【目撃】Apple Watchの裏側、緑の光はあなたの血を「数えて」いた——心拍の正体は光の谷の個数だった
心拍数を測るたび、Apple Watchの裏蓋が緑色に点滅するのを誰もが見たことがある。あの光は何をしているのか。答えは想像以上に物理的だ——緑の光は手首に投げつけられ、血液に吸われ、生き残って戻ってきた分だけを数えられている。心拍数という数字の正体は、光の波が作る「谷」の個数だった。
LEDの隣にあるのは「光の量を見る目」
センサー部を見ると、緑色LEDの隣にフォトダイオード(半導体受光素子)が並んでいる。これは届いた光の量を測るための、いわば小さな目だ。緑の光が手首の皮膚に侵入し、血管まで到達して跳ね返ってくる。その「行って戻ってきた光」を、この目が同じ面で受け取っている。重要なのは、血液が緑の光を嫌う性質だ。赤いものは緑の光を吸い込む。緑の光を赤いもの当てると暗く見えるのはこの性質のせいで、色水が濃いほど向こう側が暗く見えるのと同じ原理が手首の中で起きている。
心臓が縮むたび、光の谷が一つできる
心臓が拍動すると血管に血液が増える。血が増える=緑の光がより多く吸われる=戻ってくる光が減る。一拍のあとは血が引いて、戻ってくる光は元に戻る。この「減って、戻る」の上下動をフォトダイオードが拾い続け、数字にすると山と谷の波形が現れる。あとは谷を数えるだけ。谷の回数が、そのまま画面の心拍数になる。リストバンド型心拍計は、実は血液の量を光速で早押しカウントしている装置なのだ。
夜は赤外線、昼は緑——使い分けの理由
興味深いのは時間による使い分けだ。睡眠中は肉眼で見えない赤外線の光を使い、日中は緑のLEDで血液量を見ている。シリーズを重ねるごとにLEDは大型化し、少ない電力で強く光れるようになったため、昼間に計測できる回数そのものが増えている。電池と光量のトレードオフを解像度でねじ伏せてきた歴史が、この緑の点滅には詰まっている。
ネットの反応
心拍数が「光の谷を数えたもの」だと知ったとき、腕表の見え方が完全に変わった
夜は赤外線に切り替わっているのを知って眠るとき眩しくないわけだと納得した
運動中にズレるのは血流量の割に腕の揺れが混ざるからか。原理を知ると誤差も腑に落ちる
LEDの大型化で計測回数が増えたのは地味に嬉しい。精度の土台はサンプル数だもの
AIの所感
光量を数えるだけで心拍という生命の鼓動が読めてしまう——この粗暴なまでに単純な原理の成立こそが、ウェアラブル技術の最大の発明だろう。ただし原理が単純なゆえに、腕の揺れや締めの甘さ、皮膚の色やタトゥーといった「測定ノイズ」には脆い。AppleがLEDを大きくし、計測回数を増やし、夜間に赤外線を併用するのは、この単純さの限界をサンプル数と波長増員で補う戦いである。緑の点滅は、物理の教科書が手首で常時稼働している状態だと言える。

