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【悲報】ソニーさん、テンセントを訴えるも「お前が言うな」とブーメランを食らう

【悲報】ソニーさん、テンセントを訴えるも「お前が言うな」とブーメランを食らう

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、中国の巨大IT企業テンセントを相手取り訴訟に踏み切ったことが明らかになりました。これはゲーム業界における知的財産、いわゆるIPを巡る極めて重大な動きと言えるでしょう。訴訟の争点となっているのは、テンセント傘下のデベロッパーが開発する新作ゲーム「ライト・オブ・モティラム」です。このゲームがSIEの看板タイトルの1つである「ホライゾン」シリーズの著作権および商標権を侵害しているというのがSIE側の主張です。

ソニーとテンセントの訴訟イメージ

「ホライゾン」酷似の新作ゲーム

「ホライゾン」シリーズといえば、文明が崩壊した世界を舞台に機械の獣を狩るという独特な設定で世界的な人気を博したアクションRPG。SIEにとっては非常に重要な自社IPです。実際に「ライト・オブ・モティラム」の映像を見ると、機械が闊歩する自然豊かなオープンワールドという世界観やコンセプトが「ホライゾン」に酷似していることは否定できません。大手企業が自社のIPを守るために、模倣品と見られる作品に対して法的措置を取るのは当然の権利行使です。多くのゲームファンがこのSIEの断固たる姿勢を支持するだろうと予想されました。

ネット上の意外な反応

しかし、このニュースが報じられると、ネット上では意外な反応が広がりました。もちろん「よくやった。徹底的にやるべきだ」といったSIEを支持する声も多数あります。ですが、それと同時に「これはブーメランになるのでは」「お前が言うな」といった冷ややかな意見や、さらには問題となっている「ライト・オブ・モティラム」の方に期待を寄せるような声まで数多く見られるのです。なぜ自社のIPを守るという正当なはずの行動が、一部のユーザーから批判的な目で見られてしまうのでしょうか?そしてなぜ、オリジナルのファンであるはずのゲーマーの中から、模倣された側の作品を応援するかのような声が上がるのでしょうか?

賛否両論の背景にあるもの

まずは今回のSIEの訴訟を支持する声や、問題となっているゲームへの期待が入り混じった意見から見ていきましょう。

パクリ中華は1回分からした方が良い。

パクリはあかんけど、ホライゾンのポリコレな芝番が楽しそうやん。

主人公が可愛い方を俺たちのホライゾンと認めればよい。

これらのコメントからは、模倣とされる行為には毅然と対応すべきだという意見がある一方で、オリジナルである「ホライゾン」への不満を背景に、たとえ模倣品であってもポリコレ要素がないなら、キャラクターが可愛いならそちらを支持するという複雑なユーザー心理も見て取れます。

また、今回の訴訟に対しては懐疑的な見方や、SIEの姿勢そのものを問う厳しい意見も目立ちます。

これがお前が言うな案件か。これが通るったら次は自分自身が保先になると分かってやってるんだろうか。

アーロイまで寄せてんのかい?

システム面から着想を得るとかなら分かるんだけどね。間違い探しさせるレベルで見せるからアウトになるのよな。他社IPののり感がすごいのよ。

これらのコメントからは、今回の提訴がゲーム業界全体に与える影響や、SIEの過去の振る舞いを踏まえた上での「ブーメラン」を懸念する声が上がっていることが分かります。また、インスパイアの域を明らかに超えた模倣への批判の声が向けられていました。

ゲーム業界の歴史とユーザーの不満

ではなぜこのような賛否両論が巻き起こるのでしょうか?考察の鍵はコメントにもあった「お前が言うな」という感覚と、オリジナル作品に対する一部ユーザーの不満にあります。

まず、今回の「ライト・オブ・モティラム」は単なるアイデアの借用、つまりインスパイアのレベルを超えていると多くの人が感じています。「間違い探しレベル」と表されるほど、世界観、機械のデザイン、そして一部では主人公の雰囲気までが「ホライゾン」に酷似していると指摘されています。これが単なる模倣ではなく、「のっかり」、つまり他社の人気IPに意図的に便乗しようとしているという強い批判につながっています。この点において、SIEの提訴は正当だと考えるユーザーが多数派でしょう。

しかし、同時にお前が言うなという声が上がる背景には、ゲーム業界における創造と模倣の歴史が関係しています。あるヒット作のシステムやアイデアが後の多くの作品に影響を与え、一つのジャンルとして定着していくのは、ゲームの発展において繰り返されてきた光景です。SIE自身も他社の成功例に影響を受けたであろう作品を数多く世に送り出しています。そのため、一部のユーザーは今回の提訴をダブルスタンダードではないかと感じ、この訴訟が認められれば自社も危くなるのではないかという皮肉を込めた視線を向けているのです。

そしてもう一つ、より根深い問題がオリジナルである「ホライゾン」シリーズに向けられた一部の不満です。コメントにあった「ポリコレな芝番が楽しそう」「主人公が可愛い方を」という声は非常に象徴的です。これは近年の「ホライゾン」シリーズ、特に主人公アーロイのデザインや物語の方向性に対して好ましく思わないユーザー層が一定数存在することを示唆しています。彼らにとっては、たとえそれが模倣品であったとしても、自分たちの嗜好にあったキャラクターや世界観を提供してくれるのであれば、むしろ歓迎するというわけです。IPの正当性よりも個人の好みを優先するユーザー心理が、この奇妙なねじれ現象を生み出していると言えるでしょう。

今回の訴訟は単なる企業間のIP紛争に止まらず、ゲーム開発における創造性の境界線、そして作り手と受け手であるユーザーとの間に存在する、時に複雑で時に相容れない価値観の違いを浮き彫りにした事件と言えそうです。

AIの所感

ソニーがテンセントを訴えた今回の件は、単なる著作権侵害の問題に留まらず、ゲーム業界の複雑な現状とユーザー心理の多様性を浮き彫りにしている。模倣の是非は当然問われるべきだが、ユーザーが模倣された側の作品に期待を寄せる背景には、オリジナル作品への不満や、特定の表現への忌避感があることが示唆される。これは、ゲーム開発者がユーザーの多様なニーズをいかに捉え、応えていくかという、より本質的な問いを投げかけていると言えるだろう。IP保護の重要性は揺るがないが、ユーザーの支持を得るためには、単に権利を主張するだけでなく、作品そのものの魅力や、ユーザーが求める体験を提供し続けることが不可欠である。今回の騒動は、ゲーム業界全体が、創造性、多様性、そしてユーザーとの関係性について深く考えるきっかけとなるだろう。

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