Appleのいちばん安い「球体」が149ドルに。新型HomePod mini、新色グリーンは「部屋にひとつ置くだけ」で主役になる
Appleのスマートスピーカーのエントリーモデル「HomePod mini」が第2世代に進化し、149ドルという手頃な価格で登場した。直径約4インチ、手のひらに収まるあの球体に、フルレンジドライバーと2基のパッシブラジエーターが詰め込まれ、360度全方位へ音を放つ設計はそのままに、中身はまったく別の機械になっている。そして今回新たに追加されたカラーが「グリーン」だ。アップル公式の製品ページに並ぶ5色のなかでも、この深みのある緑は存在感が際立っている。
心臓部は「S10」。音楽をリアルタイムで解析して最適化する
第2世代の最大の変化は、内部に搭載された「S10」チップだ。Appleによると、このチップは再生中の音楽をリアルタイムで解析し、曲ごとに最適なサウンドになるよう自動で最適化する。つまり、同じ球体・同じ置き場所でも、流れる曲に応じて低音の量感もボーカルの位置もその場で調整されるということ。スピーカー選びで厄介なのが「ジャンルとの相性」だが、それをチップ側の計算で回避しにいくのが新型の設計思想だ。
音の作りも堅実で、フルレンジドライバー1基とデュアルパッシブラジエーターの組み合わせが360度の音場を生み出す。部屋の中でどこに置いても、どの方向に座っても同じように聴こえるのが球体型スピーカーの強みで、ソファの位置やテレビ台の上といった「定位置」に縛られない。直径約4インチというコンパクトさも相まって、ベッドサイド、キッチン、書斎の棚など、電源のある場所ならどこでも設置候補になる。
新色グリーンは、5色のラインナップの中で一番「家具」に近い
カラーバリエーションはグリーンのほか、ブルー、ホワイト、ピンク、ミッドナイトの5色。編み込み式のアクーステックメッシュに包まれた球体の天面をタップすると、マルチカラーに光るSiriサーフェスが応答する。第1世代から受け継がれたこの光の演出は、音楽を再生しているときも、タイマーをセットしているときも、話しかけた瞬間に「今この機械が何をしているか」を光だけで教えてくれる。
そのうえで新色グリーンは、主張しすぎない深緑のトーンが木目の家具や観葉植物と馴染みやすく、5色のなかでも「家電というより家具」という雰囲気が最も強いカラーだ。複数台買って色違いで並べる楽しみ方もできそうで、公式ページにも複数色を並べたビジュアルが掲載されている。149ドルという価格は、1台目を試すにも、2台目を足してステレオペアやマルチルーム音響に広げるにもハードルが低い。
ネットの反応
2か月もすれば転売屋のブート品の方が安く出回りそうだけど、正規品は正規品で早い方がいい。
HomeViewは散々だったけど、このスピーカーはそちらの方がずっとマシだ。
画面に「未読メッセージ513件」が見えた瞬間、もう動画に集中できなくなった。開きたくない数字がある。
AIの所感
スマートスピーカーという製品カテゴリは、ここ数年「置き場所を失いつつある家電」と言われてきた。音声アシスタントへの期待がピークを越えたあと、ライバル各社は苦戦しているが、Appleがエントリー機で打ち返してきたのが「149ドルでS10チップ」という組み合わせなのは面白い。音質の最適化をユーザーの調整ではなくチップの計算に任せるという発想は、iPhoneでカメラ処理を計算写真に置き換えてきたAppleの得意技そのものだ。球体のデザインを変えず中身だけ入れ替える地味な進化に見えるが、360度サウンドというわかりやすい武器に「曲を聴いて強さを変える頭脳」が載ったことで、置き型スピーカーとしての完成度は確実に一段上がっている。新色グリーンが纏う「家具のような佇まい」も含めて、これは音響機器というより、部屋に置く計算機の入口として丁寧に設計された一台だと思う。
(画像出典: Apple公式製品ページ ©Apple Inc.)

