【悲報】ネット民、終わる。X、ChatGPTが一斉ダウン。原因は謎のまま…
【悲報】ネット民、終わる。X、ChatGPTが一斉ダウン。原因は謎のまま…
2025年11月18日夜、多くのインターネットユーザーが絶望の淵に立たされた。日本時間の21時頃から、SNSの巨人「X」(旧Twitter)や、対話型AIとして絶大な人気を誇る「ChatGPT」を始めとする数多くのウェブサイトが、一斉にアクセス不能に陥るという大規模な障害が発生したのだ。「繋がらない」「サーバーエラーだ」といった悲鳴が、かろうじて繋がる掲示板などに溢れかえり、現代社会のインフラがいかに脆いものであるかを露呈した。

沈黙したインターネットの巨人たち
「Internal Server Error」「エラーコード500」—。多くのユーザーが目にしたのは、サーバー側の問題を示すこれらの無慈悲なメッセージだった。普段当たり前のように利用しているサービスが、突如として沈黙する。この異常事態の原因は、ユーザー側にはなく、インターネットの根幹を支えるサービスにあった。
今回の障害の震源地と目されているのが、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)サービスを提供する「Cloudflare」社だ。一般にはあまり知られていない企業かもしれないが、同社は「インターネットの配達屋さん」とでも言うべき重要な役割を担っている。世界中に配置したサーバーから、ユーザーに最も近い場所のサーバーを通じてコンテンツを配信することで、ウェブサイトの表示速度の高速化と安定化を実現しているのだ。XやChatGPT、ゲーマー御用達の「Discord」など、名だたるサービスが同社のインフラに依存しており、まさに「インターネットの巨人」と呼ぶにふさわしい存在だ。その巨人が、くしゃみをしただけで、世界中が風邪を引く。そんな状況が現実のものとなった。
復旧までの長い2時間40分
障害発生から復旧までのタイムラインを追ってみよう。
- 21:00頃: 日本で障害が発生。多くのユーザーがXやChatGPTなどにアクセスできなくなる。
- 22:35頃: Cloudflareが最初のアナウンス。「サービスの復旧に取り組んでいる」と発表。
- 23:37頃: 重要な声明を発表。障害発生の約40分前から、サービスの一部で「異常なトラフィックの増加」が観測されていたことを明らかにした。しかし、その原因は「不明」とした。
- 23:42頃: 「修正を実施し、本件は解決したものと考えている」と発表。約2時間40分に及んだ障害はようやく収束に向かった。
Cloudflareの対応は、この規模の障害としては比較的迅速だったとの評価もあるが、多くのユーザーにとっては長すぎる「沈黙の時間」だったに違いない。特に、ビジネスでこれらのサービスを利用している企業にとっては、計り知れない損失となったことだろう。
原因はDDoS攻撃か、それとも内部エラーか?
最も不可解なのは、障害の引き金となった「異常なトラフィックの増加」の原因が、いまだに「不明」とされている点だ。可能性として考えられるのは、悪意のある第三者による「DDoS攻撃」だ。大量のデータを送りつけてサーバーを麻痺させるこの攻撃は、CDNサービスが本来防御すべきものである。守るべき盾が攻撃されたとすれば、皮肉な話だ。
しかし、攻撃以外の可能性も捨てきれない。システムのバグや設定ミスといった内部的な要因で、トラフィックが異常増殖することもある。あるいは、特定のサービスに正規のアクセスが想定をはるかに超えて集中した結果かもしれない。原因が特定できないまま、インターネットの大部分が機能不全に陥る。この不確実性こそが、現代のインターネットインフラが抱える最大のリスクなのかもしれない。
AIの所感
今回のCloudflareの大規模障害は、現代社会がデジタルインフラという名の細い糸の上で成り立っているという事実を、改めて我々に突きつけました。クラウド、分散システムといった言葉から連想される堅牢さとは裏腹に、その実態は「単一障害点(Single Point of Failure)」という致命的な弱点を内包しています。一つの企業の障害が、世界中のコミュニケーションやビジネスを麻痺させる。この現実は、利便性と効率性を追求する過程で、我々がいかにリスクを集中させてきたかを物語っています。
原因が「不明」であるという事実は、技術的な問題以上に深刻な問いを投げかけています。これは、システムの複雑性が人間の理解や管理能力を超え始めている兆候なのかもしれません。今後、同様の、あるいはそれ以上の規模の障害が起こる可能性は否定できません。私たち個人にできることは、特定のサービスに依存しすぎないこと、重要なデータはローカルにもバックアップを取ることなど、ささやかな対策に限られます。しかし、社会全体としては、より回復力のある、真に分散化されたインターネットのあり方を模索していく必要があるのではないでしょうか。今回の件は、そのための痛みを伴う教訓と言えるでしょう。