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【朗報】Claude Code、10月14日に黙って速くなる…待ち時間4.07秒→1.33秒の鍵は34年前のgzip圧縮

【朗報】Claude Codeが10月14日に黙って速くなった…待ち時間4.07秒→1.33秒の鍵は34年前のgzip

AIコーディングツール「Claude Code」の更新履歴に、2026年10月14日、わずか1行の変更が静かに追加された。「api.anthropic.comへの大きなリクエストを、テレメトリが無効のときでもgzip圧縮するようにした」という記述だ。性能については一言も触れられていないが、第三者による実測では、指示を出してから最初の1文字が表示されるまでの待ち時間(p90)が、ローカル実行で2026年8月の4.07秒から10月には1.33秒まで改善したとされる。モデルそのものは1バイトも変わっておらず、変わったのは送り方の側だけだ。

まず数字を誤解なく読んでおきたい。4.07秒から1.33秒は平均ではなく「P90」という統計値で、10回中9回はこれより速いという基準だ。平均ならたまたまの遅延に数字が引っ張られるが、P90は現実の体感に寄せた測り方になる。もっと大事な読み方は、この待ち時間にモデルが考える時間が含まれていないことだ。つまり「AIが賢く考えている間」ではなく、書き始める前の支度だけで4秒近く使っていた計算になる。なお、8月から10月の改善は複数回の変更の積み上げであり、gzip単独で何秒縮んだのか、その内訳は公式も第三者も公表していない。数字の出所も分けて押さえる必要がある。秒数の表は第三者のまとめであり、公式の更新履歴は性能に一切触れていない。

その支度時間の正体は「運搬」だった。AIのAPIはステートレス、つまりサーバー側に会話の記憶がない。これは推測ではなく公式ドキュメントに明記された仕様で、過去のやり取りの全てをメッセージ配列として毎回送り直す設計になっている。例えるなら、1行書き足すたびに「今までの会話が全部書かれたノート1冊」を丸ごと宅配便で送っている状態だ。ノートには打った文章だけでなく、AIの返信、読ませたファイルの中身、ツールの出力、修正履歴まで全て入る。中でもファイルの中身は太るところで、一度読ませるとその後ずっと運び続けることになる。会話が長くなるほどノートは分厚くなり、返事の開始が遅くなり、入力文字数で請求される課金も膨らむ。遅さと料金の上昇が、同じ原因で一度に説明がつく構造だ。

圧縮袋に詰められて空気を抜かれる巨大なノートと、転送されるデータのイメージ

読まないのに丸ごと運ぶ、という矛盾

さらに妙なのは受信側の事情だ。数年前から存在するプロンプトキャッシュは、ノートの前半が前回と1文字も同じなら読み直さない、という仕組みでモデル側の「読む手間」を大きく省いてきた。読み直す必要がなかった部分は1/10の価格で計上され、コスト削減には寄与している。ただし公式ドキュメントには「キャッシュが当たっても、リクエストには完全な中身を毎回含めること」とある。同じかどうかを判定するには現物が必要で、判定のために丸ごと持ち込む必要があったのだ。空港の受け付けに但し書きが付き、持ち込んだ上で「中身は見ませんね」と言われる形だ。受け取った側が読まないのに運ぶ手間だけが減らされていなかった。つまり省けていたのは計算であり、残っていたのは運搬だった。

そこへ効いたのがgzipという技術だ。zipファイルを小さくするあの圧縮で、1992年10月31日に世に出た。34年前の道具が最新AIの待ち時間を縮めたことになる。誕生の経緯も渋い。当時普及していた圧縮方式に特許がついており、誰でも自由に使える代わりとして作られた。特許回避のために生まれた技術が、34年後のAIインフラで息を吹き返した。gzipは可逆圧縮で、解凍すれば元データに1バイトもかけずに完全に戻る。写真の圧縮のような品質低下とは別物で、布団の圧縮袋のようなものだ。中のノートは1文字も変わらない。小さくなるのは運んでいる間だけだ。会話のように同じ言い回しが繰り返されるデータは相性が良く、毎回の丸ごと転送との組み合わせで効果が大きい。一方で圧縮にも代金はあり、詰める作業に時間がかかる。今回は運搬側が圧倒的に遅かったため正味のもうけになったが、回線が極端に速い環境では元が取れない場合もある。圧縮率はデータの内容によって変わるため、公表されていない以上、何倍と断言しないのが誠実な読み方だ。

効かない3つの条件と、切るための環境変数

この圧縮は更新さえしていれば自動で有効になり、設定も料金も追加の手間はない。長いセッションほど効果が大きく、一言だけのやり取りでは差が出にくいという慎重な設計だ。ただし環境によっては効かない。条件は3つで、通信がプロキシを経由しているとき、クライアント証明書を設定しているとき、追加の証明書を読み込ませる環境変数を立てているとき。1つでも当てはまると圧縮は無効になる。この3つは、会社のネットワークで入れさせられるものばかりだ。会社の網には荷物を途中で開いて確認する仕組みがあって、空気を抜いた袋が検査に失敗したらリクエストそのものが壊れる。速さより確実さを選んだ安全側の判断と言えるが、圧縮の有無は画面に出ず、設定一覧にも並ばないため、自分が効いている側かどうかを確かめるのは結構手間だ。同じPC・同じ停止位置で何回か計測する以外に確実な判定方法はない。

一方で丸ごと切る手段も用意されている。新しい決断と違い、これは何も捨てていない改善だから、企業の選択肢も多いものではない。既存の「会話を要約して薄くする」方式とは全く別で、要約は不可逆つまり元の内容を捨てるが、gzipは捨てない。効果は似て見えても、片方は何も失わずもう一方は失っている。だから黙って全員に配ることができた。中身が変わる改善なら、まず設定で選ばせる必要があったはずだ。ローカル実行のP90が4.07秒から1.33秒に下がった裏には、クラウド実行では16.99秒から6.00秒という、体感を大きく超えた改善もあった。待つ側からすれば、数字の解釈よりも「待ったと感じなくなる境目」を超えた事実のほうが重要だ。

ネットの反応

チャットAIで出しの頃ログ見てビビったわ。まさか毎回全部送ってるとはねぇ

なんでgzip圧縮なんだろ?テキストならzstdやfsst、lz4でも良さげなんだが……。

今更かよw 昔は回線が遅かったし保存できるサイズもすくなかったから圧縮が生命線だったからな。今はぜいたくになったので後回しになってたんだろうなぁ

言うてキャッシュはしてるんやからID化してミスヒットで再送、でもええやんという気はするが

応答速度のほうで気が付くとか面白いわw 圧縮率はデータによって変わるのでそりゃ速度やサイズは確定できんな

4.07秒から1.33秒って、P90の数字なら体感はまじで違うはず

会社の環境だと効かない3条件に当たりやすいって、むしろ仕事で長時間使う人が利益を享受できないという皮肉

34年前の技術で最新の問題が解決するの、歴史って面白いな

モデルが1バイトも変わってないのにここまで変わるものなんだな

AIの所感

印象的なのは、モデルの性能を一切上げずに体感を大きく改善できたことだ。AIの進化というとモデルの賢さの物語に追いがちだが、実際の生産性は転送やメモリ管理といった地味な階層の積み重ねで大きく変わる。回線が速くなったせいで省かれていた圧縮が、巨大なセッションデータの時代には再び生命線になったという歴史のたどり方も皮肉が効いている。職場のネットワーク環境では「いつのまにか無効になっている」かもしれない点は、開発現場で意外に大きく響くはずだ。地味な階層の最適化はニュースにはならないが体感を一番変える。この一件は、2026年秋の最も参考になったtipsとして残るだろう。

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