酒呑ガジェット

〜静かな環境であなたに...こちらは音のでないコンテンツです。〜

【悲報】無料でWordそっくり、でも印刷でズレる…完成度60%のOfficeクローンに1400人が大激論のワケ

【悲報】無料でWordそっくり、でも印刷でズレる…完成度60%のOfficeクローンに1400人が大激論のワケ

見慣れたリボン、見慣れた表、見慣れたスライド。無料で触れるのに、操作の手つきは有料ソフトのままだとしたらどうだろう。文書と表計算とプレゼンをそっくり再現しようとする三つの無料ソフトが公開され、海外の投稿には1400件を超える声が集まった。コードも公開され、誰でも改修に参加できる開かれた作りだ。期待と不安が真っ二つに割れている理由は、画面の似せ具合ではなく、保存と印刷の後にやってくる。

主役は三兄弟だ。文書担当のワードクラフト、表計算担当のグリッドクラフト、プレゼン担当のデッククラフトである。いずれもOS本体の複製ではなく、WordとExcelとPowerPointの使い方をなぞる側の試みだ。公開画面にはリボン風の操作帯や集計表、棒グラフと円グラフ、スライド編集の仕組みが並ぶ。利用環境も広く、WindowsだけでなくmacOSやLinuxなどでも動く構成とされ、オフライン作業にも対応すると説明されている。使い慣れた文書作成の流れを別の環境へ広げようという狙いがにじむ。Microsoftの公式製品ではなく、公開された仕様や操作の観察から作るクリーンルーム方式を掲げる独立したプロジェクトだという点も押さえておきたい。

現状の到達点は作者自身が数字で区切っている。ワードクラフトとデッククラフトはまだアルファ版で、実務に置き換える準備は文書側が約60パーセント、プレゼン側が約55パーセントという自己評価だ。デッククラフトには機能項目のカバー率79パーセントという数字も出ている。項目を広く実装したことと、安定して仕事に使えることは別だという整理である。数字だけ見るともう少しに見えるが、現場の目線は厳しい。完成度6割とは、自分の使う機能がその6割に入っているかどうかで話が変わる。全部入りを求めているわけではないが、必要な1個だけは外せないという声が示す通りだ。

リボン風の操作画面と文書や表計算シートが並ぶ無料オフィス互換ソフトの作業イメージ

500超の関数とDOCX対応、でも本丸は保存し直した後

文書側はWordの文書形式であるDOCXの読み書きを掲げ、表やスタイル、変更履歴など文字入力以外の機能も実装する方針だ。表計算側はXLSXの読み書きや500以上の関数、ピボットテーブルなどを掲げる。関数の数や対応形式は開発側が示した実装の範囲であり、複雑なファイルがすべて同じ結果になるという保証とは別物だという点が今回の議論の要である。作者も課題を隠していない。実際のDOCXファイルでの検証、グラフやスマートアートを開いて保存し直した時の保持、ページ割りの調整、安定性やネイティブ印刷などが残っているとされる。

ファイルの受け渡しまで含めて比較するなら、開く、編集する、保存し直す、元のソフトで再び開くという流れが重要になる。途中の見た目だけでは最後の結果まで分からない。新規で作ったサンプルは綺麗でも、何年も使い回したファイルは違う。妙な書式が1個残っているだけで面倒なことになるという指摘は重い。自分だけで書いて終わる文章なら選択肢は増やせるが、相手から原稿を直して返す時は同じ見た目で返せるかが気になる。ボタンが似ていることより保存した後に罫線や段落がずれないことの方が大事だというのが現場の本音だ。印刷して初めて分かるずれは困る。見た目が似ていても刷り出てくる紙が同じとは限らない。そこを詰めるのは地味に大変な作業になる。

LibreOfficeがあるのになぜ盛り上がるのか、軽い人と重い人の温度差

無料の互換ソフトといえばLibreOfficeが何十年も前からある。それでも皆が有料ソフトを使い続けるのは代替がないからではない。毎日触っているボタンの場所まで似ているならちょっと見てしまう、覚え直しのコストがあるからだという声が核心を突く。普段の操作に似せるということは、普段と同じように動く期待も背負う。似ている分だけ違った時の引っかかりは大きいという指摘も鋭い。一方で、本家の全部を使っていない人には軽い選択肢が増えるのは歓迎だ。難しいファイルを扱わないなら気になるところも変わる。家計簿を作る、新しい見積もりを一から作るといった場面なら気楽に試せる。誰かに渡す見積書で計算や印刷範囲が変わったら困るといった場面では使うものを選ぶ。同じ無料でも使う場面で評価は割れる。

背景には有料ソフトへの疲れもある。サブスク化すると無料化に力を入れてくれる人々には頭が下がるという声や、巨大IT企業はやりすぎたという声が並ぶ。有料ソフトを作るためのAIが有料ソフトの代わりまで作り始めるのは皮肉だ、どこにお金が流れるか分からないという声も象徴的だ。マクロ互換を巡る悩みも深い。マクロ互換が問題で乗り換えられないパターンが多い、LinuxでExcelのVBAマクロが動くようになったらいい、対話で実行できるAIを付けてほしいといった要望が上がる。既存のものをまねるのではなく一から設計し直してほしいという声と、このプロジェクトが伸びるなら本家と同じくらい使える必要があるという声がぶつかるのも面白いところだ。独自の方向へ進めばいいという話でもないのがクローンの辛さである。

ネットの反応

WindowsOSのクローンかと思ったらOfficeのクローンか

Adobeの次はOfficeか

officeソフトが互換で完璧なら、Windowsを即やめる

完成度がどこまで上がるか楽しみ

マクロ互換が問題で乗り換えられないパターンが多いけどVBAでやるようなことを直接対話で実行できるAIくっつけてほしい

LinuxでExcel VBAマクロ動くようになったらええな

Officeソフトクローンの辛いところはVBAもだけど後方互換性を維持し続けるところじゃないかな

マクロがまともに使えないならLibreofficeでいいんだが定期

AIの所感

画面の再現は期待を生み、保存と印刷の再現は信頼を生む。今回の1400件の熱は、その二つの距離を皆が知っているからこそだと思う。60パーセントや55パーセントという数字は未完成の告白であると同時に、残りの40パーセントに何が入っているかを問う物差しでもある。自分の作業が終わるかどうかで選ぶという視点があれば、無料か有料かという二択ではなく、場面ごとに使い分ける三択目が見えてくる。互換性とは優しさではなく、相手のファイルに敬意を払う作法なのだと感じる。

-パソコン