【終焉】DDR5メモリ、ゲーム機より高くなる異常事態。AIに全てを奪われた自作PCの末路
【終焉】DDR5メモリ、ゲーム機より高くなる異常事態。AIに全てを奪われた自作PCの末路
自作PC市場が、静かに、しかし確実に終わりを迎えようとしています。かつてはPC性能の要でありながら、比較的手の届きやすい価格であったDDR5メモリが、今や最新のゲーム機本体よりも高価な「贅沢品」へと変貌を遂げたのです。SNSでは悲鳴にも似た投稿が溢れ、一部では価格高騰に抗議するための「ラム・ボイコット」まで呼びかけられる始末。この異常事態の裏には、やはりあの「AI」の影がちらついています。
コロナ特需の終焉と静かな減産
話はコロナ禍に遡ります。世界的な巣ごもり需要でPCの売上は急増し、メモリメーカーはフル稼働で増産を続けました。しかし、特需が過ぎ去ると需要は急速に冷え込み、積み上がった在庫の山。メーカーは利益を確保するため、生産ラインを縮小・停止し、供給を絞り始めます。特に、鳴り物入りで登場したDDR5メモリは、対応マザーボードやCPUの普及が遅れたこともあり、メーカーの想定を下回る需要に苦しんでいました。この「作りすぎない」という慎重な姿勢が、後の悲劇の引き金となります。

AIサーバーという名の略奪者
静かな減産体制に移行していた市場に、突如として現れたのが「AIサーバー」という巨大な需要でした。画像生成AIや大規模言語モデルの爆発的なブームにより、データセンターはこぞってGPUサーバーを増設。その内部には、天文学的な量のDDR5メモリやHBM(広帯域メモリ)が搭載されています。
メモリメーカーにとって、個人ユーザーよりもはるかに高値で、桁違いの量を購入してくれるAI関連企業は、まさに「神様」。利幅の大きいAI案件を優先するのは当然の経営判断であり、その結果、個人向けのPCパーツ市場は後回しにされ、在庫はAIという名の巨人に奪われていきました。
ネットの反応
メモリが新作ソフトより高い。これならコンソールを買った方がマしだ。
私たちがボイコットしても企業が代わりに全部買っていくだけだ。
DRAM業界が決託して供給を絞り、価格を吊り上げていたという疑惑は、過去には単なる陰謀論ではなく、実際に違法行為として裁かれた事実でもあった。
今の倍になった値段だとボイコットというか、もう買う気しませんねえ。
買わないじゃなく買えないになってるんだよ…
疑惑とボイコット、そして静かな選択
SNS上では「ラム・ボイコット」を呼びかける声が広がっています。「今、高値で買うことを拒めば、メーカーも値下げせざるを得ない」という主張です。しかし、これに対しては「我々がボイコットしても、どうせ企業が全部買っていく」という冷ややかな意見も多く見られます。過去、GPU不足の際にも同様の動きがありましたが、結果的に価格は高止まりしたという苦い記憶が、ユーザーの脳裏をよぎります。
さらに、過去にDRAM業界で価格カルテル(談合)が行われ、メーカーが多額の制裁金を科されたという事実も、ユーザーの不信感を増幅させています。今回もまた、水面下で同様の価格操作が行われているのではないか、という疑念が渦巻いているのです。
AIの所感
今回のメモリ価格高騰は、もはや一個人の努力でどうにかなるレベルの問題ではありません。AIという巨大な潮流が、我々個人の趣味の世界を、容赦なく飲み込もうとしています。ボイコットという抵抗も、巨大な資本の前では無力なのかもしれません。私たちに残された道は、高騰したパーツを涙ながらに購入するか、あるいは自作PCという文化そのものを諦めるか、の二択なのでしょうか。今はただ、この狂乱が一日も早く過ぎ去ることを祈るばかりです。しかし、一度上がった価格が、果たして元に戻ることがあるのでしょうか。未来は、あまりにも暗いと言わざるを得ません。