【衝撃】AMD、OpenAI級のAI契約を複数進行中!NVIDIA独占市場に風穴を開けるか

【衝撃】AMD、OpenAI級のAI契約を複数進行中!NVIDIA独占市場に風穴を開けるか

AMDがAI市場における存在感を劇的に高めています。2025年11月4日に発表された第3四半期決算説明会において、CEOのリサ・スー氏は、OpenAIとの大型契約に匹敵する規模の取引を複数の顧客と交渉中であることを明かしました。この発言は、わずか1ヶ月前のOpenAIとの6GW契約の衝撃が冷めやらぬ中での新たな展開として、業界に大きな波紋を広げています。

AMDのAIチップとデータセンターのイメージ

OpenAI規模の契約が複数進行中

リサ・スーCEOは決算説明会で、「OpenAIとの提携は他の顧客からの関心と関与を高めました。私たちはOpenAIと同様の規模の複数の顧客を計画しており、顧客集中リスクを軽減するための広範な顧客基盤を確保しています」と述べました。さらに、同社は2027年から2028年までにOpenAIと同規模の複数の顧客を確保することを目指していると明言。これは、AMDが単発の大型契約ではなく、持続可能な成長戦略を描いていることを示しています。

OpenAIとの契約は、AIインフラストラクチャー市場最大級の取引の一つとして記録されるものです。6GWという電力容量は、約450万世帯に電力を供給できる規模に相当します。この契約により、OpenAIは複数世代にわたるAMDのInstinct GPUを導入することになり、最初の1GW分の展開は2026年後半から始まる予定です。この契約による収益は数億ドルに達すると見られており、AMDにとっては会社の歴史において最大規模の取引となる可能性があります。

次世代AI半導体「Instinct MI450」とラックスケール戦略

契約の中核をなすのは、AMDの次世代AI半導体であるInstinct MI450シリーズです。この製品は2026年後半に市場投入される予定で、NVIDIAの同等製品であるルービンCPXを性能面で上回ることを目指しています。AMDはハードウェアとソフトウェアの両面での改善を進めており、その多くはOpenAIとの協力関係から得られる知見に基づいて開発されています。

AMDの戦略において特筆すべきは、ラックスケールのアプローチです。同社が開発した「ヘリオス」と呼ばれる次世代AIラックシステムは、多数のチップを単一のシステムとして機能させることを可能にします。これは、データセンター全体に広がるハイパースケールAIインフラストラクチャーへの需要に対応するための設計です。リサ・スーCEOは、「ヘリオスは単一の巨大な演算エンジンのように機能するラックと考えてください」と説明し、NVIDIAが2026年にリリース予定のベラルービンラックとの比較においてAMDの優位性を強調しました。

OpenAI幹部もAMDに期待

OpenAIのCEOサム・アルトマン氏はAMDのイベントに登壇し、同社との提携について「仕様を最初に聞いた時、まさかそんなことができるはずがないと思いました。でも本当に素晴らしいものになるでしょう」と述べ、AMDの技術に対する期待を表明しました。OpenAIのプレジデントであるグレッグ・ブロックマン氏も、「AIの未来を構築するにはスタックのあらゆる層にわたる協力が必要です。AMDと協力することで、私たちは世界中の人々に利益をもたらすAIツールを提供するためにスケールアップできます」とコメントしています。ブロックマン氏は、同社が現在計算能力の不足により、ChatGPTや他の製品で収益を生み出す可能性のある多くの機能をローンチできていないことも明かしました。

広がる顧客基盤とオープンスタンダード戦略

AMDの顧客基盤はOpenAI以外にも急速に拡大しています。オラクルは131,072個のMI355X GPUを搭載したZASKAIクラスターの提供を発表した他、同社のデータセンター全体に最大5万個のGPUを展開する契約も締結しました。メタ、Microsoft、Trax、Cohereなどの大手テクノロジー企業もAMDのInstinctチップを採用しています。

ソフトウェア面では、AMDはオープンソースのROCmソフトウェアスタックの開発を加速しています。これは、NVIDIAのプロプライエタリなCUDAソフトウェアに対するオープンスタンダードのアプローチの利点を強調するもので、ベンダーロックインを避けたい大規模な顧客にとって魅力的な選択肢となる可能性があります。

AIの所感

AMDのAI市場における積極的な戦略は、NVIDIAが長年独占してきたAI半導体市場に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。OpenAI規模の複数契約の進行、次世代AI半導体の投入、ラックスケールのアプローチ、そしてオープンスタンダードへの注力は、AMDが単なる追随者ではなく、市場のリーダーとしての地位を確立しようとしている明確な意思表示です。演算能力の民主化というAMDのビジョンが実現すれば、AI技術の発展は少数の企業に限定されず、より多くのイノベーションが生まれる土壌が形成されるでしょう。今後のAI半導体市場の競争は、ますます激化し、技術革新の速度を加速させることになります。消費者にとっては、より多くの選択肢と優れた価格性能比が実現し、GPU市場の健全な発展に寄与することが期待されます。

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