【悲報】AMD次世代APU「Medusa Point」、10コアで現行12コアを撃破してGeekbenchに乱入
【悲報】AMDの次世代APU「Medusa Point」、10コアで現行12コアを撃破してGeekbenchに乱入する
ノートPCの性能順位が、来年大きく書き換わるかもしれない。AMDが開発中とされる次世代モバイル向けAPU「Medusa Point」のベンチマークスコアが、性能比較サイト「Geekbench」に忽然と姿を現したのだ。確認されたのは、新アーキテクチャ「Zen 6」を採用する10コア、8コア、6コアの3モデル。いずれも現行のRyzen AIシリーズを上回る性能を叩き出しており、とある1台が規則を破った。

10コアなのに、12コアを超えてきた
問題の1台は、Geekbench 7に登場した10コアモデルだ。記録したスコアは、シングルコア3,100、マルチコア18,313。比較の物差しになるのが、同じGeekbench 7でRyzen AI MAX+ PRO 495が記録しているシングル2,955・マルチ16,301という数値で、これに対し10コアのMedusa Pointは約5.8%増。さらに注目すべきはコア数との関係だ。12コアを搭載するRyzen AI 9 HX 470クラスを、コア数が2つ少ないにもかかわらずマルチコアで上回っているのである。
単純なコア数のかさ上げで性能が伸びていない証拠で、アーキテクチャそのものの改良、すなわちIPC(1クロックあたりの処理能力)の向上が効いている可能性が高い。同じ周波数で、同じコア数で、より多く仕事をできる。地味だが、バッテリーを削らずに性能を上げる路線としてモバイルでは最も歓迎される進化の形だ。
そして特筆すべきはシングルスレッド性能である。現行主力が2,650〜2,700ポイント前後で横ばいを続けている一方、Medusa Pointは3,100ポイントへ踏み込んだ。前世代比で約15%。この数字は、アプリの起動、ウェブページの描画、オフィス作業のレスポンスといった「日常の動作の速さ」に直結する。マルチコアの数字が派手な看板だとすれば、シングルの上積みは毎日体感できる実利だ。
Zen 6とZen 6Cの「ハイブリッド構成」という読み方
今回浮上した3モデルは、いわばフルサイズの「Zen 6」と、面積と電力を押さえた「Zen 6C」を混ぜた構成になっているとみられている。内訳は次のとおりだ。
- 10コアモデル:Zen 6 ×4 + Zen 6C ×6
- 8コアモデル:Zen 6 ×2 + Zen 6C ×6
- 6コアモデル:Zen 6 ×1 + Zen 6C ×5
高性能コアを少数に留め、処理の軽い仕事を高効率コアに肩代わりさせる。スマホでおなじみARMのbig.LITTLE、近年のIntelが採用するPコア/Eコアの設計思想に近い発想で、AMDがモバイルで初めて本格的なheterogeneous構成へ踏み出す可能性を示唆している。フルコアで突っ走る時間と、バックグラウンドで淡々と処理する時間では求められる電力曲線が違う。使い方に応じてコアを使い分けることで、性能と駆動時間の両立を図る狙いだろう。
上位から下位まで3段階が同時に露出した点も見逃せない。従来なら「上位モデルのベンチが出た」というニュースで終わるところを、ミドルクラス、エントリークラスまで一気に見せてきた。薄型ウルトラブックから価格重視のノートPCまで、市場の幅広いセグメントを一度に更新する構えであり、来年のモバイル市場への本気度が窺える。
下位モデルこそ本命かもしれない、という話
8コアモデルはシングル2,889、マルチ15,099。6コアモデルはシングル2,651、マルチ10,670を記録した。数字だけ見れば「下位だから当然」だが、見方を変えると現行の上位APUに肉薄、あるいは肩を並べるスコアである。現行の主力級がミドルクラスの筐体に載る時代が来つつあり、価格帯を問わず体感性能が上がると読み取れる。10万円を切るウルトラブックが「もっさり感」から解放されるなら、買い替えを検討している人にとっては十分なニュースだ。
内蔵GPU「GFX1170」、CUわずか4基の逆転
CPUだけではない。今回のリークでは内蔵GPU「GFX1170」の姿も確認されている。RDNA 4世代のモバイル版と目されるこのGPU、演算ユニット(CU)数はわずか4基とされている。普通なら力不足のはずだ。ところがOpenCLのスコアは22,249を記録した。
- GFX1170(CU 4基):22,249
- Radeon 880M:26,814
- Radeon 860M:20,642
- Radeon 840M:12,019
CU数では大きく見劣りするにもかかわらず、現行Radeon 860M(12,019)のほぼ倍、840Mに対しては約1.85倍という大差をつけた。1ユニットあたりの設計が根本から作り直されていると考えるのが自然で、RDNA世代のアーキテクチャ効率が飛躍的に高まったことを示唆する。内蔵GPUが「おまけ」の域を出なかった時代は、これで本当に終わりかもしれない。軽量ゲームや動画編集の下処理、AI処理の補助くらいなら、ディスクリートGPU無しでこなせる未来が見えてくる。
もっとも冷静な見方も必要だ。CU4基という構成自体がまだ確定情報ではなく、テストチップの可能性も残る。また、Geekbenchは実ゲームのフレームレートや、長時間の負荷に対する持続性能を測るテストではない。ピーク値の美しさと、買った後の満足度は別物だ。実際、海外のコミュニティでも「ベンチと実運用は違う」という指摘が複数上がっている。
到来は2027年、だが競争はすでに始まっている
現時点で確定している事実は薄い。Geekbenchへの出現と、スコア、コア構成の断片だけだ。それでも業界がざわついているのは、Zen 6がIPC向上と新GPUという「地味だが効く」二枚腰を備えていそうだからに他ならない。モバイルAPUの市場では、後発がベンチマークサイトで先行者の牙城を崩す光景が定期的に繰り広げられてきた。AMDはまさにその再現を狙っている。
2027年世代のモバイルRyzenとして登場するとの観測が有力だが、正式な発表や製品名の確定には至っていない。今後のリーク次第で構成もスコアも塗り替えられる可能性がある。ただ、ひとつ言えるのは、次のノートPC選びの選択肢が来年また一つ、しかも厄介なほど魅力的な形で増えるという事実だ。買い替えを迷っている人は、発表のニュースが流れてから財布を開けても遅くない。
ネットの反応
マルチのスコア見たらテンション上がった。あとGPUの型番が2つ違うのも気になる。GPUのCU数も増えるのかな?
Geekbenchと実運用はイコールじゃない。1世代でIPC15%向上って凄すぎるから、もう少し冷静に見ておきたい
CPU部分だけ見れば大いに期待できる。GPUのCU4基というのは、さすがにどうなのと思う。仮にCU8基でRDNA4mなら文句ない
CU少ないのに倍近いスコア出てるのは、RDNA4mの設計が相当変わってるってことか
CPUのマルチスコアはGeekbench6で測ったやつでしょ?7と6を混ぜるな
CU4基が確定なら、GPU性能は現行Zen5と同じくらいと見た方がいいのでは
AIの所感
リーク記事にありがちな「数字だけ派手」の話ではなく、今回は読みどころが二つある。一つは、コア数を増やさずにマルチ性能で上位機を超えた点。これはIPC向上という「正攻法」の成果であり、省電力性の面でも有利な、モバイル本来の進化の方向性と合致している。もう一つは、GPU側の大逆転だ。CU4基で現行機の倍近いスコアというのは、単なる微改良では説明がつかず、命令設計の作り込みが相当進んでいることの証左に見える。逆に、GPU構成(CU数)とベンチ環境(Geekbench 7と6の混在)の情報には幅があり、そこを指摘する声も国内コミュニティで相次いでいる。数字の鮮度に踊らされず、正式発表時の実測レビューを待って判断したいところだ。いずれにせよ、2027年のノートPC市場が「選び甲斐のある年」になることだけは、今のところ間違いなさそうである。