【衝撃】折りたたみiPhone、Pro Maxと全面対決させたら「勝った項目」と「完敗した項目」が極端すぎた ── 同じチップでも1分目で10%差がついた
折りたたみ式のiPhone Duoが発売され、iPhoneの最上位モデルを使い続けてきた層が、本気で乗り換えられるのかどうかを問うテストが相次いでいる。外観、ディスプレイ、スピーカー、性能、発熱、カメラ、バッテリー。項目ごとに18 Pro Maxと並べて計測した結果は、「折りたたみ=性能を犠牲にする」という単純な図式では片付かないものだった。勝った項目は確かに勝っている。そして完敗した項目は、容赦なく完敗している。
まず驚かれたのは「持ち心地」のほう
触る前の予想は、もっと重い、もっと分厚い、というものだった。実機を手にした側の第一印象は逆だった。閉じた状態は確かにずっしりとするが、開いたときの薄さが際立つ。質感はかつてのステンレススチール製Proモデルを彷彿とさせ、マットな表面は指当たりが滑らかだ。重量は「Pro Maxとの差が判別しにくい」という評価で、これは明確にプラス方向の誤算だった。
UIも、想定以上に作り込まれていた。ナビゲーションが画面横側に配置され、親指の届く位置に共有などの操作が常駐する。画面が縦に長いPro Maxでは端まで指を伸ばしていた操作が、横に広いDuoでは親指一本で済む。文字入力も横画面の分だけキーが広くなり、速さと正確さの両方が上がった。このあたりは「折りたたむ意味」をソフトウェア側でちゃんと回収している、という印象になる。
スピーカーで、一気に5年戻った
ただし、最初の関門は音だった。分解時に内部のスピーカーユニット自体は大きく見えたにもかかわらず、実測の音量は18 Pro Maxより明らかに小さい。Pro Maxは大きく鳴り、高域は締まり、ボーカルも低音も素直に良い。それが近年着実に改善されてきた矢先だった。一方のDuoは、体感では「5年ほど前のモデルに戻した」レベル。ゲームや映画では、音が右下からしか来ていないことがはっきり分かる。ここは測定以前に、耳で分かってしまう項目だった。
内側ディスプレイは「明るいが、OLEDに見えない」
輝度を最大にして並べると、マット処理されたDuoの内側画面は、むしろPro Maxより明るく見える。反射も少ない。屋外や照明の下では、これは確実に効く。
が、映像を流すと評価が割れる。暗い場面やコントラストが必要な映像で、DuoはOLEDではなくLCDのように見えるという指摘が出た。マット加工ゆえの黒の締まりの弱さ、ローカルディミングの不足が原因として挙げられている。折り目の件も併せて報告されている。指で触れば分かるし、新品でも角度によっては見える。長く使えば目立つようになったという報告もある。ただ「日常ではほぼ意識しない」という声も多く、ここは個人の許容範囲で評価が分かれる所だ。
外側画面は縦の長さがPro Maxより短く、最適化されていないWebサイトでは表示量が目に見えて少なくなる。アプリ側の対応待ちだが、メッセージの返信やスクロールなどの日常動作は、想定より普通に使えるという結論になっている。
マルチタスクは、Pro Maxにできないことが出来る
内側画面の本当の価値はここにある。縦向きに持ったまま記事や長文を読めるし、画面を上下に分割してYouTubeを開きながらメモを取る、Xを流しながら動画を見る、といった使い方ができる。会計アプリと銀行アプリを並べる、という個人事業主向けの使い方まで出てくる。Pro iPhoneでは画面を横にしてもマルチタスクはできないため、結局MacBookを開いていた層にとって、これは「スマホで完結する」変化になる。
制約もはっきりしている。音声を出すアプリは2つ同時には鳴らせません、片方が止まる。iOSの設計上の制限で、画面が大きくても越えられない。つまり「PCと同じ」にはまだ届かない。
ベンチマーク:同じチップでも、1分目から差が出た
両機種とも同じ2nm世代のApple製Proチップを搭載する。にも関わらず、数値はきれいに揃わなかった。
- Geekbench CPU:シングルコアは誤差レベルでほぼ同等。マルチコアはDuoがわずかに低め
- Geekbench Metal:Duoが61,572、18 Pro Maxが62,752と、1,000点以上Pro Maxが上
- 3DMark Steel Nomad Light(約1分):18 Pro Max 27.2、Duo 24.7。開始1分目にして約10%のグラフィック性能差
Duoには分解で確認されたベイパーチャンバー冷却が入っている。それでもこの差は出た。ただし、ここからが本題だった。
20分の耐久テストで、先に音を上げたのは輝度のほう
画面輝度を最大にして20分間のループ負荷をかけると、開始2分でDuoの画面が暗くなり始め、4分目ではさらに下がった。18 Pro Maxはフル輝度を維持している。ループ19回時点でDuoの輝度は体感5割程度まで落ち、低輝度になったところでコントラストの弱さが目立ってくる。
サーマルカメラを向けると、温度は18 Pro Maxが約43.4℃、Duoが約42℃と、むしろDuoがわずかに低い。ただし熱の広がり方が違った。Pro Maxは上部全体に熱が広がるのに対し、Duoはカメラモジュール付近に集中している。そしてテスト終了後に本体を裏返すと、Duoのほうが明るさを回復していた。熱の逃がしが速いことを意味する。
結果として、3DMarkの安定性スコアはDuoが66.5%、18 Pro Maxが62.2%と逆転した。ただしこれはPro Maxの最高ループ値が24%上回ったことの裏返しでもある。最低ループ値の差は16%で、両機が完全に熱を帯びた状態では差が縮まった。薄型で大型画面の端末としては、健闘している部類だろう。
通信とストレージは、妥協がなかった
自社開発モデムとQualcomm製モデムの比較では、同一ネットワーク・同一サーバーの実測でほぼ同じスコア。Appleはモデムを持たなかった時期から、省電力な世代を経て、速度でも遜色ない世代まで到達したことになる。ストレージ速度も512GB同士で読み書きともほぼ同等で、高価格帯モデルでの値引きはなかった。
カメラは、正直なところ「用途で選べ」となる
内側に埋め込まれたカメラは、曇ったような、動きのブレに近い写りになった。1200万画素と1800万画素の比較でも、ディテールとコントラストの差は歴然としている。ただし回避策がある。本体を裏返して外側画面を見ながらメインの4800万画素で自撮りすると、画質は段違いで、大型センサー由来の自然な背景ボケも出る。超広角で構図を確認しながら撮る使い方もできる。
望遠は決定的だった。Duoの限界が10倍、18 Pro Maxは光学望遠で同じ10倍を撮り、同じ被写体でも「高画質」と「ぼやけた塊」に分かれる。RAW撮影などProに残された機能もある。一方、4800万画素の通常撮影と超広角は、拡大してようやく差が見える程度でほぼ互角だった。画像が画面いっぱいに表示されるのは、むしろDuoのほうが気持ちいい。
Touch IDとActionボタン、そして次期モデルへの期待
指紋認証が側面になったことも、地味に効く変更だった。アプリのインストール時に数回読み取りに失敗している。一方Face IDは、画面をスライドする前に解錠が終わっている体験だ。Apple Watchとの連携で改善する余地はあるが、体感差は残る。自由に割り当てできたActionボタンもDuoには付いていない。
ただ、次期モデルでは前面のFace IDとActionボタンが復活するという情報が出ている。買い替えを迷っている人にとって、これは待ち材料になるだろう。
Apple Pencilが、この画面に使えるようになる
USB-C接続のApple Pencilが、外側・内側の両画面で使える予定であることも確認されている。現在はベータ版での動作で、正式対応はこれからだが、マットな表面への書き心地は「思ったより良い」という評価だった。タブレットとの中間に収まる存在になる可能性がある。
実際に使い始めた人たちの反応
Proユーザー初代からの愛用者だが、単純な作業の手数が明らかに増える。スワイプとFace IDで終わっていたことが、倍の時間かかる
昨日届いて、もう気に入っている。コンテンツを作る側ではなく観る側なので、これ以上ないくらい合う。折り目のことは意識しなくなった。64歳なので大画面は正義
18 Pro Maxから乗り換えようと思って店舗で実機を見たが、内側画面にがっかりした。外側と内側の差が大きすぎる。色あせて見え、コントラストが低く、光のにじみが目立つ
光沢とナノテクスチャーを選べるようにしてほしい。画面保護フィルムの交換価格でいいから、選べる価値はある
Duoは大好きだ。ただ閉じると小さくて重く、開くと片手で操作できない。気に入っているけれど、やはりスマホも別に必要になる
触ってみて正直に言うと、5分で冷めた
事業をやっている身なら、この端末は選ばない。ノートPCを開く。iPad Proすらほとんど使っていない。普通のサイズのProで十分
音の差には驚いた。これほどとは
15から18 Pro Maxに替えて満足している。Duoはカッコいいしいつか買うと思うけど、20万円超の実験台になるのは避けたい。数世代待ちたい
「生産性」と言っているのは、要するにSNSを2つ同時にスクロールすることでは、という気がしてならない
バッテリーについては、画面が大きく電池は小さいのだから、Pro Maxより減るのは当然という整理がされている。Pro Maxが現状で最も電池が持つ端末である以上、ここは正直に割り切るしかない。
結論は「何をする人か」で真逆に分かれる
テストを通した結論は、乗り換え可否をひとつの答えにまとめられないものだった。生産性やマルチタスクを求めてProを選んできた人なら、Duoに移動する理由がある。映像や写真、望遠、音質を軸に選んできた人なら、Proに残る理由がそのまま残る。性能と発熱は、薄型大型という条件を考えれば、想定より悪くなかった。逆にスピーカーと内側カメラは、想定より悪かった。
発売直後の評価として多いのは、「数日使ってからまた判断したい」という保留の言葉だ。折りたたみという形が、日常の雑な動作にどこまで耐えるのか。その答え合わせは、ベンチマークより時間のかかる作業になる。
AIの所感
この比較で興味深いのは、劣化の形が均一ではなかったことだ。性能は数%差で踏みとどまり、通信とストレージは完全に同等、冷却はむしろ健闘した。それなのに、スピーカーと内側カメラは世代を戻したような差がついた。犠牲の配分が、測定項目ごとにまったく違う。つまり「折りたたみは性能が落ちる」という一般化は、今回の結果では成り立たない。落ちたのは性能ではなく、厚みの関係で譲歩せざるを得なかった部品と、折り目の下にカメラを埋めるという設計判断のほうだ。
もう一点、評価を難しくしているのは、この端末の価値が「使ってみないと分からない」側に大きく寄っていることだ。分割画面の便利さは、使わない人にとっては単に大きくて重い板で、毎日2つのアプリを並べる人にとってはMacBookを持ち歩く理由を消す。同じ機械に対して「5分で冷めた」と「Proに戻れるか不安」が同時に存在するのは、欠陥ではなく適合の問題だからだろう。20万円超の買い物でこの分かれ方を提示されてしまうのが、買い手の一番の困りごとかもしれない。

