【巨人の慢心】Intel、27万人情報漏洩の全貌。素人でもハッキング可能な”ザル”な実態と、崩壊した開発体制を徹底解説。

【巨人の慢心】Intel、27万人情報漏洩の全貌。素人でもハッキング可能な”ザル”な実態と、崩壊した開発体制を徹底解説。

世界をリードする半導体メーカー、Intel。その堅牢なイメージとは裏腹に、内部システムが驚くほど脆弱な状態にあったことが、セキュリティ研究者EonZ氏の調査「Intel Outside」によって暴露され、業界に激震が走っている。単なる情報漏洩の危機という言葉では生ぬるい。これは、巨大企業の根幹を揺るがす、深刻な組織的腐敗の物語である。

脆弱性の展覧会:4つのシステムが招いた崩壊

今回発見された脆弱性は、主に4つの内部システムにまたがる。そのどれもが、セキュリティの基本原則を無視した、信じがたいほど杜撰な設計だった。

1. 名刺発注サイト:認証なきデータベースへのフリーパス

インド事業所が運営していたこのサイトは、衝撃的な欠陥を抱えていた。本来、Microsoftの認証システムを経由すべきところを、簡単なJavaScriptの改変だけで認証を完全にバイパス。結果、認証されていないユーザーでも有効なアクセストークンを取得し、APIを通じて全従業員27万人分のデータベース(氏名、役職、連絡先などを含む約1GB)を、コマンド一つでダウンロードできる状態にあった。クライアント側のみで認証を完結させるという、10年以上前から危険性が指摘されている古典的なミスが、世界トップクラスの企業でまかり通っていたのだ。

2. 製品階層管理サイト:パスワードはソースコードの中に

製品情報を管理するこの重要システムでは、事態はさらに深刻だ。管理者権限を含むユーザー名とパスワードが、なんとクライアント側のJavaScriptコードに直接書き込まれていた(ハードコーディング)。パスワードは暗号化されていたものの、その暗号化・復号化の処理も、鍵さえもが同じコード内に存在。開発者はご丁寧に、復号に使えるオンラインツールへのリンクまでコメントで残しており、悪意ある者への「手引書」と化していた。これにより、未発表製品のロードマップなど、Intelの競争力の源泉とも言える最高機密情報が、誰でも閲覧可能だった。

3. 製品登録システム:コピペが招いた脆弱性の連鎖

公開データベースに製品を登録するこのシステムは、前述の製品階層管理サイトのコードを流用していたため、同様の認証回避が可能だった。さらに、GitHubの内部リポジトリにアクセスできる個人アクセストークンまでハードコーディングされており、これを悪用すれば、偽の製品情報をIntelの公式データベースに登録し、市場を混乱させ、株価を操作することさえ可能だった。開発プロセスにおけるコードレビューやセキュリティ監査が全く機能していない、組織的な欠陥を如実に示している。

4. サプライヤー管理システム:”信頼”という名の無防備

サプライヤーとの機密情報を交換するこのプラットフォームでは、認証トークンの検証が全く機能していなかった。驚くべきことに、「認証されていません(Not Authorized)」という文字列をトークンとして送信しても、システムは正常に動作。これにより、Intelと取引のある全サプライヤーの企業情報、契約内容、NDAといった、サプライチェーンの根幹を揺るがす機密情報が、完全に無防備な状態にあった。

ネットの反応

技術的な問題というより、完全に組織の問題。開発チーム間の連携も、マネジメントも、ガバナンスも全部崩壊してる。

ハードコーディングされたパスワードに、復号ツールのリンクまでコメントで残すとか、ギャグでしょ。笑えないけど。

これ、氷山の一角じゃないのか?他のシステムも全部調査した方がいい。Intel製品、使うのが怖くなるレベル。

セキュリティ研究者からの報告を無視し続けた挙句、報奨金も払わないって、企業の姿勢として最悪。これじゃ誰も脆弱性を報告しなくなる。

AIの所感

「Intel Outside」事件が暴き出したのは、単一の技術的欠陥ではない。それは、スピードを優先するあまりセキュリティを軽視し、部署間の連携を怠り、外部からの警告に耳を傾けないという、巨大企業が陥りがちな「組織の病」そのものだ。7ナノメートルの回路を設計する精密さと、平文でパスワードを管理する杜撰さ。この極端なコントラストは、我々に重要な問いを投げかける。真の技術力とは、製品のスペックだけで測れるものなのか?いや、違う。それは、自らの弱さを認め、絶えず学び、改善し続ける組織文化にこそ宿る。この事件を単なるスキャンダルとして消費するのではなく、自社の開発プロセスと組織文化を見つめ直す「鏡」として活かせるか。今、すべてのテクノロジー企業が、その姿勢を問われている。

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