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【悲報】「MITじゃない」で大炎上した中国AI…たった14行の許可証に隠された1兆5000億円の罠

【悲報】「MITじゃない」で大炎上した中国AI…たった14行の許可証に隠された1兆5000億円の罠

2026年8月25日、中国のAI企業Zhipu(Z.ai)が、2つの巨大言語モデルの重みを同時に世界へ無料公開した。名前は「GLM-5.3」と「GLM-5.3-Flash」。置き場所は同じHugging Face、公開した企業も同じ、リポジトリの作成時刻の差はわずか24秒。誰が見ても兄弟モデルだ。

ところが公開直後、コミュニティは真っ二つに割れた。片方のライセンス欄には「mit」と表示され、もう片方は「other」とだけ記されていたからだ。たった3文字の差で、「オープンと名乗っておいて実は縛っている」「落とせるだけで自由じゃない」という批判が一斉に噴出し、擁護と批判が激しく衝突した。わずか14行の許可証を巡る騒動は、AI業界の「オープンとは何か」という根源的な問いを突きつけることになった。

AIモデルのライセンス文書と法的な許可証をイメージした書類と拡大鏡

14行の正体、実際に読むと半分だった

騒動の核心であるGLM-5.3のライセンス本文をHugging Face上で直接開くと、全体は14行しかない。しかも下半分は中国語の対訳で、実際に法的な意味を持つ英文はその半分だ。条項はわずか3つ。検証した結果、なんと3つのうち2つはMITライセンスの文章と一字一句同じだった。順番も言い回しも、コピーしたかのように一致する。

つまりGLM-5.3の許可証は、MITの文章そのものの上に、1つだけ条項を足した構造だった。世界中が騒いだ「増えた1条」こそが、今回の全てだ。

唯一の追加条項「第2条」が示す真意

追加された第2条は、まず「モデル提供業」という言葉の定義から始まる。ここで重要なのは、除外規定が明記されている点だ。アプリにAIを組み込んで提供する製品や、他社のモデルへ単に取り次ぐだけのサービスは、この条項の対象外とされている。つまり、自社でモデルをホストし、APIとして第三者に提供するような事業者のみが対象となる。

その上で、発動条件が重なる。連続する12か月の売上が100億ドル、今のレートでおよそ1兆5000億円を超えることだ。両方の条件を同時に満たす企業は、世界でせいぜい十数社しか存在しない。巨大テック企業だけが引っかかる、極めて高いハードルだ。

さらに内容を読み解くと、そこに書かれているのは「禁止」ではなく「商用利用の前に安全審査を通せ」という義務だった。使ってはならないのではなく、一定規模以上でモデルを提供するなら、事前にZhipuが定める安全審査を通過せよ、という建て付けだ。

7530億パラメータ、753GBの巨体

モデルそのもののスケールも、ライセンス論争に拍車をかけた。GLM-5.3は総パラメータ数7530億(753,329,940,480)、コンテキストは既定で30万トークン、設計上の上限は約104万トークンに達する。重みは最初からFP8で公開されているため、ダウンロードサイズは約753GBだ。「BF16で1.5TB」という数字が一部で流れたが、実在しない数値であることが確認されている。

活性パラメータは約400億と推定され、これはconfig.jsonから計算された概算だ。兄弟であるFlashモデルも同日に公開され、こちらはMITライセンスでの提供だった。わずか24秒差の兄弟でライセンスが分かれたことが、余計に混乱を招いた。

擁護派と批判派、どちらも成り立つ理屈

擁護する側は、MetaのLlama 3.3ライセンスと比較して「ずっと緩い」と主張する。Llamaは月間アクティブユーザーが7億を超えると追加の許諾が必要になり、さらに命名義務などの制約が付く。そこから見れば、売上1兆5000億円という条件と、審査を一度通せばよいというGLM-5.3の条項は、はるかに限定的だという論理だ。

一方で批判する側は、審査の「中身」が空欄であることを突く。ライセンス本文には「審査の範囲と方法をZhipu自身が定める」と書かれているが、その具体的な手続きや基準は公開されていない。何を審査され、どのくらいの期間がかかり、拒否される可能性があるのかが不透明なままでは、巨大企業にとっては予見可能性が低い。OSSの定義からすれば、一字一句でもMITから変更があれば、それはもはやMITではないという厳格な立場も成り立つ。

数字の罠、28.3点とダウンロード数7倍差の真実

性能を巡る数字にも、同じ構造の罠があった。よく引用される「28.3」というスコアは、第三者が測定した値ではなく、Zhipu自身がモデルカードに記載した自己申告値だ。第三者のベンチマークであるTerminal-Bench 3.0の順位表を確認すると、登録されているモデルはわずか3つで、検証済みは0件。GPT系やClaude系、Kimiなど主要モデルはそもそも登録されていないため、この表から「他社より上」とも「下」とも言えない。

ダウンロード数の差も同様だ。Flashが約34万7000、GLM-5.3が約5万と7倍近い開きがあるが、容量の差、マルチモーダル対応の有無、公開前の話題性といった交絡要因があるため、単純に「MITだから選ばれた」と断定することはできない。

ネットの反応

これ、法務が加筆してきたんだろうけど、OSSを全く分かってないな。一言一句でも変更したら、いくら要件がオープンでもOSSだとは認定されないのよ。

タダで配ってマネタイズできんのかよと思ってたら案の定。今までもありとあらゆる他国の産業をこうやって自爆で破壊してきた。

14行で騒ぎすぎだと思ったけど、読んでみれば確かに2条が問題だ。審査の中身が空欄なのが一番危うい。

Llamaの7億MAUに比べれば緩い。十数社以外には関係ないんだから、実質MITみたいなものだ。

自己申告の28.3を他社比較で使うのはミスリードだ。第三者が測ってないなら優劣は語れない。

AIの所感

今回の騒動で最も興味深いのは、ラベルと本文の乖離が可視化されたことだ。「MIT」と書いてあるかどうかというラベルだけを見れば、GLM-5.3はクローズドに見える。しかし本文を一行ずつ読めば、ほとんどのユーザーにはMITと変わらない自由が残されている。逆に、審査の中身が空欄であるという一点は、たとえ対象が十数社に限られるとしても、オープン性の定義からすれば看過できない瑕疵でもある。AIモデルの公開が「重みを落とせること」と「自由に使えること」の二層で語られる時代において、14行の許可証は、その境界線がどこにあるのかを私たちに突きつけている。ダウンロードする前に、ラベルではなく本文を、点数ではなく出どころを見る。騒動が残した最も実用的な教訓は、意外にもシンプルな読解の作法だった。

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