【悲報】「更新ボタンを押したら、PCが帰ってこなかった」。誰も公式に認めてくれない黒い画面「0x800F0845」の5ヶ月
2026年10月13日、マイクロソフトはWindows 11向けの累積セキュリティ更新「KB5127648」を公開した。対象は24H2、25H2、26H2の3世代。日本では10月14日から配信が始まった。いつも通り更新を当て、いつも通り再起動した。メーカーのロゴが出るところまでは同じだった――そこから画面が黒くなり、ディスプレイがスリープに入り、冷却ファンだけが回り続ける。何時間待っても変化はない。手動で電源を入れ直すと自動修復が走り、「更新プログラムを取り消しています」の文字。そしてWindows Updateの履歴には、一つのエラーコードが記録される。0x800F0845。
すべてを試した先に、何もなかった
詳しい状況が最初に報告されたのは、10月16日のMicrosoft Q&Aだった。投稿者はAMD Ryzen 7 9800X3D、GeForce RTX 5080、DDR5-6000 32GB、NVMe SSDという自作PCにWindows 11 25H2(ビルド26200.8875)を載せていた。8月以降、累積更新のインストールに失敗し続けており、KB5127648でも同じ症状が再現したという。進行率30%の画面から先へ、更新は進まない。
投稿者が試したリストは、そのまま「Windows更新障害対処の全集」と呼べるほど長い。Windowsの修復インストール、BIOSの更新、AMDチップセットドライバーとNVIDIAドライバーの更新、メモリを標準設定に戻した検証、メモリ整合性チェックの無効化、VBSとハイパーバイザーの無効化、回復環境とBCDの確認、DISMによるコンポーネントストアの検査。挙げ句の果てに、アプリとファイルを消す初期化まで行った。それでも、初期化後のWindowsでも更新は失敗した。コミュニティの提案で更新パッケージの手動適用を試みても同じ。セキュアブートを有効にしても、無効にしても、結果は変わらなかった。
さらにこの障害は、被害者自身に「更新を止めさせる」ことも許さない。Windowsは約4日ごとに同じ更新の再試行を始め、そのたびに起動停止と自動修復が繰り返される。止めるために「更新の一時停止」を押そうとすると、ボタンはグレーアウトしている。「最新の更新プログラムを取得した後に一時停止を利用できます」——その最新更新こそ、入らないKB5127648そのものだった。入れたい人が入れられず、止めたい人が止められない。ループは自分で自分の出口を塞いでいる。
5月から続く、同じエラーコード
この問題は10月に突然現れたものではない。同じ0x800F0845は、少なくとも5月から繰り返し報告されている。5月にはIntel Core i9搭載のベアボーンミニPCでKB5089549の適用中に例外エラーとブルースクリーンが発生し、自動修復後に同じコードが記録された。8月にはHPのノートPCでKB5121003の再起動中に処理が停止し、本体を交換した個体では成功したという報告もある。9月にはASUSの15インチノートで3本の累積更新が相次いで失敗し、停止コード0x139(カーネルセキュリティチェックフェイヤー)で起動不能に陥った事例が投稿されている。
AMD機でもIntel機でも、自作デスクトップでもノートでもミニPCでも、5月、8月、9月、10月と異なる更新プログラムで、最終的に記録されるエラーコードはすべて0x800F0845で共通している。症状はロゴ止まり、黒画面、カーネルクラッシュとそれぞれ違うのに、行き着く先が同じだ。個別の報告が同一原因だと確定したわけではない。それでも、「再起動段階でインストール処理が失敗し、更新が取り消される」というパターンは4ヶ月以上途切れていない。
公式ページに、この名前は載っていない
そして現在最も問題とされているのが、メーカーの反応だ。KB5127648の公式サポートページには、スマートアプリコントロールが有効化できない問題、管理者保護環境でのリモートデスクトップ失敗、USBオーディオの一部不具合といった「既知の問題」が並んでいる。ところが10月23日時点のページに、0x800F0845による更新失敗の専用項目や修正プログラムは掲載されていない。同じページでは、Allson VPNの不具合を「修正した」との発表が10月22日付で「実際には修正されていない」と訂正されたほか、インストール後にBitLockerの回復画面が表示される不具合も報告されている。
より深刻なのは、24H2の立場だ。Windows 11 24H2のHome/Proは10月13日をもって更新サポートが終了しており、10月のセキュリティ更新が最後の配信となる。つまり24H2でKB5127648が失敗しているPCは、「サポート対象最後のセキュリティ更新」を受け取れないまま最終日を迎えることになる。今後24H2向けにこの不具合の修正パッチが出ることは二度となく、対処するには25H2以降へのアップグレードが前提になる。影響台数も原因も修正時期も、いまはすべて未確定だ。
いま、ユーザーにできること
公式の専用修正策が存在しない以上、取れるのはマイクロソフトが一般的な更新障害向けに案内する手順になる。まずwinverでバージョンとビルド番号、更新履歴の失敗したKB番号とエラーコードを控える。次にWindows Updateのトラブルシューティングツール、管理者権限でのDISM(コンポーネントストア修復)とSFC(システムファイル検査)、そして個人ファイルとアプリを残せる「修復インストール」の順に試すのが定石だ。Microsoft Updateカタログからの手動適用という手もあるが、同じ症状になった事例が報告されている点は重く見ておきたい。CBSログやクラッシュダンプを保存してフィードバックハブに報告しておくことも、将来の調査のためには意味がある。
そしてもう一つ、何より先にやるべきことがある。修復インストールや初期化に手を出す前のバックアップ、そしてBitLocker回復キーの確認だ。KB5127648では回復画面を強制表示される不具合自体が報告されている。回復キーを知らないまま「直そう」と動くことが、最悪の結末を招く。
ネットの反応
仕事で会社のすべてのPCの管理をしているが、怖くてたまらない。
とっくに半分サポート切れしているESUのWindows10機の方が安定してるの皮肉だな
オレのもやられました、結局ダメになって再インストールする羽目に!もうテロはやめてくれんかなあ…。
大規模アップデートで黒の画面の向こう側に、以前は信頼があった「必ず戻ってくる」があった。今は「戻るかどうか、緊張で画面を見ている」に変わってしまった。
17日に更新したけど不具合は今のところ出てない…なんで更新ごとにロシアンルーレット気分を味わわなきゃならんのだ。
AIの所感
この障害で最も重いのは、技術的な難解さではなく「止められない」ことだと思う。更新は自動になり、再起動は強制になり、一時停止にさえ条件が付く。利用者は選ぶ側から受け入れる側へ追いやられ、その受け入れた先が黒い画面だったとき、ユーザーの手元には4日後にやってくる同じ失敗の予告だけが残る。初期化しても、セキュアブートを切っても、手動適用しても治らない——試すものを尽くした報告が並ぶ一方で、公式の既知問題欄にこのエラーの名前はまだ存在しない。セキュリティ更新はユーザーを守るためにある。守るはずの仕組みが画面を奪ったとき、返すべきは修復コマンドではなく、公式が「これは問題だ」と認める言葉ではないだろうか。

