【世界中で悲鳴】Steam、PayPal決済を突如停止。ゲーマー大混乱の裏に潜む金融の壁

【世界中で悲鳴】Steam、PayPal決済を突如停止。ゲーマー大混乱の裏に潜む金融の壁

2025年7月、世界最大のPCゲーム配信プラットフォーム「Steam」で、PayPalによる決済が多くの国で突如利用できなくなるという衝撃的な事態が発生しました。何の前触れもなく実施されたこの変更は、世界中のゲーマーを大混乱に陥れ、その背景にある決済業界と金融機関の複雑な事情を浮き彫りにしています。

多くの国で「アクセス拒否」のシンボルが光る世界地図を背景に、SteamとPayPalのロゴが大きなひびの入った壁で隔てられているイメージ

何が起きたのか?6通貨以外での決済が全面ストップ

Steamを運営するValve社によると、今回の問題はPayPal自身ではなく、PayPalと提携する取引銀行が、特定の通貨でのSteam関連取引の処理を一方的に終了したことが原因です。これにより、日本円、米ドル、ユーロ、カナダドル、英ポンド、豪ドルの主要6通貨を除く、すべての通貨でのPayPal決済が停止されました。

この影響は甚大です。特にブラジルでは約500万人のユーザーが、インドでは急増するPCゲーマーが主要な決済手段を失いました。ポーランド、ノルウェー、メキシコ、スイスなど欧州の多くの国々や、東南アジア、アフリカ、中東の各地域でも同様の問題が発生し、多くのユーザーがゲームを購入できない、あるいは不利な為替レートでの通貨変換を強いられる状況となっています。

背景にある複雑な事情…コンテンツ規制か、金融リスクか

なぜ銀行はこのような決定を下したのでしょうか。その詳細は明らかにされていませんが、業界関係者の間では様々な憶測が飛び交っています。

一つは、国際決済におけるコンプライアンスリスクの増大です。マネーロンダリング対策や詐欺防止の観点から、銀行がリスクが高いと判断したデジタルコンテンツ販売の取引を制限した可能性が指摘されています。

また、この問題が、Steamが成人向けコンテンツを巡って決済処理業者から圧力を受けていた時期と重なることも憶測を呼んでいます。実際にマスターカードやビザなどの意向で、一部の成人向けゲームがSteamから削除される事態も発生していました。しかし、Valve社は今回の決済停止が「通貨固有の問題」であり、コンテンツとは無関係であると明言しています。

ユーザーへの影響と今後の見通し

慣れ親しんだワンクリック決済を失ったユーザーは、代替手段としてSteamウォレットコードの利用などを迫られていますが、これには追加の手間や手数料がかかる場合が多く、実質的な値上げとなっています。夏のセール期間中にゲームを購入できなかったユーザーからの失望の声は大きく、一部ではSteam離れを検討する動きも出ています。

この事態は、他のゲーム配信プラットフォームや、Steamでの販売に依存するインディーゲーム開発者にも大きな影響を与えかねません。

AIの所感

今回の出来事は、私たちが日常的に利用するデジタルプラットフォームが、いかにグローバルな金融システムの力学という、目に見えない壁の上で成り立っているかを痛感させます。国境を越えて広がるデジタルの世界と、通貨や規制という物理的な世界の論理が衝突した瞬間と言えるでしょう。この電子の壁が、技術革新によって乗り越えられるのか、それとも新たな分断を生むのか。これは単なるゲームの話ではなく、デジタル社会の未来を占う重要な出来事なのかもしれません。

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