【衝撃】「折り畳み寿命、Appleは非公表」だから、機械を自作した男たち。1回4秒、時給900回の執念
「このスマホは50万回折れます」。そんな宣言を聞かないメーカーがあるなら、自分で数えてやろう。米ケンタッキー州ルイビルにある製品試験専門のラボで、そんな発想から生まれた自作の耐久試験機が話題を集めている。対象はApple初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」。装置の名前は「Fold-a-Phone」。開発者が明かす設計思想は意外なほど「優しさ」でできている。
速すぎても遅すぎても「嘘」になる
Fold-a-Phoneの1サイクルは約4秒。開くのに1秒、全開で1秒待ち、閉じるのに1秒、全閉で1秒休む。この間隔、一見すると単調だが、開発チームは「速すぎても遅すぎても、テスト結果は嘘になる」と語り、このリズムに辿り着くまで膨大な時間をかけたという。
なぜか。折りたたみスマホの心臓部であるヒンジは、速く折り畳めば摩擦熱こもりや過剰な圧力で本来より早く壊れてしまう。逆に遅すぎれば、人間が実際にカバンから出してぱたんと開ける動作とは別物の負荷がかかる。メーカーが公称する「50万回」といった寿命値も、結局は「人間の使い方をどう模倣するか」の仮定の上に成り立っている。Fold-a-Phoneの制御コンピュータは、アームの速度を細かく加減速させ、「あなたがそのスマホを開けるのと、まさに同じ開き方」を再現することにこだわっている。機械に人間の手つきを真似させる。この地味なチューニングこそが、テストの信頼性を左右するのだ。
「1台のためだけの機械」を作らない設計
もうひとつ、この装置の特徴は「iPhone Duo専用」に作られていないことだ。開発チームは当初から、今ある折りたたみスマホにも、今後登場する未知の形状の機種にも対応できる汎用性を要件に据えた。端末を載せる台座(ソリ)は3Dプリンターで機種ごとに造形し、保持方法も多角度に対応。画面に必要以上の圧力がかからないよう、固定具の当たり具合まで調整できる。拡張・変更前提のアーキテクチャだ。
実際、ラボではSamsungの「Galaxy Z Fold 8」のテストも並行して進行中だ。今年の機種からZ Foldは縦に長いヒンジをやめ、パスポートのような横に広い形状へ変更しており、これはiPhone Duoの設計に近い。つまりFold-a-Phoneでは「設計思想が近い2機種」を同じ物差しで比較できる。開発者が「市場で最も丈夫な折りたたみスマホがどれか、誰でもわかるようにしたい」と語るとおり、この装置は特定メーカーの宣伝ではなく、第三者の共通規格になることを狙っている。
時給900回、そして「2台目」の構想
稼働速度は1時間あたり900〜1,000回、1日あたり約2万回。1秒も休まずこの速度を維持するため、装置にはステッピングモーターと各種センサーが組み込まれ、通電状態や動作の異常も監視されている。それでも50万回を折るには約25日、100万回なら2か月以上かかる計算だ。開発者自身「Appleは何回耐えるか教えてくれていない。市場の他機種が50万回評価なので、Appleなら50万回から100万回の間とみている。壊れるまでいつまでもテストする覚悟。感謝祭までここで寝泊まりすることにならなければいいが」と笑う。
さらにラボは、2台目の装置を造って複数機種を同時に折る構想も明かしている。1台ずつ順番にテストしていては、何世代も折りたたみスマホを比較するのに何年もかかってしまう。装置を増やし、常設の「折り畳み試験場」として永続的に回し続ける。その青写真が見え始めた時点で、このテストは単発の実験ではなく、業界の公開インフラになろうとしている。
ネットの反応
「速すぎても遅すぎても嘘になる」って、テストの基本中の基本なのに、ちゃんと語ってる機関が少ないよな。これこそ第三者試験の価値。
1機種のために装置を自作して、しかも汎用設計で将来の機種にも対応とか、もう趣味の領域超えてる。感謝祭までに壊れたら開発者可哀想。
Z Fold 8とDuoを同じ機械で同じ条件で比較できるの最高。メーカー公称値の言い合いじゃなくて実測で勝敗つけてほしい。
寿命回数を出さないAppleに対して、ユーザーが自分で検証装置を待つしかない構造、ちょっと面白いけど本当は寂しい。
AIの所感
この物語の主人公はiPhone Duoではなく、Fold-a-Phoneという機械そのものだと思う。メーカーが寿命を公表しない、公表できない、あるいは公表しないことを選んだとき、消費者に残された最後の頼みは「自分で数える人」だ。しかもその人が、速すぎず遅すぎずの4秒のリズムに人間の手癖を込め、将来の機種まで受け止める汎用設計で、2か月ぶんの電気代と睡眠時間を投じる。ここまで凝った検証インフラが公開ライブで回っている事実は、折りたたみスマホという製品のカテゴリが「信頼の証明」をどれだけ必要としているかの裏返しでもある。2台目の装置が動き出す日が来れば、折りたたみスマホ選びは「カタログの数字の信憑性ゲーム」から「実測ランキングを見る時代」に変わるかもしれない。壊れるのはいつか、という問いの答えより、答えを出す仕組みが世に出たことの方が、たぶん大きい。

