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【悲報】中身0GBのDDR5が正式発売「光るだけで約7000円」なぜ売れるのか 中古PCで容量詐欺の懸念も

【悲報】中身0GBのDDR5が正式発売「光るだけで約7000円」なぜ売れるのか 中古PCで容量詐欺の懸念も

メモリスロットが4本全て埋まった自作PCの写真は、ただそれだけで「かっこいい」「お金がかかっている」と感じさせる魅力がある。だが、その1枚が中身0GBかもしれない。RAMチップを1枚も積んでいない「光るだけ」のメモリが、正式な商品として発売され、国内外の自作PCコミュニティで大きな議論を呼んでいる。

発売したのはメモリメーカーV-Color。RGBだけは本物と同じように連動して光るが、容量も速度も一切増えない。あくまで空きスロットを埋めて「全装着しているように見せる」ためだけのフィラー(飾り)モジュールだ。中身の入っていない空き箱を棚に綺麗に並べて満足感を得るのと同じ発想だが、れっきとした新品商品としてNeweggやAmazonに並んでいる点が、これまでの自作PCの常識を揺るがしている。

44ドルから300ドルまで 0GBと本物1枚の2つの顔

現在販売されている形は大きく2種類だ。1つは0GBモジュール2枚だけの飾りセット、もう1つは本物の16GBと飾り1枚を組み合わせた1+1キットである。

価格の幅は記事掲載時点で最安43ドルから高い方で約300ドル近くまで、同じシリーズ内で7倍近い開きがある。安い方が中身100%偽物、高い方が半分本物という構図だ。具体的には、英国のOverclockersが販売する1+1キット(16GB 6000MT/s CL30)は210ポンド、換算で約285ドル。CL28の上位版は219ポンドで約297ドルと、タイミングの差はわずか9ポンドに過ぎない。

一方、飾りだけのセットは上位ラインがAmazonで57ドル、Neweggのエントリーラインが44ドル、ドイツの店舗で50ユーロ(約58ドル)。日本円の外貨換算(1ドル約158円)で見れば、およそ7000円から9000円で「光るだけの空き箱」を買う計算になる。しかもこの飾りは、すでに動作するメモリを持ち、空きスロットが2本あるユーザーしか使えないという、対象が極めて狭い製品でもある。

RGBで光るゲーミングメモリが4本並ぶ美しい自作PC内部とマザーボードのイメージ

日本なら32GBが6万円台 英国の1+1キットは4万5000円で16GB+飾り

この価格を日本の実売相場と並べると、歪さがより鮮明になる。国内価格比較サイトで確認されたDDR5 6000の16GB2枚組(32GB合計)は、サイコムやシリコンパワーで約6万2000円から6万5000円、Teamの製品で約8万円から8万5000円という並びだ。単純計算で本物の16GB1枚あたり約3万円強という感覚になる。

英国の1+1キット285ドルを円換算すると約4万5000円前後。国内なら32GBの2枚組が買えるか買えないかのラインで、手に入るのは本物16GB1枚と光る飾り1枚だけだ。国や店舗、税制の違いを考慮しても、同じ金額で片方は32GB、片方は16GB+飾りという構図は、メモリ高騰がいかに深刻かを物語る。V-Colorのこの製品が日本国内で買えるかどうかは現時点では確認されておらず、今回は海外で起きている現象として捉えるのが正確だ。

シングルチャネル化と16GBの壁 飾りは性能を助けない

性能面での代償も見逃せない。1+1キットで手に入る本物は16GB1枚、つまりそのPCの総容量は16GBとなる。ブラウザのタブを大量に開き、ゲームを立ち上げ、裏で配信ソフトを回すような使い方では、すでに苦しくなる容量だ。飾りが刺さっていても、この不足は一切補われない。0GBはどこまでいっても0GBである。

さらに、2枚差しで本来2本となるCPUとのデータの通り道(デュアルチャネル)が、1+1では1本(シングルチャネル)になる。車で例えれば2車線が1車線になるイメージで、データの通り道の幅が半分になる。見た目を整えるために性能を削っている構図だ。記事は「DDR5ならシングルチャネルでも致命的ではない。特にX3D系CPUならなおさら影響は小さい」と評価しているが、具体的な測定値は掲載されておらず、あくまで記事側の評価に留まる。

理屈として、X3DはCPU側に大容量キャッシュを積むことでメモリまで取りに行く回数を減らせるため、速度の不利は隠れやすい。しかし、キャッシュが隠せるのは速度だけで、容量そのものはごまかせない。16GBしかないという事実は、どんなCPUでも埋められないというのが冷静な結論だ。

流通の歪み 北米では買えず欧州では1店舗だけ 値札も壊れる

流通の歪みも顕著だ。本物1枚入りの1+1キットが買えるのは英国とドイツの2カ国のみで、北米には掲載がない。自作PCの本場であるアメリカで買えないという皮肉な状況だ。しかも欧州で扱う店舗はドイツ拠点のCasekingが実質1店舗だけという、流通とは呼べない細さだった。

価格も国を跨ぐと壊れる。欧州で在庫があった早いCL28の黒モデルは330ユーロ(約384ドル)で、英国の約297ドルより90ドル近く高い。一方CL30は220ユーロ(約256ドル)だが在庫切れ。英国では9ポンド差だったCL28とCL30の差が、欧州では100ドル以上開くという異常な開きが生じている。供給が細れば値札はこうなるという典型例だ。

逆に、中身0GBの飾りだけはAmazonでもNeweggでも買える。チップの奪い合いと無関係なため、在庫に困らないという皮肉な構図だ。中身だけが世界中に行き渡るという、よくできた話とも言える。

コルセアが先行 V-Colorだけが本気で投資する理由

そもそもこの飾り自体は新しい発明ではない。最初に手がけたのはCorsairで「ライトエンハンスメントキット」という名前で販売していた。今回の違いは、本格的に投資しているメモリメーカーが実質V-Colorだけという点だ。他社が手を出さない理由は、メモリメーカーの本業がチップを売ることであり、中身のないものを自社ブランドで売ることは看板との相性が悪いからだ。

V-Colorは割り切って単体でも売り、キットの不足分としても組み込んだ。発表時の担当者は「見た目も将来のアップグレードの余地も犠牲にせずにDDR5を始められる選択肢を出したかった。後から本物に差し替えればいい」と語っている。先行報道では2+2構成(本物2枚+飾り2枚で4スロット全埋め)も予告されていたが、当初予告のDDR5 6400や24GB構成と、実際に並んだ6000MT/sの16GBにはズレがあり、供給事情を反映したとみられる。

中古PCで「写真が証拠にならない時代」へ 見るべきはスロット数ではない

最も重い懸念として浮上しているのが、中古PC市場への影響だ。スロットが4本埋まっている写真だけでは、容量を誤認させる取引に悪用されかねないという指摘が出ている。写真だけ見れば容量が多いと誤解するのは自然なことだ。一方で「飾りは騙すために作られたものではない。装飾用途と明記して売っている」という反論もあり、V-Colorが悪意を持って販売している証拠はない。

だが、作った側に悪意がなくても、「写真が証拠にならなくなった」という事実は変わらない。長年「スロットが埋まっている=ちゃんとお金がかかっている」という目安は、今日から使えなくなった。空箱が並んだ棚を満杯だと信じていたようなものだ。

中古やBTOを検討する際に持つべき癖は1つだけ。写真のスロット数を数えるのではなく、OSが表示する搭載メモリ容量(タスクマネージャーやCPU-Zなどの定番ツール)という「数字」を見ることだ。難しい話は不要で、見た目ではなく数字を信じるというシンプルな自衛策が、これからの必須リテラシーになる。

ネットの反応

7000円で光るだけの空き箱か。見た目にお金払うのは分かるけどさすがに切ないな

16GB1枚で4万5000円はえぐい。日本なら32GB買える値段で飾り付きって笑えない

シングルチャネルになるデメリットを記事が軽く見すぎ。X3Dでも容量不足は隠せないだろ

北米で売ってないのに飾りだけは世界中で買えるって皮肉すぎる。中身だけ行き渡るって何だよ

中古で4本刺さってても中身0GBかもってなると写真が全く信用できなくなる。数字見せてもらうしかない

1枚しか買えなかった事実を毎日見なくて済む時間にお金払ってるって表現が刺さった。笑えないけど分かる

AIの所感

0GBの部品が商品として成立してしまったという事実は、メモリが高すぎるという入り口以上に、値上がりが人の「目」を変えてしまったことを意味する。スロットが全部埋まっていることが、長年「ちゃんとしたPC」の目安として機能してきたが、その目安が今日、完全に切り離された。見た目のために道幅を半分にし、容量を捨て置き、それでも売れる場所があるという現実は、相場の歪みそのものだ。V-Colorの割り切りは、看板よりも「今すぐDDR5を始めたいが2枚分の金が出せない」という切実な需要に寄り添った結果とも言える。だが、7000円から9000円という飾りの価格は、本物の16GB1枚(約3万円)の4分の1に迫る額でもある。少し待って本物を足すという選択肢は、常に隣にある。笑うべきは商品ではなく、こういうものが必要になる相場の方だ。中身が商品になる相場が続く限り、同じようなものはまた現れるだろう。私たちにできるのは、光っている本数ではなく、画面に表示される数字を信じるという、極めてシンプルな防衛策だけだ。

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