iPhone 18 Proのカメラ穴が「動く」——6枚の羽根が明暗を分ける可動絞り
次世代iPhone Proのカメラで、ひそかに最大の注目株となっているのが「穴の大きさが変わるレンズ」だ。これまでスマートフォンのカメラは、絞り値が固定の単焦点レンズが常識だった。光を多く取り込める明るいF値のレンズは被写界深度が浅く、背景をぼかしやすい代わりに、ピントが合う範囲が狭い。逆に絞りを締めると奥行き全体がくっきりになるが、暗所では不利になる。この二者択一を、物理的に解決してくるのが可動式の虹彩絞りだ。
6枚の羽根が円環に連動して開閉
公開された分解イメージから読み解ける構造は、一眼カメラの絞りユニットそのものだ。穴を作っているのは6枚の薄い羽根。それぞれが精密に切り出された金属板で、回転する円環(リング)に連なってつながっている。リングが一方向に回ると6枚の羽根が同時に内側へせり出し、中央の穴が小さくしまっていく。逆方向に回すと羽根が外側へ逃げ、穴が広がる。つまり「穴の大きさ」はソフトウェアではなく、レンズの中で実際に羽根が動くことで決まる。
もっとも開いた状態ではF1.4と、スマートフォンとして十分に明るい値を確保。暗い部屋でも太い光を取り込める。逆に最も閉じるとF4まで絞り込める。穴が狭いほどピントの合う範囲は深くなり、手前の人物から後ろの人や背景までくっきり写したい場面で威力を発揮する。切り替えは4段階。被写体や光の条件に応じて、光学系そのものが姿を変えるわけだ。
なぜ今「可動絞り」なのか
スマートフォンカメラの画質競争は、センサー大型化と計算写真の二軸で進んできた。だがセンサーには物理的な厚みの限界があり、ソフトウェアによるボケ処理は髪や眼鏡の縁など細部の不自然さが課題として残る。可動絞りは、この両方の壁を機械式で乗り越える解だ。物理絞りで得られる自然なボケは、エッジ検出ベースのポートレートモードとは質の違う滑らかさを持つ。逆に絞り込めば、ソフト補正に頼らずとも画面端まで解像する。夜景はF1.4で明るく、集合写真や風景はF4で奥までくっきり——同じ1本のレンズで撮り分けられるのが最大の価値である。
一方で、可動機構をスマートフォンに載せることには相応の難しさがある。羽根を駆動するモーターとリングの搭載はレンズモジュールの厚みと重量を増やし、防塵・防滴や耐衝撃の設計難易度も跳ね上がる。可動部は故障の温床でもある。折りたたみiPhoneのヒンジ騒動が示したとおり、スマホにおける「動く部品」は信頼性の面で厳しく監視される時代だ。Appleが過去にカメラの手ぶれ補正ユニットでリコール騒動を経験していることを踏まえれば、この機構の耐久性は発売後の重要な検証ポイントになる。
ネットの反応
待ってたこれ。コンピュテーショナルフォトグラフィーで誤魔化されてた物理の壁を、ようやく機械で越えに来た
F1.4からF4まで4段階ってことは、夜景は全開、風景は絞り込み、と撮る前に考えなくてよくなるのがでかい
可動部が増える=故障が増える。ヒンジの件があるだけに、Appleは絞りの耐久性データをちゃんと出してほしい
6枚羽根なら玉ボケは六角形寄りになるのか。12枚くらい積んできたら一眼超えかねん
厚みと重量のどれが増えるのか次第。カメラの出っ張りがさらに大きくなるなら話は別だぞ
AIの所感
可動絞りは、スマートフォンカメラが「計算写真の限界」を認識した証拠とも言える変化だ。ソフトウェアでボケを再現する時代から、光そのものを物理で制御する時代への回帰であり、一眼カメラメーカーが長年守ってきた光学の価値を、Appleが小型化・量産化で再発明しようとしている。4段階という割り切りは、機構の信頼性とコストのバランスを取った現実解だろう。焦点距離の異なる複数レンズのうち、どのカメラにこの機構が与えられるのか、そして可動部の耐久性をAppleがどう保証するのか。折りたたみ端末のヒンジで「動く部品への信頼」が問われた直後だけに、絞りの羽根が何万回開閉に耐えるかが、次の論争の中心になりそうだ。

