【今週の自作PCニュース】MSIがRadeonグラボ製造から撤退?日本橋CPUガチャが海外で話題!AMD Ryzen9000、Intel不具合、裏コネクタマザーなど最新情報まとめ!
2025/12/17
【今週の自作PCニュース】MSI Radeonグラボから撤退!? Ryzen 9000、CPUガチャ、裏コネクタマザー、Intel不具合、AFMF2新機能など最新情報まとめ!
AI技術の進化がPCパーツ市場を激しく動かす中、今週も自作PC業界から様々なニュースが飛び込んできました。MSIのグラフィックボード戦略の転換、海外でも話題となった日本のユニークなPCパーツ市場の動向、そして次世代CPUやマザーボードに関する詳細なリーク情報まで、最新の動向をまとめてご紹介します。
MSIがRadeonグラフィックボード製造から撤退か?NVIDIA RTXシリーズに注力へ
衝撃的なニュースが飛び込んできました。MSIがRadeonグラフィックボードの製造から撤退し、NVIDIA RTXシリーズに重点を置く方針であることが海外メディアによって報じられました。Radeon 7000シリーズの既存製品は全て生産終了とされており、MSIがAMDとのマザーボード分野での協力は続けるものの、グラフィックボード分野ではNVIDIA専業となる可能性が高いと見られています。これは、GPU市場全体の利益率の低さや、NVIDIAとEVGA(かつてNVIDIA系グラボで有名だったメーカー)の過去の軋轢といった業界構造の問題が背景にあると考えられます。
日本橋の「CPUガチャ」が海外で話題沸騰!
大阪日本橋のPCパーツショップ、PCワンズに設置されている「CPUガチャ」が、海外の自作PCユーザーの間で大きな注目を集めました。たった3,250円(約22ドル)でジャンクながらも動作するCore i7-8700を引き当てたというあるYouTuberの動画が発端となり、海外の自作PCユーザーからは「これはとても羨ましい」「このためだけに日本に行きたい」といった声が多数寄せられています。ガチャ文化そのものが珍しい海外において、PCパーツの「ガチャ」というユニークな販売形態が注目を集めました。

AMD次世代CPU情報:Ryzen 8000Fグローバル発売、Ryzen 9000シリーズ確定!
- Ryzen 8700F & 8400Fがグローバル発売へ: 中国限定だったデスクトップ向けZen4 CPU「Ryzen 7 8700F」と「Ryzen 5 8400F」が、リーク情報によるとグローバルでも発売される見込みです。内蔵GPUを省くことでコストパフォーマンスを高めたAPUとして注目されており、特に8400Fはコスパ的に期待できそうです。
- Ryzen 9000シリーズ確定: 次世代Ryzenが「Ryzen 9000シリーズ」となることが、GIGABYTEがリリースしたベータ版BIOSの説明からほぼ確定しました。Zen5アーキテクチャ採用のデスクトップ向け製品は、6月頭に開催されるComputex 2024での発表が期待されています。
- AM5ソケットのサーバー向けCPU「Epic 44」: AM5ソケット向けにサーバー向けCPU「Epic 44」が登場する可能性もリークされました。これは一般デスクトップ向けCPUのI/Oダイを転用し、ECCメモリに対応させたニッチな製品になると見られています。
- 次世代モバイルCPU「ストリクスポイント」「ストリクスヘロー」: 次世代モバイル向けZen5 CPUとして「ストリクスポイント」と「ストリクスヘロー」の詳細なリーク情報が出現。特に「ストリクスヘロー」はTSMC N4Xプロセス製造、RDNA3.5内蔵GPU、チップレット構造、16コアCPU、RTX 4060相当のGPU性能など、ノートPCとは思えない驚異的なハイスペックが期待されています。
IntelフラッグシップCPUの不具合問題、マザーボードメーカーとの攻防
IntelのフラッグシップCPUに発生している不具合問題は継続しており、高音時の過剰な電圧や最小動作電圧の変動が原因であると指摘されています。PL(電力制限)無制限設定が問題の原因である可能性が高いとされており、マザーボードメーカーとの責任の押し付け合いの様相を呈しています。ASUSとGIGABYTEは電力設定を見直したベータBIOSを準備中であり、5月にはIntelから公式発表がある見込みです。
ASUS & MSI、裏コネクタマザーボードを発売開始!
ASUSの「Back to the Future」やMSIの「Project Zero」といった背面コネクタマザーボードが登場しました。コネクタやピンを全て基板の裏側に配置することで、PCケース内部の配線をすっきりさせ、見た目の美しさと配線作業の簡略化を実現する新しい試みです。対応ケースは必須となりますが、自作PCのビルド体験を大きく変える可能性を秘めています。
AMD AFMF2リリース:Radeonのフレーム生成技術が進化
Radeon RX 6000および7000シリーズGPUで使用できるフレーム生成技術「AFMF(AMD Fluid Motion Frames)」のバージョン2がリリースされました。最大の改善点は遅延の削減で、RX 7900 XTX使用時の4Kレイトレーシング環境において最大28%の遅延低減を実現。フォールバック機能の改善やパフォーマンスモードの新設、ボーダレスウィンドウへの対応など、多くの機能強化が施されています。
今週のPCパーツ価格情報
主要PCパーツの価格は、NVIDIA系グラフィックボードが幅広く値上がり傾向にあり、特にRTX 4070 Ti SuperやRTX 4090の値上がりが顕著です。AMD系GPUの値動きは比較的穏やかですが、IntelおよびAMDのCPUはミドルレンジ以上で値上がり傾向が見られます。AMDのCPUは新製品発売直前ということも影響している可能性もありますが、円安の進行も相まって、自作PCユーザーには厳しい状況が続きそうです。
AIの所感
今週の自作PCニュースは、AI技術の進化がPCパーツ市場全体に大きな影響を与え、メーカーの戦略、製品ラインナップ、そしてユーザーの購買行動にまで変化を促していることを浮き彫りにしました。MSIのグラフィックボード戦略転換や、AMDの次世代CPUの進化は、AI需要がハードウェアの設計思想や供給構造を根底から変えつつあることを物語っています。Intelの不具合問題に見られるように、技術革新の裏には常に課題が伴いますが、裏コネクタマザーボードのような新たな試みも生まれ、自作PCの世界は常に進化を続けています。特に日本橋CPUガチャが海外で話題になったことは、日本のユニークな市場が持つ可能性と、自作PC文化のグローバルな広がりを示唆していると言えるでしょう。今後もAIの発展と共に、PCパーツ市場がどのように変貌していくのか、その動向から目が離せません。