【今週の自作PCニュース】簡易水冷がスマホ化?SwitchにWindows11移植!Intel/AMD次世代CPUロードマップ流出、デカすぎるキーボードなど最新情報満載
【今週の自作PCニュース】簡易水冷がスマホ化?SwitchにWindows11移植!Intel/AMD次世代CPUロードマップ流出、デカすぎるキーボードなど最新情報満載
AI技術の進化がPCパーツ市場を激しく動かす中、今週も自作PC業界から様々なニュースが飛び込んできました。MSIのグラフィックボード戦略の転換、海外でも話題となった日本のユニークなPCパーツ市場の動向、そして次世代CPUやマザーボードに関する詳細なリーク情報まで、最新の動向をまとめてご紹介します。
簡易水冷クーラーがまさかのスマホ化!?ハイト社から5インチディスプレイ搭載モデル登場
PCケースなどで有名なハイト社から、まるでスマートフォンを搭載したかのような5インチディスプレイ付き簡易水冷クーラーが発売されました。解像度720x1280、60HzのIPSディスプレイをポンプヘッド部分に搭載し、CPU温度などのシステム情報だけでなく、お気に入りの画像や動画も表示可能。さらに52mm厚のラジエーターとマグネット端子によるデイジーチェーン接続対応ファンにより、高い冷却性能と取り回しの良さを両立。価格は5.6万円と、ユニークな見た目だけでなく実用性も兼ね備えた製品として注目されています。
海外ガチ勢、Nintendo SwitchにWindows 11をぶち込むことに成功!
海外の改造コミュニティにおいて、Nintendo SwitchにWindows 11を動作させることに成功したとの報告がありました。しかし、その動作は「めちゃくちゃに遅く、全くもって実用レベルではない」とのこと。SwitchのSOC(NVIDIA製カスタムチップ)は、2012年頃のスマホに用いられたARMアーキテクチャのCPUとGTX 900番台相当のGPUを搭載しているため、現在のPC目線では「化石レベル」の性能。ゲーム開発者の最適化によって快適にゲームが遊べるSwitchですが、汎用OSを動かすには力不足であることを改めて示しました。

AMD最新情報:Ryzen 8000Fシリーズグローバル発売、Ryzen 9000シリーズ確定!次世代モバイルCPUも判明
- Ryzen 8700F & 8400Fがグローバル発売へ: 中国限定だったデスクトップ向けZen4 CPU「Ryzen 7 8700F」と「Ryzen 5 8400F」が、リーク情報によるとグローバルでも発売される見込みです。内蔵GPUを省くことでコストパフォーマンスを高めたAPUで、特に8400Fは期待できそうです。
- Ryzen 9000シリーズ確定: 次世代Ryzenが「Ryzen 9000シリーズ」となることが、GIGABYTEがリリースしたベータ版BIOSの説明からほぼ確定しました。Zen5アーキテクチャ採用のデスクトップ向け製品は、6月頭に開催されるComputex 2024での発表が期待されています。
- AM5ソケットのサーバー向けCPU「Epic 44」: AM5ソケット向けにサーバー向けCPU「Epic 44」が登場する可能性もリークされました。これは一般デスクトップ向けCPUのI/Oダイを転用し、ECCメモリに対応させたニッチな製品になると見られています。
- 次世代モバイルCPU「ストリクスポイント」「ストリクスヘロー」: 次世代モバイル向けZen5 CPUとして「ストリクスポイント」と「ストリクスヘロー」の詳細なリーク情報が出現。特に「ストリクスヘロー」はTSMC N4Xプロセス製造、RDNA3.5内蔵GPU、チップレット構造、16コアCPU、RTX 4060相当のGPU性能など、ノートPCとは思えない驚異的なハイスペックが期待されています。
IntelフラッグシップCPUの不具合問題、保証期間2年延長とBIOS改善で対応へ
IntelのフラッグシップCPUに発生している不具合問題は依然として継続しており、高音時の過剰な電圧や最小動作電圧の変動が原因であると指摘されています。PL(電力制限)無制限設定が問題の原因である可能性が高いとされており、Intelは対象CPUの製品保証を2年間延長すると発表しました。さらにASUSとGIGABYTEは電力設定を見直したベータBIOSを準備中であり、5月にはIntelから公式発表がある見込みです。不具合の有無を判定する方法として、NVIDIA GeForceドライバーのインストールを5〜10回行うというユニークな方法も紹介されています。
ASUS & MSI、裏コネクタマザーボードを発売開始!
ASUSの「Back to the Future」やMSIの「Project Zero」といった背面コネクタマザーボードが登場しました。コネクタやピンを全て基板の裏側に配置することで、PCケース内部の配線をすっきりさせ、見た目の美しさと配線作業の簡略化を実現する新しい試みです。対応ケースは必須となりますが、自作PCのビルド体験を大きく変える可能性を秘めています。
AMD AFMF2リリース:Radeonのフレーム生成技術が進化、遅延削減で実用性向上
Radeon RX 6000および7000シリーズGPUで使用できるフレーム生成技術「AFMF(AMD Fluid Motion Frames)」のバージョン2がリリースされました。最大の改善点は遅延の削減で、RX 7900 XTX使用時の4Kレイトレーシング環境において最大28%の遅延低減を実現。フォールバック機能の改善やパフォーマンスモードの新設、ボーダレスウィンドウへの対応など、多くの機能強化が施され、より実用的な技術へと進化しています。
今週のPCパーツ価格情報:NVIDIAグラボ、Intel/AMD CPUが値上がり傾向、円安も影響
主要PCパーツの価格は、NVIDIA系グラフィックボードが幅広く値上がり傾向にあり、特にRTX 4070 Ti SuperやRTX 4090の値上がりが顕著です。AMD系GPUの値動きは比較的穏やかですが、IntelおよびAMDのCPUはミドルレンジ以上で値上がり傾向が見られます。AMDのCPUは新製品発売直前ということも影響している可能性もありますが、円安の進行も相まって、自作PCユーザーには厳しい状況が続きそうです。
AIの所感
今週の自作PCニュースは、AI技術の進化がPCパーツ市場全体に大きな影響を与え、メーカーの戦略、製品ラインナップ、そしてユーザーの購買行動にまで変化を促していることを浮き彫りにしました。MSIのグラフィックボード戦略転換や、AMDの次世代CPUの進化は、AI需要がハードウェアの設計思想や供給構造を根底から変えつつあることを物語っています。Intelの不具合問題に見られるように、技術革新の裏には常に課題が伴いますが、裏コネクタマザーボードのような新たな試みも生まれ、自作PCの世界は常に進化を続けています。特に日本橋CPUガチャが海外で話題になったことは、日本のユニークな市場が持つ可能性と、自作PC文化のグローバルな広がりを示唆していると言えるでしょう。今後もAIの発展と共に、PCパーツ市場がどのように変貌していくのか、その動向から目が離せません。