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【悲報】「押すだけでFPS最大60%アップ」の自動オーバークロックツール、実態は…?Intel出資のHypertuneを検証したら見えた衝撃の内訳

【悲報】「押すだけでFPS最大60%アップ」の自動オーバークロックツール、実態は…?Intel出資のHypertuneを検証したら見えた衝撃の内訳

「ボタンを押すだけでFPSが最大60%上がる」──そんな夢のような自動最適化ツールが正式リリースされた。その名は「Hypertune」。ただの野良ツールではなく、Intelが資金だけでなく技術者も出して共同開発したという本格派だ。早期アクセスには6万人以上が参加したとされており、設定に詳しくないゲーマーから大きな注目を集めている。しかし、企業が公開した数字そのものを細かく分解すると、看板とはかなり違う景色が見えてくる。

「最大60%」の内訳を開けると、自動OC単体では4.3%から28.2%

まず結論から言えば、60%というのはあくまで企業の公称値。会社自身の内訳でも、自動オーバークロック単体の伸びは「4.3%から28.2%」とされている。いきなり半分以下の数字になるうえ、大きく伸びた部分の多くは「ゲームハブ」という機能がゲーム内の設定を書き換えた分だ。つまり自分の手で同じ設定に弄れば、同じ結果を再現できる可能性が高いことを意味する。海外のテックメディアTom's Hardwareも「同じ設定にすれば同じ結果になる」と明記しており、ツール自体が「何か特別な魔法をかけている」わけではないことが分かる。

じゃあ、このツールは一体何を売っているのか。そこが今回の本題になる。気になる価格は月額9.99ドル(約1600円)の有料サブスクリプション形式。年に換算すると約9500〜1万2000円、さらに技術者が遠隔で組み込みをしてくれるプロ向けサービスは80ドル(約1万2600円)の一度きりという設定だ。7日間の無料トライアルも用意されている。押すだけで速くなる便利さと、毎月継続して払うサブスク形式の組み合わせに、ユーザーからは「買い切りじゃないのか」と戸惑いの声も上がっている。

ゲーミングPCのオーバークロックとFPS向上の設定概念を、光るチューニングメーターと共に描いたイラスト

公開ベンチマークを1台ずつ数えてみる 構成が変われば伸びは一変

Hypertuneが公開した検証例を2台分だけでも見てみよう。1台目は現行最上位級の「Core Ultra 9 285K」+「RTX 5090」という組み合わせ。この環境で「Homeworld 3」が18.9%向上、「トゥームレイダー」が28.2%向上したという。28.2%は「気のせい」で片付けられない大きな伸びだ。ただし注意点があって、この数字は全て「ゲームハブ」を有効にした状態で測られている。「Homeworld 3」は大量のユニットを動かす戦略ゲームで、CPU負荷が非常に高い。CPUを詰めた分がそのまま数字に出やすいタイトルなのだ。

続いて2台目は、少し前の世代の「Core i7 14700K」+「RTX 3080」という現実的な構成。こちらでは「レインボーシックスシージ」が最大9.8%、「マーベル・ライバルズ」が4.3%の向上にとどまった(こちらはゲームハブを切った状態)。同じツール、同じ会社のベンチマーク、同じ条件なのに、構成とタイトルが変わればここまで数字が下がる。144フレーム出ている環境で4.3%伸びても、体感ではまず気づかないだろう。しかもベンチマークは同じ設定で回し直しても誤差が出るのが普通で、「4.3%」は測り直したら消えてしまう可能性すらある。

ここが今日一番持ち帰ってほしい事実だ。ゲームには「GPUが先に限界になるもの」と「CPUが先に限界になるもの」があり、GPU使用率が99%に張り付いているゲームは、CPUをどれだけ詰めても伸びは薄い。逆にGPUが余っているのにフレームが出ていないなら、犯人側はCPUだ。さらに「Core Ultra 9 285K」のような新しいハイエンドCPUはそもそもオーバークロックの余地が大きい。「CPUが聞くゲーム」と「詰める余地の残った石」の両方が揃った時だけ、この手のツールは大きく効くという理解が必要だ。

ゲームハブは「設定代行」 効果と限界と不可視な中身

先ほど登場した「ゲームハブ」は、対応ゲームに最適化されたグラフィック設定プロファイルを自動で当てる機能だ。ゲーム内の設定を勝手に書き換えてくれるため、伸び率のグラフが一気に跳ねる。だがTom's Hardwareの指摘はそっけなく、設定を自分で同じように行えば結果は同じ。例えるなら「体重を減らした」のではなく「背負っていた荷物を下ろした」だけだ。それでも速くなった事実は公平に評価すべきだが、問題は「ハードウェアの余力を引き出した分」と「設定を変更した分」を混ぜて表示している点にある。混ぜられると、素人は切り分けができなくなる。

しかも天井が違う。ハードウェアを詰めて出せる幅は2割程度が上限だが、設定を落とす方は「しようと思えばいくらでも下げられる」。設定変更を混ぜた瞬間、伸び率という数字はほとんど意味を失ってしまう。さらに気になるのが、ゲームハブが具体的にどの項目を変えるのかが公開されていないことだ。影の品質を落としたのか、描画距離を縮めたのか分からないまま「早くなった」と言われても、競技ゲーマーにとっては「何を犠牲にしているのか」が確認できないのは不安材料になる。企業のグラフでは「ディスククリーンアップ」の段階でなぜかFPSがマイナスになっている怪しげな箇所もあり、ツール自身の検証手法にもツッコミどころがある。

結局「買っているのは知識と手間」 誰に価値があるか

では、このツールは誰のために作られたのか。創業者は元eスポーツ団体TSMのコーチ(Apex)として活動していたオーバークロックの達人で、本人は「オーバークロッカー向けではなく、設定を知らない人向け」と明言している。具体的には「DLSSのフレーム生成を使う時にHAGS(ハードウェアアクセラレーションGPUスケジューリング)を有効にする」「2つのCCDを持つAMD X3D CPUでは電源プランをバランスにする」といった、知っている人には常識でも、知らない人には永遠に辿り着けない設定を代わりに押してくれる商品だという。著名なオーバークロッカーの協力も発表されているが、これはあくまで会社側の発表で、第三者による確認は取れていない。

オーバークロックには保証や安定性のリスクが付きもので、加えてアンチチート(Riot Vanguard、Easy Anti-Cheat、BattlEye)と併用しても安全だと主張しているが、これも会社の言い分でしかない。続けられるサブスクの価格と比較すると、価格.comでCore Ultra 5 250Kが約3万9000円、Core Ultra 7 265Kが約5万7000円という現実がある。4年分の月額料金を溜めれば、確実に速くなるCPUそのものが1個買えてしまう。設定を一度決めたら当分そのまま、というツールの性質上、「毎月払い続ける価値があるのか」という疑問は当然生まれる。

無料でできる準備を先に 「何を変えたか」を自分で読む力が最強

結論として、この月額9.99ドルで買っているのは「性能」ではなく「知識と手間」だ。設定に一度も触れたことがなく、Intel環境でCPUが効くゲームを主に遊ぶ人には、ボタン一つで済む価値は確かにある。反対に、すでに電源プランとHAGSを自分で触っている人、AMD環境の人、GPUが先に限界になるゲームが中心の人には急ぐ必要はない。7日間の無料トライアルもあるので、まずは自前の環境で「①Windowsの電源プランを確認→②HAGSのスイッチを確認→③ゲーム内設定を自分の目で詰める→④必要ならCPUチューニング」という順序で無料でできることを済ませてみよう。最後にフレームレートを計測して、どの手順が効いたかを切り分けること。その物差しが身につけば、今後どんな「最大60%」型の新ツールが出ても、振り回されることはないはずだ。

ネットの反応

サブスク形式のOCツールって冗談だろ。買い切りにしろよ。

60%って聞いたけど、これまで最大60%に近づいた事例は数えたらゼロじゃないか。

「何を具体的に変えているのか」を透明にしてほしい。それが分からないと金を払う判断ができない。

こういう最適化を一般の人に届ける発想自体は好き。でも月額が気持ち悪いんだよ。

設定を変えた項目を一覧で見せてくれれば印象は全然違うのにな。

GPU使用率99%張り付きのゲームばかりやってる俺には全く意味がなかった。なるほどな。

結局、自分で設定いじれる人には無意味で、触ったことない人だけが対象ってことだろ。

4年分の月額でCPU買い替えられるなら、そっちの方が確実に速くなるだろ。

ディスククリーンアップでFPSが下がってるグラフ、自分で自分に足引っ張ってるのが笑う。

AIの所感

「押すだけで60%アップ」というキャッチーな数字の裏には、ハードのオーバークロックと設定の自動書き換えが混在していた。視聴者や読者に求められるのは、その「内訳を読める力」だ。どのハードウェアで、どのゲームで、何をオンにした状態なのか──この3点を確認できれば、広告の嘘と真実を大体見抜ける。このツールに月額を払うのは「設定への知識と手間」を買う行為であり、トライアルで自分の環境の数字を出してから判断するのが最もスマートな使い方だろう。ゲームを速くするより、まず「何が速さに効くか」を知ることの方が、長い目で見れば確実に得をする時代が来ている。

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