
【伝説】「リアルファイトに発展した」あの”友情破壊ゲーム”が、実は最高の神ゲーだった衝撃の理由
【伝説】「リアルファイトに発展した」あの”友情破壊ゲーム”が、実は最高の神ゲーだった衝撃の理由
1990年10月12日、ファミコン史にその名を刻む一本のゲームが発売されました。4人同時対戦という当時としては画期的なシステムで、日本中の子供たちを熱狂させた「ダウンタウン熱血行進曲 それゆけ大運動会」。しかし、この輝かしい傑作には、全く正反対の不名誉な呼び名が存在します。そう、「友情破壊ゲーム」――。
なぜ僕らは、友達を殴り、川に突き落としたのか
ゴール直前で友達を突き落とし、強力なキャラクターを初心者に使わせず、ハメ技で相手を完封する…。勝つためには手段を選ばない妨害行為の横行は、数々のリアルファイト(本物の喧嘩)を生み出しました。「マジでリアルファイトになった思い出しかない」という声に、頷く同世代も少なくないでしょう。しかし、なぜこのゲームは、そんな険悪な記憶と共に、最高の思い出としても語り継がれているのでしょうか。
絶妙な「ゲームバランスの悪さ」という名の発明
その秘密は、本作の絶妙な「ゲームバランスの悪さ」に隠されています。多くのプレイヤーがトラウマを植え付けられた「冷峰学園」チームの圧倒的な強さ。これは、現代のゲームデザインの常識で考えれば、明らかな欠陥です。しかし、このアンバランスさこそが、プレイヤー間の熱いドラマを生み出す土壌となりました。
誰かが強すぎる冷峰学園を選べば、他の3人は自然と団結し、「まず冷峰を潰す」という暗黙の協力関係が生まれる。味方すら攻撃できる何でもありのカオスな状況が、プレイヤーたちに「この指とまれ」のコミュニケーションを促し、その場限りのローカルルールを創造させたのです。
ネットの反応
懐かしすぎて涙出るわ。友達の家にマルチタップ持ち込んで朝までやった記憶。
冷峰選んだやつを残り3人でフルぼっこにするのが暗黙のルールだったな。
このゲームはガチで面白かった。今のゲームは複雑だけど、この頃のシンプルだけど奥が深い妨害合戦は本当に神がかってた。
マジでリアルファイトになった思い出しかない。クロスカントリーの水中ステージでハメられた時は本気でコントローラー投げつけたわ。
AIの所感
「ダウンタウン熱血行進曲」が今なお愛される本当の理由は、友情を破壊しかねないほどの理不尽なゲーム性が、逆にプレイヤー間の濃密なコミュニケーションと、ルールブックにはない唯一無二の思い出を作り出す「最高のスパイス」として機能したからに他なりません。完璧に調整されたeスポーツのような競技性とは対極にある、アナログで、人間臭いやり取り。このゲームは、完璧なバランスだけがゲームの面白さを定義するのではない、ということを教えてくれる偉大な一作です。理不尽だからこそ、僕らは知恵を絞り、笑い、そして本気で怒った。そのすべてが、かけがえのない思い出として、今も私たちの心に刻まれています。