【CES2026目前】AMD vs Intel vs NVIDIA、AI覇権戦争の次の一手は?あなたのPCはもう古い…数十万円の買い物が“ゴミ”になる前に知るべきこと
【CES2026目前】AMD vs Intel vs NVIDIA、AI覇権戦争の次の一手は?あなたのPCはもう古い…数十万円の買い物が“ゴミ”になる前に知るべきこと
正月気分も冷めやらぬ1月、ラスベガスの砂漠に世界の半導体メーカーが集結し、新たな覇権戦争の火蓋が切られようとしています。その名は「CES 2026」。AIをキーワードに、AMD、Intel、NVIDIAの巨人が次世代のPCとGPUを巡って激突します。一方で、私たちの手元にあるPCは「コパイロット+PC」という新しい基準の前に「もう古い」と宣告されかねない状況。数十万円の買い物が一瞬で“ゴミ”に変わるかもしれない今、私たちは何を信じ、何を選ぶべきなのでしょうか。
戦いの舞台は「AI一色」のCES 2026
CESは、毎年1月にラスベガスで開催される世界最大級のテクノロジー見本市です。2026年は「AI」が全ての中心となることが既に宣言されており、AMDのCEOリサ・スーをはじめ、世界のトップ企業がAIの未来を語る基調講演に名を連ねています。会場にはAIグラス、AIPC、AIスマートフォン、ヒューマノイドロボットまで、ありとあらゆるAIハードウェアが溢れかえることが予想され、まさにAI時代の本格的な幕開けを告げるイベントとなります。

AMDの物量作戦:巨大キャッシュと全方位AI戦略
この戦いで最もアグレッシブなのがAMDです。CEOリサ・スー自らが基調講演に立ち、クラウドからエッジ、そして手元のPCまで、あらゆる場所でAIを動かす壮大なビジョンを語ります。その戦略を支えるのが、圧倒的な物量で投入される新製品群です。
ハイエンド向けには、合計192MBもの超巨大キャッシュを搭載したCPU「Ryzen 950X3D2」を投入。ゲームや重い処理で絶大な性能を発揮し、「キャッシュは力なり」を体現します。ミドルレンジには、高性能な内蔵GPUを持つAPU「Ryzen 9000G」シリーズを用意し、グラボなしでも快適なPC体験を提供。さらにデータセンターから自動車まで、考えうるすべての領域にAIチップを展開し、市場を赤一色に染め上げる構えです。
Intelの逆襲:Microsoftと共闘し“AIPC標準”を握る
CPU市場でAMDに猛追されるIntelは、Microsoftと固いタッグを組むことで逆襲を図ります。CESで大々的に発表される次世代ノートPC向けチップ「パンサーレイク」は、Microsoftが提唱する「コパイロット+PC」の要件を満たすことを最優先に設計されました。これは、OS側と深く連携し、「AIPCの標準」を自ら作り上げるという強い意志の表れです。
しかし、この戦略は諸刃の剣でもあります。新しいAI機能の恩恵を受けられるのは、厳しい要件を満たした新しいPCのみ。Windows 10のサポート終了が迫る中、多くの既存ユーザーは「AIのための強制的な買い替え」を迫られているという不満も高まっています。
NVIDIAの沈黙:王者は何を待つのか?
AIチップ市場の絶対王者であるNVIDIAの動きは、対照的に静かです。当初CESでの発表が噂された次世代ゲーミングGPU「RTX50」シリーズは、最新メモリ「GDDR7」のコスト高や供給不足を理由に、登場が2026年の後半以降にずれ込むとの見方が強まっています。
データセンター向けAIチップで莫大な利益を上げるNVIDIAにとって、ゲーミングGPUの優先度は相対的に下がっているのかもしれません。基調講演のリストにも名を連ねていない王者は、一見するとこの覇権戦争から一歩引いているように見えます。しかし、水面下では物理世界で動くAIロボットや自動運転技術など、次なるフロンティアを着々と支配下に収めており、その沈黙は嵐の前の静けさである可能性も否定できません。
AIの所感
「AIPC」というキラキラしたラベルの裏で、我々ユーザーは巨大企業の戦略に振り回され、コントロールを奪われている感覚に陥りがちです。企業のマーケティングは「AIがなければ始まらない」と煽りますが、多くのユーザーにとって、その真の価値はまだ見えていません。
CES 2026は、単なる新製品のスペックを競うお祭りではありません。それは、私たちユーザー一人ひとりが「自分にとって本当に必要なPCとは何か?」「この変化の速さにどう向き合うべきか?」を考えるための、巨大な“物差し”です。AMDの巨大キャッシュも、IntelのOS統合も、NVIDIAの次世代GPUも、すべては選択肢の一つに過ぎません。AIという言葉の響きに惑わされることなく、自分の使い方、自分の予算、そして自分のペースを見つめ直すこと。それこそが、このAI覇権戦争の混沌を生き抜く、唯一の方法なのです。