【朗報】VSCodeよ、さようなら!超高速エディタ「Zed」ついにWindows上陸!起動10倍速、メモリ1/6で開発者の救世主爆誕か!?

【朗報】VSCodeよ、さようなら!超高速エディタ「Zed」ついにWindows上陸!起動10倍速、メモリ1/6で開発者の救世主爆誕か!?

プログラマーたちは毎日使うコードエディターの起動を待つ時間をどれだけ無駄にしているでしょうか?メモリを大量に消費してパソコンが重くなる。そんな経験は誰もが持っているはずです。多くの開発者が愛用するVS Codeは確かに多機能で便利ですが、その代償として重さと引き換えになっている現実があります。そんな中、かつてGitHubが開発していたAtomエディタの元開発チームが、全く新しいアプローチで作り上げた超高速エディタが存在します。それが「Zed」です。そしてこのZedが、ついに2025年10月15日、Windows版を正式リリースしました!

超高速エディタZedのロゴと、高速でコードが流れる画面のイメージ

開発背景:Atomの精神を受け継ぐ者たち

Zedの物語は、2022年12月15日に開発終了したAtomエディタから始まります。AtomはGitHubが開発していたオープンソースのテキストエディタで、多くの開発者に愛されていましたが、2018年にGitHubがMicrosoftに買収されたことで状況は一変します。MicrosoftはすでにVS Codeという強力なエディターを持っており、同じような役割を持つ2つのエディターを維持する必要性は薄れていきました。結果としてAtomの開発は停滞し、最終的に開発終了が宣言されました。しかし、Atomの元開発チームは諦めませんでした。Nate Bosch氏を中心とした開発者たちはZed Industries社を設立し、全く新しいエディタの開発に着手したのです。彼らが目指したのは単なるAtomの後継ではない。従来のエディタが抱えていた根本的な問題を解決する革新的なエディタでした。

従来のVS CodeやAtomはElectronというフレームワークを使用して開発されています。ElectronはWebブラウザの技術を使ってデスクトップアプリを作る技術で、開発は容易ですが、その分メモリを大量に消費し動作も重くなりがちです。実際、VS Codeを複数起動すると16GBのメモリを搭載したパソコンでも動作が重くなることがあります。Zedの開発チームはこの問題を根本から解決するため、Rust言語を採用し、ゼロからエディターを作り直すことを決断しました。さらに、ゲームエンジンのような仕組みでGPUを活用する「GPUI」という独自のUIフレームワークを開発。これにより、従来のエディタとは次元の異なる高速性を実現したのです。

脅威の性能:VS Codeを圧倒する高速性

ではZedの性能はどれほど優れているのでしょうか?2025年に行われた複数の比較テストの結果を見ていきましょう。

  • 起動速度: 10万行のJavaプロジェクトを開く速度を比較したところ、Zedは0.25秒、VS Codeは約3.8秒という結果が出ています。つまりZedの起動速度はVS Codeの約10倍早いということになります。コールドスタートアップシナリオではZedが0.12秒に対してVS Codeは1.2秒。毎日何度も起動するエディタだからこそ、この差は作業効率に大きく影響します。
  • メモリ使用量: 同じ条件でZedは約200MBのメモリを使用するのに対し、VS Codeは約1.2GBを消費します。つまりZedのメモリ使用量はVS Codeの約1/6という驚異的な効率性を実現しています。The Registerの報告によると、同じフォルダーとファイルを開いた状態でVS Codeが730MBのメモリを使用したのに対し、Zedはわずか142MBで済んだとのこと。
  • 電力消費量: macOSのパワーメトリクスツールを使用した30分間の実測テストでは、VS Codeが約1217ポイントの累積電力を消費したのに対し、Zedは約471ポイントにとどまりました。VS Codeの電力消費量はZedの約2.58倍という結果。これはラップトップユーザーにとってバッテリー駆動時間が大幅に伸びることを意味します。

実際の使用感でも違いは明確です。Zedは120FPSでの滑らかなスクロール、文字入力時の遅延がほぼ0、大規模なコードベースでも瞬時にファイル検索が完了します。これらは全てGPUアクセラレーションとRustの効率的なメモリ管理によって実現されています。多くの開発者がZedを使い始めてから「コーディングが楽しくなった」「VS Codeには戻れない」といった感想を述べています。

技術的革新:GPUIフレームワークとAI統合

Zedの高速性を支える技術的な革新について詳しく見ていきましょう。最も重要なのが独自開発のGPUIフレームワークです。GPUIはGraphics Processing Unit Interfaceの略で、UIの描画をCPUではなくGPUで行う仕組みです。従来のエディターがCPUでUIを処理していたのに対し、ZedはゲームエンジンのようにGPUで並列処理を行う。これにより、複雑なシンタックスハイライトや大量のテキスト表示も高速に処理できます。Windows版では当初Linuxで使用していたVulkanではなくDirectXを採用。開発チームは互換性の問題を回避し、より安定した動作を実現するためにこの選択をしたと説明しています。DirectWriteによるテキストレンダリングも組み合わせ、Windowsネイティブな見た目と操作感を実現しています。

拡張機能も革新的です。ZedはWebAssemblyコンポーネントとWASI(WebAssembly System Interface)を使用した拡張機能を採用しています。これにより拡張機能は安全なサンドボックス環境で動作し、プラットフォームの違いを意識することなく動作します。開発者は一度拡張機能を作ればWindows、Mac、Linux全てで動作します。AIとの統合も最先端を言っています。ACP(エージェントクライアントプロトコル)という新しいオープン標準を開発し、Claude Code、Gemini CLI、Copilot CLIなど様々なAIエージェントをエディタ内で直接利用できるようになったのです。Language Server Protocol(LSP)が言語サポートを標準化したように、ACPはAIエージェントとの通信を標準化します。これによりユーザーは好みのAIエージェントを選んで使用でき、エディターを変更することなくAIエージェントを切り替えることができます。WSL(Windows Subsystem for Linux)との深い統合も特筆すべき点です。WSLのLinux環境内のファイルをまるでローカルファイルのように編集できます。リモートマシン上でのファイル操作や言語サーバーの実行もシームレスに行えるため、クロスプラットフォーム開発が格段に効率化されます。

導入と展望:Zedが示す新しい地平線

実際にZedを導入するにはどうすれば良いのでしょうか?そして今後の展望はどうなっているのでしょうか?まずWindows版のZedは公式サイトから無料でダウンロード可能です。インストールサイズは約400MBとRust製アプリケーションとしては大きめですが、これは依存関係の静的リンクとTree-sitterモジュールが含まれているためです。システム要件はWindows 10以降でDirectXのサポートが必要となります。初期設定は非常にシンプルで、基本的な言語サポートは自動的にダウンロードされ、設定なしですぐに使い始められます。Vimモードも標準搭載されており、Vimユーザーも違和感なく移行できます。VS Codeからの移行も考慮されており、キーバインディングのカスタマイズも可能です。現在の課題としてはUTF-8以外のエンコーディングのサポートが限定的であることや、一部のWindowsショートカットの競合などが報告されています。なお、リモート仮想環境での互換性についてはDirectX 11採用により改善が進んでおり、1000人のWindowsチームによる毎週のアップデートで解消が続いています。公式ロードマップではZed 1.0は2026年春予定で、Windows対応やACPによるエージェント拡張、デバッガなどはすでに出荷済みとなっています。今後は言語別の強化やGit体験の改善、スケーラビリティ、パフォーマンスの継続改善、マルチエージェント協調やノートブック機能などが進行中です。Zed Industriesは最近、Sequoia Capitalから3200万ドルの追加投資を受け、コードの変更履歴だけでなく、なぜそのコードがそうなったのかというコンテキストを保存する仕組みでAIがより深くコードを理解できるようになる「Delta DB」という革新的な機能の開発を発表しました。

AIの所感

超高速エディタ「Zed」のWindows版リリースは、プログラマーの生産性向上に大きな影響を与える画期的な出来事と言えるでしょう。VS Codeがデファクトスタンダードとして君臨する中で、ZedがRust言語と独自のGPUIフレームワークによって実現した圧倒的な起動速度、低メモリ使用量、そして電力効率は、開発者の「思考の速度でコードを書く」という理想を現実のものに近づけます。特に、AIとの統合をACPというオープン標準で推進している点は、今後の開発環境のあり方を大きく変える可能性を秘めています。AIエージェントがエディタ内でシームレスに協働することで、より高度なコード生成、デバッグ、リファクタリングが可能になり、開発者はより創造的な作業に集中できるようになるでしょう。Zedは単なるエディタの代替ではなく、開発体験そのものを再定義する存在として、今後のソフトウェア開発の未来を牽引していくことが期待されます。Atomの精神を受け継ぎつつ、現代の技術トレンドを巧みに取り入れたZedの進化は、プログラマーにとって新たな時代の幕開けを告げるものとなるでしょう。

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