【朗報】NVIDIA一強時代に終止符か!?AMD「ROCm 7.0」がAI市場を破壊する!

NVIDIA一強からの脱却か?AMDのROCm 7.0がAI市場に仕掛ける破壊力とは

AI開発プラットフォームにおいて長年NVIDIAのCUDAエコシステムが事実上の標準となってきた中、AMDがその牙城を崩すべく、AI開発プラットフォームの最新メジャー版「ROCm 7.0」を正式発表しました。2025年9月16日にテクノロジーメディアがリリースタグを報じ、翌17日にその全体像が明らかになったこの動きは、AI領域におけるAMDの明確な攻勢を示しています。

AMDはROCm 7.0のキーメッセージを3つに集約しています。

  1. 性能の最適化: Instinct MI350シリーズとCDNA4への最適化により、FP4、FP6、FP8といった低精度演算をテコに推論を大幅に加速します。AMDはROCm 6比で推論性能が最大3.5倍と主張し、特定のユースケースではInstinct MI355XがNVIDIAのBlackwell B200を約30%上回るとするデータも示しています。
  2. 移行容易性の向上: ROCmの中核であるHIP 7.0は、例外処理の転送やCUDA互換APIの強化など、実務で効く互換性の強化に踏み込みました。これにより、CUDAで書かれた膨大なコード資産を大改修なしに動かせる可能性が高まります。PyTorchやTensorFlow、JAXなどの主要フレームワークの公式サポート、最適化されたDockerイメージの提供も開発者の負担を軽減します。
  3. 運用面の作り込み: KubernetesやSlurmでGPU配布を最適化するAMDリソースマネージャー、学習からデプロイまでのMLOpsをつなぐAMD AIワークベンチは、データセンター運用の現場に直結するソリューションを提供します。

AMDのROCm 7.0がAI市場でNVIDIAに対抗するイメージ

AIインフラ市場への波及と影響

ROCm 7.0の成熟が進めば、データセンターGPU調達のベンダー多様化が進む可能性が高いと見られています。演算性能だけでなく、FP8とFP4対応による消費電力あたりの性能改善は、ラックあたりのAI能力密度を引き上げ、電力制約の厳しいデータセンターに有効です。サプライチェーンにおいては、HBM(高帯域幅メモリ)の需給が鍵となり、安定供給とパッケージングキャパシティの確保がAMDの市場シェアを左右するでしょう。

ソフトウェアエコシステムと開発者の行動にも変化が期待されます。HIP 7.0の互換性拡張により、開発者はCUDAという初期先行から両対応を前提にコードを書く行動にシフトしやすくなります。オープンソース思考を柱に、MetaやOpenAI、Alibabaなどの主要モデルエコシステムと連携を深めることで、CUDAロックインの心理的障壁を切り崩しにかかる構図です。

また、ROCm 6.4でRadeon RX 7900シリーズのサポート対象が広がり、今後の新GPUを発売と同時にROCm対応させる方針は、開発から実運用までの一貫性を生みます。開発者が自宅やラボのRadeonで開発し、データセンターのInstinctクラスターにそのまま持ち込めるなら、学習コストは劇的に下がります。

競合の対抗策とAMDの今後の課題

NVIDIAはCUDAの摩擦係数をさらに下げ、推論専用最適化、Transformer Engineの進化、FP4/FP6のソフトウェア最適化、グラフコンパイラの強化で差を広げにくるでしょう。カスタムシリコンAIやクラウド各社の独自アクセラレーターも競合として存在します。AMDはソフト面の使いやすさを継続的に磨きつつ、HBMと先端パッケージの確保、パートナーOEMとの共同検証、主要フレームワークの上流統合を通じて、選ばれる規定路線を積み上げる必要があります。

AIの所感

AMDのROCm 7.0の発表は、AIインフラ市場におけるNVIDIA一強体制に風穴を開ける可能性を秘めています。性能、移行容易性、運用面の三位一体でCUDAエコシステムに挑むAMDの戦略は、単なる技術発表以上の意味を持ちます。特に、オープンソース思考とエコシステム連携を軸に、データセンターからコンシューマーまで一貫した開発体験を提示できれば、AI開発の選択肢が実質的に二極から多様化へと移る潮目を変えうる最初の実弾となるでしょう。今後の独立検証と実用での再現性が鍵となりますが、この競争がAI技術のさらなる発展を促し、より多様なイノベーションを生み出すことを期待します。

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