
【悲報】HDD、SSDが爆上げ!AI需要でストレージ価格高騰、消費者パニック「GPUだけじゃない」その裏に隠された驚愕の真実
【悲報】HDD、SSDが爆上げ!AI需要でストレージ価格高騰、消費者パニック「GPUだけじゃない」その裏に隠された驚愕の真実
2025年9月、世界のストレージ業界に激震が走りました。長年価格下落が続いてきたハードディスクが突如として値上げラッシュに突入したのです。ウエスタンデジタル、サンディスク、マイクロンなど業界大手が相次いで価格改定を発表。その背景には、生成AIの爆発的普及によるデータセンターのストレージ需要増大という新たな巨人の存在がありました。
AI巨人の底なしの食欲
ChatGPTやGeminiなど生成AIの爆発的普及により、データセンターは前例のない規模でストレージを求めています。かつて1年に数%ずつ下がっていたハードディスク価格が、今や10%から30%もの値上げに転じる異常事態です。私たちの生活を支えるデータの保管庫が、AIの食欲により枯渇しつつあります。
オラクルは2025年9月の決算発表で、クラウドインフラ収益が2026年度に77%成長し180億ドルに達すると予測。さらに2030年までには1440億ドルという天文学的数字を掲げました。同社のサフラ・キャッツ氏はある顧客から世界中の未使用容量全てを求められたと明かしています。この顧客の正体は明らかにされていませんが、業界関係者の間ではOpenAIやMetaなどの名前が囁かれています。
GoogleやMeta、OpenAI、XAIなどAI大手もデータセンターへの投資を加速させています。特に注目すべきは、これらの企業がもはや従来のクラウドプロバイダーだけでは満足せず、独自のインフラ構築に乗り出している点です。OpenAIとMicrosoftが発表したスターゲートプロジェクトは、テキサス州アビリンに1GBW規模のデータセンターを建設する計画で、投資額は数億ドルに上ります。
これらの企業はAIモデルの訓練と推論に必要な膨大なデータを保管するため、大容量ハードディスクを買い占めています。特に20TB以上のニアラインハードディスクは、2024年だけで出荷量が42%増加。2025年第1四半期にはさらに17%の増加を記録しました。AIモデル1つの学習に数百ペタバイトのデータが必要となる現在、ハードディスクは文字通りAIの胃袋となっています。
供給危機の真層と価格高騰の実態
ウエスタンデジタルが2025年9月12日に顧客に送った書簡には衝撃的な内容が記されていました。「前例のない需要により全容量で供給不足が発生。海運への切り替えで納期が6週間から10週間延長。」同社のスコット・デイビス氏は「AIの時代はデータによって動き、ハードディスクがそのデータを安全かつアクセス可能に保つ」と強調しました。
業界関係者によると、ハードディスクの納期は現在約1年にまで伸びており、これは過去最長の水準です。トレンドフォースの報告では、特定の高容量モデルでは納期が3ヶ月から6ヶ月、場合によっては1年待ちという状況が発生しています。この異常事態の背景には複数の要因が絡み合っています。シーゲートとウエスタンデジタルの2社で世界シェアの83%を占める寡占市場において、急激な需要増に対応できる余力はありません。新規工場の建設には数年の時間と数千億円の投資が必要で、短期的な解決策にはなりません。
さらに深刻なのは、製造に必要な希少金属や精密部品の確保も困難になっている点です。ハードディスクの磁気ヘッドに使用されるルテニウムやプラチナなどの希少金属は供給が限られています。また、高精度のガラス基盤やヘリウムを封入するための特殊な密閉技術も簡単には増産できません。台湾の地震など自然災害も供給網を直撃し、さらに困難になっています。
環境対応という新たな課題も浮上しました。ウエスタンデジタルは持続可能性への取り組みとして航空輸送から海上輸送への切り替えを発表。これにより二酸化炭素排出量は大幅に削減されますが、輸送時間は6週間から10週間延長されます。顧客は発注計画の大幅な見直しを迫られています。
業界関係者によると、2024年第2四半期には実際に5%から10%の値上げが実施され、その後も段階的な価格上昇が続いています。2025年に入ってからも価格上昇は止まらず、平均販売価格は第1四半期だけで8.4%上昇しました。ウエスタンデジタルの段階的な値上げを継続するという発表を受け、今後さらなる価格上昇が避けられない状況となっています。特にSAS接続のエンタープライズハードディスクは、2024年9月から2025年3月の間に18%の価格上昇を記録。1GBあたり0.041ドルから0.049ドルへと跳ね上がりました。
消費者への衝撃波と技術革新の光明
この値上げの波は一般消費者にも容赦なく押し寄せます。日本国内ではIOデータが2024年9月に値上げを発表。ポータブルハードディスクで最大19%、USBメモリに至っては最大56%という大幅な価格改定となりました。外付けハードディスクも軒並み価格が上昇し、特に人気の高い2TBから8TBモデルは品薄状態となっています。バッファローも同様の措置を取り、2024年9月4日に価格改定を発表。同社は為替変動と現在の高騰を理由に挙げていますが、背景にはやはりAI需要による市場の逼迫があります。
店頭価格はすでに上昇を始めており、秋葉原の主要店舗では3ヶ月前と比較して15%から25%の値上がりが確認されています。さらに深刻なのは在庫切れの頻発です。人気の4TB、8TBモデルは入手困難な状況が続きます。特に信頼性の高いウエスタンデジタルのWD RedシリーズやSeagateのIronWolfシリーズは、入荷してもすぐに売り切れる状態です。一部の店舗では購入数量制限も実施されており、まとめ買いができない状況になっています。
クラウドストレージへの移行を検討する消費者も増えていますが、皮肉なことにクラウドサービスもAI需要で逼迫。GoogleドライブやOneDrive、iCloudの料金プランも見直しの動きが出ています。特に大容量プランでは年間契約でも10%から15%の値上げが検討されているという情報もあります。PCの買い替えを検討している人にとっても、ストレージ容量の選択が重要な決断となりました。従来なら迷わず大容量モデルを選んでいた層も、価格差を見て躊躇するケースが増えています。512GBのSSDと2TBのハードディスクの組み合わせから1TBのSSDのみと構成を変更する動きも見られます。写真や動画を大量に保存するクリエイターやゲームを多数インストールするゲーマーにとっては特に深刻な問題となっています。4K8K動画の普及により必要なストレージ容量は年々増加しているにも関わらず、価格上昇により拡張が困難になっています。外付けハードディスクの追加購入を先送りする人も多く、データ管理の見直しを迫られています。
しかし、暗雲立ち込める市場にもわずかな光明は見えています。SeagateはHAMR技術により32TBドライブの量産を開始。2025年内には36TBモデルの投入も予定しています。ウエスタンデジタルも同様容量のePMRドライブで対抗し、技術競争は激化しています。これらの新技術により、1TBあたりの単価は2025年半ばに0.01ドルまで下がる可能性があるといいます。ただし、これは企業向け大容量モデルの話です。消費者向けの中小容量ハードディスクはむしろ生産縮小により価格上昇圧力が強まっています。メーカー各社は利益率の高い大容量モデルに生産をシフトしており、4TB以下のモデルは生産ラインから姿を消しつつあります。この傾向は2026年にかけてさらに加速すると予想されます。
SSDとの競争も新たな局面を迎えました。1TB以下の領域ではSSDが価格でもハードディスクに迫りつつあります。特に省電力性能を考慮した総所有コストでは、すでにSSDが優位に立っているケースも多いです。最新の調査によると、SSDはハードディスク比で70%の省電力を実現しており、ビジネス用途では電力消費量の差が年間5000円以上のコスト差を生むという報告もあります。しかし、大容量領域では依然としてハードディスクが圧倒的優位を保ちます。10TB以上のSSDは依然として高額で、同量のハードディスクの3倍から5倍の価格差があります。この価格差は2026年までに3倍程度まで縮小すると予想されていますが、それでもハードディスクの優位は揺らぎません。
この二極化が進む中、メーカー各社は生産の最適化を模索しています。メーカー各社の収益の柱は16TB超のマスキャパシティ・ニアラインHDDへと明確にシフトしています。Seagateではマスキャパシティ系が売上の約9割を占め、低容量帯の更新ペースは相対的に鈍化しています。新技術の導入も進んでおり、東芝は30TB以上の次世代磁気記録技術の開発を進めており、2026年には製品化の見込みです。また、マイクロ波アシスト磁気記録やヒートアシスト磁気記録など、さらなる高密度化技術の研究も活発化しています。2030年代には200TBを超えるハードディスクも実現可能とされており、技術革新のペースは加速しています。
AIの所感
今回のHDD・SSD価格高騰は、AI技術の急速な発展がもたらす社会的な影響の一端を鮮明に示しています。データは現代社会の石油とも称されますが、AIはそのデータを文字通り「食い尽くす」存在となり、物理的なストレージ資源の枯渇と価格高騰を引き起こしています。これは単なる経済的な問題に留まらず、私たちのデジタルライフ、ひいては情報社会全体の持続可能性に警鐘を鳴らすものです。無限と思われたデジタル空間にも物理的な限界があることを突きつけられ、私たちはデータの保存と利用について、より賢明な選択を迫られることになるでしょう。技術革新による大容量化の光明は見えつつも、消費者レベルでのストレージ戦略の見直しは避けられない課題となりそうです。