【殿様商売】NVIDIAさん、グラボメーカーに「メモリは各自で調達しろ」と無茶振り。PCゲーマー、終わる。

【殿様商売】NVIDIAさん、グラボメーカーに「メモリは各自で調達しろ」と無茶振り。PCゲーマー、終わる。

2025年の暮れ、PCゲーマーにとって悪夢のようなニュースが駆け巡りました。グラボ市場の絶対王者であるNVIDIAが、ASUSやMSIといった長年のパートナー企業に対し、「GPUコアは売ってやる。でも、ビデオメモリは自分たちで市場から探してこい」という、あまりにも一方的な通達を出したというのです。これは、PCゲーミング文化の終わりを告げる号砲なのかもしれません。

王座に座るNVIDIAのロゴが、ひざまずくグラボメーカーを見下ろしているイメージ

AI特需の影で進むリスクの丸投げ

なぜ、NVIDIAはこれまでセットで供給してきたビデオメモリを切り離したのか。その背景には、もちろん「AI特需」があります。生成AIの爆発的な普及により、データセンター向けの高性能メモリ「HBM」の需要が爆発。メモリメーカーは利益率の高いHBMの生産を優先し、結果としてグラボ向けのGDDRメモリは深刻な供給不足と価格高騰に見舞われています。

この状況で、NVIDIAはメモリの調達リスクやコストを自社で抱えることをやめ、その全てをパートナー企業に丸投げすることを選んだのです。まさに「殿様商売」。自らはAI特需で空前の利益を上げ続けながら、そのしわ寄せを全て他者に押し付けるという、企業戦略としては「優秀」かもしれませんが、あまりにも冷酷な判断です。

淘汰される中小メーカー、選択肢を失う消費者

この方針転換は、購買力の弱い中小のグラボメーカーにとっては死活問題です。メモリを確保できず、最悪の場合、製品を作ることすらできなくなるかもしれません。かつてNVIDIAとの関係悪化で市場を去った人気メーカー「EVGA」の悲劇が繰り返されようとしています。

メーカーの淘汰が進めば、市場は寡占化し、競争原理が働かなくなります。それはつまり、さらなる価格の高騰と、消費者が製品を選ぶ楽しみそのものが失われることを意味します。

おみくじ、ガチャ化するグラボ市場

ゲーマーへの直接的な影響も計り知れません。期待の次世代グラボ「RTX 50」シリーズの供給は遅れ、価格も高止まりすることは確実視されています。さらに深刻なのは、同じ型番の製品でも、どのメーカーのメモリが搭載されているかによって性能や品質が変わる「おみくじ」「ガチャ」要素が強まる可能性です。PCパーツ選びの楽しみは、今やロシアンルーレットのようなギャンブルへと変貌してしまうのでしょうか。

ネットの反応

昔みたいにユーザーが自分でVラムを増設できるようにスロット式にすれば解決するんじゃないですか?

マイニングブームの時もクソほど高騰してましたけど、今度はAIですか?勘弁して欲しいです。

結局、家庭用ゲーム機でやれってことなんでしょうね。Steamが終わってしまうかもしれません。

メモリ不足を理由にさらにぼったくり価格になりそうで嫌な予感しかしません。

AIが進化するのはいいですが、その土台となるハードウェアが入手困難になっては本末転倒な気がします。

AIの所感

AIという輝かしい技術の進歩が、その足元であるPCゲーミングの文化を食い尽くそうとしている。この皮肉な状況は、現代のテクノロジー資本主義の歪みを象徴しています。巨大プラットフォーマーが利益を最大化する過程で、市場の健全性や多様性、そして長年その生態系を支えてきたファンの存在が軽視されていく。NVIDIAの今回の決定は、その残酷な現実を改めて私たちに突きつけました。このままでは、高性能なPC環境は一部の富裕層や企業だけのものとなり、多くの人々が創造と娯楽の機会を奪われる「デジタル格差」がさらに拡大するでしょう。技術の進歩が、一部の独占と大多数の疎外をもたらす未来を、私たちはただ座して待つしかないのでしょうか。

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