。単に「SEQ 1M QD32 T1 が何MB/s出た」を追うだけなら誰でもできるが、「なぜこの組み合わせを測るのか」「この数値が実使用のどの場面に対応するのか」「どこまで信用できるのか」を、素人(つぎちゃん)目線で噛み砕きながら、最後には「数値はロマン、バックアップが命」という普遍的な教訓に着地させる構成力は見事というほかない。
特に印象的だったのが、「放置されていたワゴンセールSSDが現役高級品より特定条件で勝ってしまう」というカウンターインテュイティブな結果だ。これは「安いからダメ、高いから良い」という単純な価格信仰を打ち砕くと同時に、SSDというデバイスの「枯れた技術の水平思考」的側面——コントローラーとNANDの組み合わせさえしっかりしていれば、古い・安い製品でも特定用途では十分戦える——を浮き彫りにしている。
自作PC初心者が陥りがちな「ベンチマーク数値の絶対化」「スペックシートの『i』無し表記への無理解」「バックアップの後回し」——これら全てを20分で網羅しつつ、VOICEVOXキャラクターたちの掛け合いというエンタメ要素で最後まで飽きさせない。まさに「教育コンテンツとしての理想形」の一例だ。次回予告の「意外な落とし穴」も含め、シリーズ継続を強く希望したくなる良質なコンテンツだった。

