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【悲報】1万円台のメモリが6万円に高騰、その裏で中国CXMTが描いた設立2カ月の謎の計画書「プロジェクト合肥」620工程を盗んだ疑い

【悲報】1万円台のメモリが6万円に高騰、その裏で中国CXMTが描いた設立2カ月の謎の計画書「プロジェクト合肥」620工程を盗んだ疑い

かつて1万円台で買えた32GBのメモリが、今は6万円台の値札を付ける。AI需要でひっ迫するメモリ市場、その価格高騰の裏側で10年ぶりに勢力図を揺らす中国企業がある。DRAMメーカーCXMTだ。韓国の裁判で検察が示したとされる一枚の計画書が波紋を呼んでいる。設立からわずか2カ月後の日付が刻まれた「プロジェクト合肥」。そこには数百工程に及ぶ製造レシピの入手期限と生産枚数までが先に書かれていた。

設立2カ月で入手期限が決まっていた 日付入り計画書の異常

報じられた内容によれば、CXMTは2016年6月に中国合肥で設立された。研究設備もない更地からの出発だったが、2カ月後の2016年8月頃に作成されたとされる計画書「プロジェクト合肥」には、2016年9月までにSamsungのプロセス・レシピ・プラン(PRP)を入手、10月までに技術者を引き抜き、2017年7月に研究開発を完了、2018年8月に月産1万枚のウエハー生産を開始するという工程表が記されていたという。韓国メディアのノーカットニュースが裁判資料として伝えた内容で、検察の主張として争われている段階とされる。

通常、会社は人を集めてから何を作るかを決める。だがこの計画は順序が逆で、書類の確保が先、人の確保が後という並びが検察の指摘だ。答えを持たない段階で完了日を先に置けるのは、答えの在りかを知る者だけという見立てが、裁判の背骨となっている。なお会社ぐるみかどうかの認定は係争中だが、個人の有罪判決はすでに確定している事件も含まれるという点は分けて見る必要がある。

620工程のレシピとは何か 6000個の数値と買い物リスト

標的とされたとされるのが、600〜620工程分の製造レシピだ。報道によって数値は揺れるが、いずれも数百段階という途方もない手順の束を指す。中身は積層、成膜、削る、焼く、洗う、打つという工程の順番と、それぞれの温度、圧力、時間、装置の種類までが詰まった条件の集積だ。仮に1工程あたり条件が10個なら、6000を超える数値の塊となる。

さらに装置メーカーの名前と型番、消耗品の銘柄まで含まれていたと報じられている。同じ温度でも装置が違えば焼き加減は変わる世界で、型番の一致は条件の数値と同じ重さを持つ。薬液や部材の銘柄が分かれば発注書を書くだけで厨房が再現できるという比喩が、半導体の現場では笑い話にならない。検察は文書にSamsung特有の書き方や書式が残っていたとみており、受け取った側の多くが元Samsung技術者であれば出所は一目で分かったはずという主張だ。

工程は独立しておらず、前の条件を1つ変えれば後ろの最適値が連鎖して動く。1つ直すたびに後ろ全体をやり直す場面も珍しくないため、正解の組み合わせが欠けなく揃っていることにこそ価値がある。抜けがない完全性が、量そのものを上回る意味を持つ。

半導体クリーンルームでDRAMウエハーを製造する工程と620工程の設計図のイメージ

記憶では埋まらず書類で埋まった 18nm試作が示した境い目

興味深いのは、CXMTが最初に試したとされる手法だ。2016年8月、引き抜いた元Samsung技術者らの記憶を持ち寄って18nm級の試作を試みたが、十分な出来にならなかったとされる。1人が担うのは自分の担当工程だけで、620工程全ての温度と圧力を覚えている者はいない。記憶を寄せても穴だらけになり、その穴の位置すらわからないという構造的な限界が露わになる。

その後にPRPへの不正アクセスが疑われ、2016年9月に自社版の文書を作って配布したというのが検察の描く時系列だ。9月という月は、計画書が定めた入手期限と一致する。人の頭の中の経験を持ち出すことは転職に伴う通常の範疇だが、書類を複製すれば線を越える。人が動くのは自由、紙が動くのは別問題という境い目が、この事件の核心として法廷で争われている。

象徴的な判決として、28年勤めた元研究者チョン氏がPRPの一部を手作業で書き写してCXMTへ移ったとして、2026年4月に懲役7年の判決を受けたことが確定事実として報じられている。コピー機ではなく手で写したという手口は、持ち出しの記録を残さない意図とみられている。同氏はその後、CEOとCTOは当初からSamsungのPRPを使ってDRAMを開発するつもりだったと証言したとされ、設立時に研究所も設備もなく自力開発の意思もなかったとする趣旨が伝えられた。

時間という盗まれた資産 2年で量産へ、シェア10%への跳躍

本来、新しい製造プロセスの開発には3〜5年、工場の立ち上げに2〜4年、合わせれば5〜10年が相場とされる。思考錯誤の大部分は、この条件でダメ、あの順番でもダメという失敗を潰す時間だ。レシピがあれば失敗の記録を飛ばし、完成した答えから始められる。腕前そのものは手に入らなくても、迷う時間だけは消える。

CXMTは合肥で約19億ドル、円換算で約3000億円の政府支援を受けて設立されたとされる。最新の工場が1兆円を超える時代に、金額自体は驚くほど大きくない。異常なのは時間だ。同社は設立から約2年で量産にこぎつけ、2019年には独自技術としてDDR4の販売を開始したとされる。研究する時間がどこにもないスピードは、レシピがもたらす時間短縮の効果を疑わせる材料として検察側に提示されている。

結果、世界シェアは約10%に到達した。Samsung、SK hynix、Micronの3社が長く寡占してきたDRAM市場で、10枚に1枚がCXMT製という構図が生まれた。裁判は2024年1月から2年以上続き、複数の有罪判決と実刑が積み上がっているが、その間もラインは止まらない。法廷の時計と工場の時計の速さの違いが、最も苦い現実として残る。

あなたの財布に返ってくる話 安さの裏にある年数

ではこの話は遠い国の産業スパイ事件で終わるのか。答えは財布の中にある。メモリはPCにもスマホにも入る部品で、供給者が3社から4社に増えれば価格は下がる方向に力が働く。自作PCでメモリが1万円下がるかどうかは、構成全体を変える現実的な差だ。AI需要で価格が高止まりする今、4番目の存在は消費者にとって一見追い風に見える。

だが安さの裏には誰かの年数がある。技術は年単位の積み上げで、それを飛ばした分の請求書が市場の形を変えているという視点は外せない。中国製を買うなでも安くなって良かったでもなく、値札がどうやってできたのかを一瞬だけ思い出すこと。その記憶が、同じ売り場を少し違って見せてくれる。

レシピを手に入れても同じ味は作れない。装置の個体差を測り、条件を合わせ込む職人技が別に要り、トランジスタの構造や物理設計そのものはレシピに書かれていないからだ。それでも修業の10年を要さずにスタートラインへ立てるという事実が、620工程の正体だ。渡ったのは味ではなく時間。時間は判決で返ってこない。

ネットの反応

設立2カ月で9月までに入手って計画書に書いてあるの怖すぎる。最初からそのつもりだったとしか思えない

620工程って聞いただけで気が遠くなる。1工程直したら後ろ全部やり直しとか職人の世界だな

型番まで書いてあるのはレシピじゃなくて買い物リスト付きの厨房マニュアルだろ。そりゃ再現早くなるわ

記憶を持ち寄ってダメで書類ならできたって順番が全てを物語ってる。線引きははっきりしてる

懲役7年は重いけど28年勤めた人が手書きで写すってのが生々しい。記録残らないようにしたんだろうな

10%シェアはもう無視できない。自作民としては安くなるのは助かるけど複雑な気持ちだ

2年で量産は普通ありえない。時間は金で買えないって言うけど今回は時間が一番盗まれたものだと思う

AIの所感

この事件で最も刺さるのは、盗まれたのが技術そのものより時間だったという整理だ。6000個の数値や型番の束は、失敗を潰した後の答えだけが詰まったカンニングペーパーであり、腕前は移せなくても遠回りだけは消せる。設立2カ月で完了日が先に決まるという異常な計画性が、将来の裁判でどこまで会社ぐるみとして認定されるかは依然流動的だが、個人の有罪が確定し、シェア10%という既成事実が市場に残った構図は重い。消費者としては、安さの恩恵と公正な競争のバランスをどう考えるかが問われる。次にメモリを買う時、値札の裏にある年数に一度だけ目を向けて選びたい。

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