サイトアイコン 酒呑ガジェット

【衝撃】32GBが42.22%で首位奪取。でも喜ぶのはまだ早い、過去2回は翌月にひっくり返ったメモリの怪

【衝撃】32GBが42.22%で首位奪取。でも喜ぶのはまだ早い、過去2回は翌月にひっくり返ったメモリの怪

PCゲーマーの定番が動いた。Steamの9月ハードウェア調査で、メインメモリ32GBが42.22%となり、37.82%の16GBを抜いて最多になった。8月は16GBが41.20%で首位だったため、1か月での逆転だ。16GBのPCはもう古いのかとざわつくのも無理はない。だが結論を急ぐのは早い。32GBが上回ったのは初めてではなく、2025年2月と2026年2月にも起きており、どちらも翌月には16GBが首位に戻っている。今回の逆転は本物なのか、それとも揺れなのか。数字の読み方をほぐしていく。

まず押さえたいのが調査の取り方だ。Steamのハードウェア調査は、使う人全員ではなく、PCの中身を調べて送って良いかと尋ねて同意した人の分だけを集計したものだ。尋ねる相手は毎月入れ替わり、国や言語の当たり方で数字が動く。クラス全員ではなく毎月選ばれた何人かに持ち物を聞くようなもので、その月の顔ぶれが結果を左右する。バルブは国別や言語別の内訳を出しておらず、切り分けはできない。使うOS全体を合わせた数字とWindowsだけの数字の2種類がある点も注意が要る。今回は全体の数字でそろえて見る。

9月の顔ぶれの特徴は、中国語設定でSteamを使う人の回答が7.42ポイント増えて31.39%になったことだ。前の2回も中国の回答が増えた月だった。2025年2月は20.88ポイント増えて50.06%と半分が中国語回答になり、同じ月に32GBも13.73ポイント増えて46.94%で首位になった。OSではWindows 10が11を抜き返し、グラボもRTX 4060が3060を抜いて首位になるなど、全部まとめてひっくり返った。翌3月には16GBが43.12%で首位に戻っている。2026年2月も中国語回答が約30.7ポイント増え、32GBは約19ポイント増えて首位、グラボ首位はRTX 5070で9.42%、Windows 7が約10ポイント下がるなど大きく動いたが、翌3月には16GBが40.97%で戻り、32GBは20.31ポイントも下げた。グラボ首位も3060に戻っている。2回とも同じ形で、中国語回答の急増と32GBの首位、OSやグラボの同時変動、翌月の16GB復位が並んだ。

今回が違う点、同じ点。10月分の見分け方

今回が前の2回と違うのは増え方の小ささだ。中国語回答の増え方は前2回が20.88ポイントと約30.7ポイントだったのに対し、今回は7.42ポイントで、割合も31.39%と5割に届かず、英語が34.20%でまだ首位だ。32GBの増え方も今回は4.77ポイントで、前2回の13.73ポイントや約19ポイントよりずっと小さい。だから今回は本物だと思いたくなるが、そう決めるのも早い。回答者が入れ替わった印は今回もある。全体の数字ではWindows 11が71.34%で0.37ポイント上がったのに、Windowsだけで見ると75.08%で0.45ポイント下がった。全体にはMacなどの人も入るため、答えた人の中のMacなどの割合が減ったことがうかがえ、顔ぶれが変わった現れとされる。9月のグラボ首位RTX 5070の5.86%が、大きく振れた2026年2月にも9.42%で首位だった点も重なる。重なっているという事実だけでは同じ揺れとは言い切れないが、本物っぽさと揺れっぽさが同居しているのが今だ。

急な段差とは別に、ゆっくりした坂もある。2025年3月の32GBは32.85%、6月は34.37%、8月は35.42%と毎月少しずつ増え、当時は年内に32GBが抜いて定着するかもしれないと書かれた。だが定着はせず、2026年8月でも32GBは37.45%で16GBが首位だった。2025年8月と比べると1年で約2ポイントの緩い坂だ。見分け方はこうなる。10月分で中国語回答が減っても32GBが首位なら本物の可能性が高まり、16GBが戻れば今回も揺れだったということになる。10月分は11月初め頃に出るはずで、そこが答え合わせの場だ。

32GB推奨の新作と16GBのままの新作、日本の値段

32GBが増える背景として、推奨に32GBを掲げる作品が増えたことが挙げられる。Microsoft Flight Simulator 2024は最低16GBで推奨32GB、公式には理想64GBとまで書かれている。DOOM系の新作や2026年7月のHalo Campaign Evolvedなども推奨32GBに並ぶ。4Kの最高画質では32GBを求める例もあり、画質を上げるほど欲しい容量は増える。一方で推奨16GBのままの新作も多い。モンスターハンターワイルズやバトルフィールド6、バイオハザード レクイエムはいずれも推奨16GBで、10月6日発売のGears of War E-Dayも最低12GBで推奨16GBだ。Minecraft Java版は2026年7月に17年ぶりに必要動作環境を改めたが推奨は16GBのままで、最低はグラボ付きなら8GB、内蔵グラフィックスなら12GBとなっている。推奨32GBは確かに増えたが、今年の新作にも推奨16GBは普通にある。開発者の多くはまだ16GBを基準にし、32GBを求めるのは最高画質などの特別な設定が多いとみられている。

日本の値段も重い。10月6日の価格.comでデスクトップ用DDR5 5600を安い順に並べると、8GB2枚の合計16GBは3万980円から、16GB2枚の合計32GBは5万4800円からで、差は2万円を超える。32GBは最安の1つだけが飛び抜けて安く、次点以降で比べると差はさらに広がる。値段は毎日動くためその日の値段として聞く必要があるが、高い時期に多数派に合わせるかは別の話だ。DDR4の合計32GBは3万980円からとDDR5の16GBと同じ段だが、DDR4用マザーボードにしか刺さらないため今DDR5の人の選択肢にはならない。DDR5の合計64GBは12万3000円からで、今日の主役ではない。16GB1枚が手頃で2枚組が普通だから自然と32GBになるという声や、32GBのPCの多くはDDR5が安かった頃に組まれたという指摘もあり、安かった頃の貯金が今の数字を作っている面もある。メモリ高騰でここ数か月のような速さでは増えないかもしれないという見方と、記録的な不足の中でもゲーマーはPCに金をかけているという前向きな見方が並び立つ。なお日本語回答は2.41%で、この調査は日本で自作する人たちの姿そのものではない。

16GBか32GBか、自分で確かめる方法

買い物の結論は多数派の速さではなく自分の遊び方で決めるのがいい。遊ぶゲームのSteamストアページを開き、システム要件の最低と推奨の2段のうち推奨の容量を見る。推奨16GBなら今は16GBで遊べ、推奨32GBの作品を遊ぶなら32GBを考える時だ。ゲームと一緒に何を動かすかも見る。Discordで話しながらブラウザで攻略を見て配信ソフトも動かすなら余裕が欲しくなる。今16GBの人は慌てて買い足さなくていい場面が多く、これから組む人は2万円台からの差を遊ぶ作品と使う年数で決めればいい。調査の依頼が来たら答えれば自分のPCも集計に入る。モンスターハンターワイルズの推奨は16GBなので、16GBのPCが今すぐ古いわけではない。Discord併用で困っていないならそのままでよく、配信を始めたくなったらその時に32GBを考えればいい。9月の逆転が本物かは10月分で分かる。自分の容量と並べて確かめたい。

ネットの反応

数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使うの見本

みんな裏切ってすまないな、32GBにしてしまったよ

やっぱり32GBは必要だな。64GBだけど。サブのゲーミングは32GBでBIOSで内蔵グラフィックスに8GB割り振っているので使えるのは24GBしかない

中国人が平均的にも金持ちになってきたって事か。世界は変わり続けてるね

AIの所感

42.22%という数字は事実だが、事実と真実の間には顔ぶれという距離がある。毎月聞く相手が変わる調査で1か月の王位だけを見ても、買い物の答えは出ない。過去2回のひっくり返りが教えるのは、数字を疑えではなく数字の後ろを見ろということだ。急な段差と緩い坂を分けて見れば、32GBがゆっくり増えていることと、9月が少し背伸びした月かもしれないことが両立する。2万円を超える差を払う理由は、多数派がどちらかではなく、推奨欄の文字と自分の机の上の同時起動の数にある。11月初めの10月分が出たら、中国語回答と32GBの並びをもう一度見る。その一手間が、高い買い物での後悔を減らす。多数派に合わせるのではなく、自分の遊びに合わせる。それがこの騒ぎの一番まともな着地点だ。

モバイルバージョンを終了