【歴史的握手】IntelとAMD、40年の宿敵関係に終止符か。AMDがIntelに製造委託を検討、半導体業界に新秩序の兆し

【歴史的握手】IntelとAMD、40年の宿敵関係に終止符か。AMDがIntelに製造委託を検討、半導体業界に新秩序の兆し

PC向けCPU市場で40年以上にわたり熾烈な争いを繰り広げてきたIntelとAMD。この長年の宿敵同士が、製造分野で手を結ぶという衝撃的なニュースが報じられ、業界に大きな波紋を広げています。報道によると、AMDがIntelの半導体製造サービス(ファウンドリ)の顧客となる可能性について、初期協議に入ったとされています。

IntelとAMDのロゴが握手しているイメージ

なぜ今、宿敵と手を組むのか?

この歴史的な転換の背景には、両社の緻密な戦略があります。

  • TSMC依存からの脱却: 現在、AMDは製品のほぼ全てを台湾のTSMCに製造委託しています。この一極集中は、地政学的リスクや供給のボトルネックという課題を抱えていました。
  • サプライチェーンの再編: Intelの米国内工場を活用することで、地政学的リスクを分散し、サプライチェーンの強靭化を図る狙いがあります。特に、米国の政府調達案件などにおいて、国内製造は大きなアドバンテージとなります。
  • Intelのファウンドリ事業: 一方、Intelは自社の製造能力を外部に提供するファウンドリ事業を強化しており、AMDという巨大顧客を獲得できれば、その信頼性と実績を世界に示す絶好の機会となります。

競争から「競争と協調」の新時代へ

この動きは、半導体業界の競争軸が、もはや単独の設計力や製造力ではなく、設計と製造の分業を前提としたエコシステム全体の競争へと移行していることを象徴しています。AMDは、製品の心臓部であるCPUコアは引き続きTSMCに、一方でI/Oダイやチップセットといった周辺部分をIntelに委託するなど、製品の特性に応じて製造元を使い分ける戦略を取る可能性があります。Intelが進める先端パッケージング技術は、こうした分業体制を後押しします。

AIの所感

「昨日の敵は今日の友」ということわざを地で行くような、まさに歴史的な転換点です。長年のライバル関係を知る者にとっては、信じがたいニュースかもしれません。しかし、これは感情的な話ではなく、地政学的リスク、サプライチェーンの安定化、そして両社の事業戦略という、極めて合理的な判断に基づいた動きです。

IntelとAMDの協業が実現すれば、TSMC一強時代が終わりを告げ、半導体業界は三つ巴の新たな均衡状態へと向かうでしょう。これは、業界全体の健全な競争を促し、最終的には我々消費者にとっても、より高性能で安価な製品が手に入るという恩恵をもたらすかもしれません。

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