サイトアイコン 酒呑ガジェット

【警告】RTX 6060は「2029年」? 60番台の間隔が2倍に伸びる衝撃と、RTX 3060で待つ人への現実解

【警告】RTX 6060は「2029年」? 60番台の間隔が2倍に伸びる衝撃と、RTX 3060で待つ人への現実解

RTX 3060を使い続けながら、次の60番台を待っているユーザーに冷や水を浴びせる噂が流れている。海外のリーカーが10月19日、RTX 6060について「ずっと後になる」「2029年に出る可能性が高い」と投稿したのだ。NVIDIAはRTX 60シリーズをまだ発表しておらず、これはあくまでリーカーの書き込みにすぎない。それでも、これまでの60番台の投入間隔と照らし合わせると無視できない数字である。何が事実で、どこからが推測なのかを整理する。

「2029年」は誰が言ったのか 1つ目の投稿と2つ目の投稿

発端は、リーカーのケプラーL2氏が掲示板に投稿した2つの書き込みだ。1つ目は10月19日朝の投稿で、「PS6の競合はRTX 6060の世代だ」という書き込みへの返信だった。「60はずっと後に出る。それに最近の傾向からすると、PS6に届くとは思えない」——ここにあるのは「ずっと後」と「届かないと思う」の2点だけで、具体的な年は書かれていない。

年が出てくるのは、同じスレッドの2つ目の投稿だ。「供給が足りない時、NVIDIAは下位のカードの発売をかなり遅らせがち。RTX 6060は2029年に出る可能性が高い」。本人が年まで数字で書いており、理由として挙げているのは「供給不足」である。注意したいのは、この時点で「メモリ」という言葉は出ていないことだ。にもかかわらず、複数の媒体はメモリ不足を理由として報じている。少なくとも元の投稿には、メモリ不足という表現は存在しない。

60番台の間隔は約2年 2029年なら「約2倍」になる

NVIDIAの公式な発売日で間隔を計算すると、RTX 4060は2023年6月、RTX 5060は2025年5月で、前の60番台から次までの差は2年弱。つまり60番台はこれまで概ね2年周期で更新されてきた。仮にRTX 6060が2029年の1月だと、RTX 5060から約3年8ヶ月となり、これまでのおよそ2倍に伸びる計算だ。2029年後半ならさらに長くなる。

ただし、これは噂が当たった場合の話である。他のリーカーの見立ては揃っていない。コピット7君氏は9月21日、RTX 60世代のチップを「2028年の製品」とし、以前の「2027年後半」から修正した。ムーアズ・ロウ・イズ・デッドは2027年前半、ある報道は2027年末の量産開始と伝えている。2027年前半、2027年末、2028年、2029年とバラバラだが、リーカー2人が2028年あたりを見ている点だけは共通している。

上位機種から60番台までの間隔も世代で大きく違う。RTX 5090から5060までは約3ヶ月半、RTX 4090から4060までは約8ヶ月半かかった。上位機種の投入が2028年半ばなら、そこに数ヶ月から8ヶ月半を足した時期が60番台ということになる。海外メディアのテックパワーアップは、上位機種が2028年半ば、RTX 6060は2029年にずれ込むと見ている。ただし同記事は「ケプラーL2氏は日付を言っていない」と書いており、これは本人が2つ目の投稿で年を明記していた事実の見落としだ。大手媒体の記事でも、元の投稿と一致しない箇所はある。

NVIDIAが公式に認めているのは「供給制約」まで

ではNVIDIA自身は何と言っているのか。2月、Tom’s Hardwareへの回答で「GeForce RTXの需要は強く、メモリの供給は制約されているが、全製品の出荷を続けている」と述べ、メモリ供給の逼迫を認めた。9月21日には2028年説について問われ「噂や未発表製品にはコメントしない」と回答。10月16日には上級副社長のジェフ・フィッシャー氏が、RTX 5090の生産を続けており供給は制約されていると語っている。認めているのはメモリと供給の厳しさまでで、「RTX 60が遅れる」とは一言も言っていない。

報道段階では、RTX 50 Superの延期が伝えられている。これはNVIDIAが認めた話であり、理由として同じメモリを使うAI製品を優先しているためと報じられている。公式に確認できるのはメモリ供給の制約までで、RTX 60の時期とは直接結びついていない。ここを混同すると話が一気に大きくなる。

「PS6に届かない」は数字の比較ですらない

もう1つの主張「PS6に届かない」も、慎重に読む必要がある。テックパワーアップの記事にはPS6の性能数値は登場しない。比較材料として使われているのは、ケプラーL2氏が9月23日に書いた別の噂で、PS6が40テラフロップス、次期Xboxのヘリックスが56テラフロップスというものだ。テラフロップスは1秒間に実行できる計算回数の上限を表す。

だが、この数値を出した本人が「テラフロップスは性能を比べる数として良くない」と書き添えている。40という数字は、2つの命令を同時に出す機能(デュアルイシュー)を数に入れた値であり、条件が揃った時しか機能しない。数に入れるかどうかで値は2倍変わる。以前出回った80という数字は、この40をさらに2倍に数え直したものと見られている。40と80が同じチップの話というわけだ。数字だけを見れば、まるで別のゲーム機になる。

ソニー自身の数字にも参考になる例がある。PS5 ProはGPUの計算部分が67%増えたが、実測のラスタライズ性能は最大45%向上にとどまった。計算ユニットを67%増やしても、描画は45%しか速くならない。テラフロップスにはメモリの速度も、レイトレーシング用の回路も、作り手がハードをどう使うかも含まれていない。PS6の性能推測も、RTX 5070 Ti相当から5080相当、レイトレーシングは5080並み、4090並みという説まで幅がある。すべて推測である。

待つ側の現実解 「年」ではなく「今困っているか」で決める

ソニーはPS6の名前も発売日も価格も発表しておらず、8月のインタビューでも発売日は未定と答えている。財務責任者は2027年度もメモリは高いと見込んでいる。つまり、比較対象のPS6すら確定していない。それでも判断はできる。まず、待ち期間はこれまでの約2年ではなく、年単位で長めに見積もる。その上で、今のカードで困っているかどうかで決める。困っていなければNVIDIAの公式発表を待ち、困っているなら次の世代を前提にせず、現在のRTX 50シリーズを含めて選ぶ。RTX 3060で設定を下げれば遊べるなら、まだ「困っている」とは言えない。そして噂を読む時は、本人の投稿か媒体の言い換えかを分け、性能の数字は何を数えた値なのかを確認する。見出しだけで予定を決めないことが、いちばん確実な備えだ。

AIの所感

この一件が示すのは、リーカー情報の「伝言ゲーム」の危うさだ。本人が書いたのは「供給不足」と「2029年の可能性」だけなのに、媒体を経由する過程で「メモリ不足が理由」という脚色が加わり、さらに別の記事では「本人は年を言っていない」という逆の見落としまで起きている。情報の受け手としては、一次情報に当たる以外に身を守る方法がない。そしてもう一つの教訓は、待つことのコストを数値化することの難しさだ。2年待つつもりが4年になる可能性があるなら、その間にRTX 3060で設定を下げて遊ぶ時間は、我慢ではなく合理的な選択になる。買い替えの基準は、噂の年ではなく、自分の画面が今どれだけ重いかで決めるべきだ。

モバイルバージョンを終了